大和守安定 – 刀剣特集 – 日本の名刀をご紹介
2021年2月25日歌仙兼定 – 刀剣特集 – 日本の名刀をご紹介
2021年2月25日<截断銘とは?>
大和守安定で紹介した刀の切れ味を表したこの截断銘。
せっかくなので一つの記事として截断銘についてまとめてみるね。
試し切りで有名な家系は、「地獄楽」などの漫画でも出てきた山田浅右衛門家が有名だよ!
江戸幕府の命で刀剣の試し斬りする御用を勤めて、その際に罪人の死体を用いていたんだ。
截断銘(さいだんめい)とは切れ味を刀の茎に記した銘文のことで、その多くは金象嵌で入れられているの。
(裁断銘 / せつだんめいということもあるよ。)
代表的な截断銘は以下の通りだよ。
・二ッ胴
二ッ胴(ふたつどう)とは、罪人の死体を重ねて試し切りした結果を示す截断銘のこと。
試し切りを行った者の名前を象嵌することが多いよ。
二ッ胴切り落ち、三ッ胴切り落ち、四ッ胴切り落ちなどがあるの。
七ッ胴が最高で、備前基光作の刀、織田信雄の重臣・岡田長門守重孝の脇差、信濃守信吉の刀などが有名だよ。
・籠釣瓶
籠釣瓶(かごつるべ)
籠釣瓶とは、籠で作った釣瓶のように、水滴さえ留めることができない優れた切れ味を示す截断銘のこと。
水も濡らさぬほどの切れ味を意味しているよ。
兼定作の立袈裟籠釣瓶や柳生厳包の愛刀で肥後守秦光代の作などが有名。
・笹露
笹露(ささつゆ)とは、鞘を払ったと見る間もなく相手を切って落とす切れ味や笹の露のように相手の首を落とす切れ味を示す截断銘のこと。
また、篠雪、笹雪、笹の丸雪、道芝の露なども同様の意味だよ。
槇孫六兼元「笹露 槇嶋監物所持之」や池田輝政の家臣・八田豊後守の佩刀「郷義弘」、柳生連也斎が所持した秦光代の脇差「笹露」などが有名。
・小袈裟斬り
小袈裟斬り(こげさぎり)は試し斬りの際、肩から脇の下に向けてけさがけに切り落とす方法のことだよ。
・踊り仏
踊り仏(おどりぼとけ)は仏踊(ほとけおどり)とも呼ばれており、袈裟を掛けた仏様が踊りだすと、交野袈裟が落ちることから「袈裟斬り」を意味するよ。
この踊り仏は大和守安定、越中守正俊、九郎三郎重国などに見ることができるんだ。
・棚橋
棚橋(たなはし)は欄干のない橋のことで、すぐに落ちてしまうことからそう呼ばれているんだ。
大和守安定の作った刀の中には、棚橋銘があるよ。
・神風
神風(かみかぜ)は神風のように速く斬れることを示すよ。
・唐竹割り
唐竹割り(からたけわり)は、試し切りで死体を土壇の上に跨らせ、両肩の上に竹を立てて固定した後、背骨を上から下まで切り通すことを示しているよ。
大和守安定作の中で「唐竹割三ッ胴切落 万治三庚子年十一月廿三日 山野加右衛門尉永久(花押)」と在銘のものがあるんだ。
・通抜
通抜(とおりぬけ)は骨を切っても手応えなく、すっと通り抜けるように切れるという意味だよ。
・継小袖
継小袖(つぎこそで)は試し切りの際に、死体を3体重ねておいて斬ると、その切り口が継いだ小袖のように見えるという意味だよ。