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山姥切長義 – 刀剣特集 – 日本の名刀をご紹介

 

【山姥切長義の歴史と概要】

 

山姥切長義(やまんばぎりちょうぎ)は、備前長義作の刀「本作長義」の異名だよ。
南北朝時代に作られたとされる打刀で日本の重要文化財にも指定されているの。

現在は愛知県名古屋市の徳川美術館が所蔵しているよ。

作者である備前長義の手による銘は磨上げにより残っていなくて、62文字からなる長文の切付銘は天正18年(1590年)に堀川国広が刻んだものが残っているんだ。
次に山姥切長義の来歴をまとめてみよう。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
やまんばぎり。。。意味深な名前ですな。。

 

<北条氏直から長尾顕長へ>

元々、山姥切長義は小田原北条家に伝来し、天正14年(1586年)に臣従儀礼の一環として長尾顕長に贈られたものなんだ。
長尾顕長が率いる長尾家は領地周辺を治める戦国武将の動向に合わせて臣従する主君をたびたび変えていて、「屋形様」とされる氏直率いる小田原北条家とも敵対と臣従を繰り返していたと言われているよ。

天正18年(1590年)5月には国広がこの山姥切長義に銘入れをしているんだ。
来歴については国広が打った銘によって判明しているよ。

 

<尾張徳川家>

長尾家没落以降の伝来は不詳なんだけど、延宝9年(1681年)6月に代金152両1分で尾張藩3だい藩主・徳川綱誠が購入。
それ以降は尾張徳川家に伝来するよ。

山姥切長義の白鞘の鞘書には「仁壱ノ七拾九 備前国長義御刀 磨上無銘長弐尺三寸六分 延宝三乙折紙 代金拾五枚」とあるの。
刀剣鑑定を行う本阿弥家12代当主・本阿弥光常によって金15枚と極められた折紙が附属しているんだよ。

 

<近代>

明治維新後も尾張徳川家に伝来。
昭和14年(1939年)9月6日に重要美術品に指定、この時尾張徳川黎明会所蔵。
昭和24年(1949年)2月18日に旧国宝に指定。
昭和25年(1950年)に文化財保護法施行により重要文化財に指定。

現在も尾張徳川家ゆかりの愛知県名古屋市にある徳川美術館で所蔵されているよ。

 

 

【山姥切長義の作風】

 

備前の小板目に杢まじりの鍛え、相州風に地刃が沸付き、大模様に乱れた刃文を表すなど、相州伝備前の典型なんだ。
また身幅が広く、切っ先が大きい豪壮な姿に南北朝時代の特徴がよく現れているよ。

 

<刀身>

全長87.9cm、刃長71.2㎝、茎長16.7cm
大磨り上げでもなお2.4㎝ある高い反りと、長さ7.2cmの豪壮な大切先で、表裏の鎬地いっぱいにかき通してある棒樋の樋先は上がる。
目釘孔は3個で、刃文は焼きの谷がリズミカルに並ぶ大互の目乱で、乱の谷に小乱交じり華やか。

徳川美術館では刀剣の研ぎを行っていないため、江戸時代の研ぎの重厚な輝きが今もなお保たれているんだ。

 

<外装>

金無垢二重拵えが附属しているよ。
尾張徳川家の白鞘にはハバキが不要で、蔵帳に拵えが作られた形跡もないことから、尾張徳川家が購入した時点での白鞘に附属していたハバキだと考えられているんだ。

 

 

【山姥切長義の豆知識】

 

山姥切長義のエピソードや豆知識をまとめてみるね。

 

 

<山姥切長義の名前の由来とは?>

 

北条氏政が長尾顕長に贈ったと言われている長義の刀は、むかし信濃国にある戸隠山中で山姥なる化け物を退治したことから「山姥切」という名前がついたんだ。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
やっぱりそのまんま!山姥を斬ったからだったね!

 

<山姥切長義を作った刀工・長義とは?>

 

山姥切長義を制作した刀工・長義(ながよし)は、通称は藤左衛門で、長船派の長光、景光、兼光と続く主流派とは別系統の刀工なんだ。
従来の備前風の作風を基本とした相州風の作風も加味された相伝備前を生み出した刀工として知られているよ。

祖父は長船真長、父が光長と伝わっていて、兼光と並ぶ相伝備前の代表工で、兼長の師でもあるんだ。
長義は正宗の下で学び、正宗十哲の1人でもあるの。

 

焼きの高い互の目丁子刃に耳の形に似た刃文を交え、覇気に満ちた作風が特徴で、豪快な作品が多く、その長大さから大磨上無銘にされた作が多いんだ。
この山姥切長義も相伝備前の典型作で、身幅が広くて豪壮な姿をしているよ。

長義の作として山姥切長義の他にも、兜もろとも八文字形に切り捨てたという逸話を持つ「八文字長義」などが有名なんだ。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
正宗十哲の一人ですぞ〜

 

<臣従儀礼の一環として贈られた山姥切長義>

 

山姥切長義は北条氏直から長尾顕長へ、臣従儀礼の一環として贈られた刀なんだよ。
顕長がいる長尾家は領地周辺を治める戦国武将の動向に合わせて臣従する主君を変えていて、氏直率いる小田原北条家とも敵対と臣従を繰り返していたそう。

天正12年(1584年)に勃発した小牧・長久手の戦いでは、豊臣秀吉側についた長尾家ら国人衆と、徳川家康側についた小田原北条家との間で8月末に講和が成立。
しかし小田原北条家は講和後も国人衆への攻撃を停止せず、天正12年の年末には長尾家は館林領を失ってしまうんだ。

そして、長尾家は翌年初めには小田原北条家に降伏・臣従することを余儀なくされてしまうよ。

 

戦国時代の臣従儀礼では、、臣従する国人当主は主君の許へ自ら赴かないと臣従の保証はされなかったんだ。
一方で、臣従を受け入れる主君側も完全臣従させたことを世間にアピールするために、それ相応の待遇で迎える必要があったの。

山姥切長義もその一環として贈られた刀であり、長尾家と小田原北条家との関係が銘文で裏付けされたんだよ。

 

 

<異例の長文かつ説明的な銘文>

 

山姥切長義には作者である長義によって切られた銘は磨り上げによって残っていないんだ。
しかし堀川国広によって茎に計62文字にわたる銘が切られているの。
この62文字の名は、刀剣の銘としては異例の長文かつ説明的な銘文となっているんだ。

 

銘文の内容から、山姥切長義は天正14年(1586年)7月21日に長尾顕長が小田原城へ参上した際に北条氏直から下賜ものであることが分かるよ。
またその4年後の天正18年(1590年)5月3日にその伝来を記録する追刻銘が堀川国広によって彫られていることも、その銘から分かるんだ。

ちなみに天正18年(1590年)と言えば豊臣秀吉によって小田原攻めが行われた年で、敗戦を察して顕長が国広に命じて刀の由緒について銘を切らせたとも言われているの。
銘を入れた場所に関しては、小田原城で入れたという説と足利学校で入れたという説があるよ。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
62文字もお入れちゃいました。笑

 

 

<山姥切長義の写し・山姥切国広>

 

山姥切長義にはいくつか写しがあるんだけど、その1つが山姥切国広だよ。
山姥切国広は昭和37年(1962年)6月21日に重要文化財に指定されているんだ。

刀剣において、本歌である山姥切長義と、写しの山姥切国広がどちらも重要文化財であるのは極めて珍しく、唯一の事例となっているよ。

 

国広と言えば本歌の山姥切長義に銘を切った刀工だよね。
顕長が伝来を追記する追刻銘のみを国広に依頼したのか、磨上げも含めて工作を依頼したか?は分かっていないんだ。
堀川国広が山姥切長義を研究する機会は十分にあったとみられていて、追刻銘に先立って天正18年(1590年)2月に国広作の写し「山姥切国広」が作られているの。

 

本歌・山姥切長義と写しの山姥切国広は、峰の形状と樋先の位置関係などは正確であるものの、反りを含めた全体の姿形と茎仕立てはあまり似ていないよ。
しかし山姥切長義をねらったことが明らかな相似形と、両方の銘にある「天正十八年」「顕長」からこの二振りが本歌と写しの関係であることは大前提として語られているんだ。

この写しにも小さい銘が切られていて、表に「九州日向住国広作」裏に「天正十八年庚寅弐月吉日 平顕長」と切っているよ。

 

写しと聞くと、現代の復元模造に対するイメージが強いけれど、当時の刀工が持つ写しに対する意識と現代の復元模造とでは意識が異なるんだよ。

堀川国広の「慶長打」と呼ばれる相州伝に学んだ後期の作風は、山姥切長義を写したことが契機になったとみる説もあり、山姥切長義が国広にとって大きな影響を与えたと言われているんだ。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
本歌と写し、どちらも重要文化財なのは唯一の事例なんですって♪

 

<堀川国広が作った山姥切長義の写し「山姥切国広」とは?>

 

山姥切長義の写し「山姥切国広」は安土桃山時代に活躍した山城国堀川の刀工・堀川国広作の打刀だよ。

堀川国広は新刀の祖と呼ばれていて、国広が山伏として諸国放浪していた頃に下野国にあった足利城主・長尾顕長の依頼を受けて、山姥切長義を写したものなの。
この山姥切国広は国広の最高傑作とされていて、写しでありながらも魅力に富んだ名刀として知られているんだ。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
山姥切国広もまたすっごい名刀なんですな!!
刀剣レモン
刀剣レモン
写しといっても今で言うコピーじゃなくて。というイメージですな。

 

刀剣レモン
刀剣レモン
刀を反りや長さなども、そっくりそのまま作れたら天才ですものね。

 

 

刀剣乱舞キャラ紹介

 

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刀剣男士と共に―いざ出陣!

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(公式サイトより引用)

 

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