長曽祢虎徹 – 刀剣特集 – 日本の名刀をご紹介
2021年3月30日膝丸 – 刀剣特集 – 日本の名刀をご紹介
2021年3月30日目次
【髭切の歴史と概要】
髭切(ひげきり)は源家重代の刀として伝えられる日本刀だよ。
軍記物語などの説話にも登場する刀で、歴史上名前が何度も変わった刀剣としても知られているの。
この髭切には名前の数だけそれぞれのストーリーがあり、髭切の持ち主も平安時代から鎌倉時代にかけて活躍した源氏一族であるため、華々しさを感じられる日本刀なんだ。
髭切の所有者は源満仲から始まったよ。
第56代清和天皇の子孫である源満仲(多田満仲)は源氏一族で、兵庫川西の多田庄に本拠を据えて各地の受領を勤め、豊かな経済力を持っていたんだ。
さらに満仲は軍事力もあり、武士というよりも中級貴族のような立場でもあったの。
源満仲が多田に移った時に、国を守るよう天皇から命じられ、それにふさわしい刀剣を持たなくてはと考えて作った刀が「髭切」だったんだ。
実は髭切と一緒に作った刀として「膝丸」があり、髭切と膝丸は2対ワンセットの名刀として知られているよ。
満仲はたくさんの刀鍛冶を集めて刀を打たせたもののなかなか気に入るものがなかったそう。
ある人が「筑前国・三笠郡土山で、唐土から渡ってきた刀鍛冶がいて、その彼が優れているのでお呼びになってみてはどうですか?」と言ってきたの。
それを聞き、満仲はすぐにその刀鍛冶を呼び寄せて、いくつかの刀を打たせたものの、やはり満仲が気に入る刀剣はできなかったんだ。
しかしその刀鍛冶は諦めず「せっかく筑紫から呼んでいただいたのに、このまま引き下がることはできません。神仏に願えば叶うと昔から言います」と話して、八幡宮に参詣して祈願したよ。
すると祈願から7日目の夜に刀鍛冶は夢で、八幡大菩薩から「60日間かけて鉄を鍛えて、2振りの太刀を打つように」というお告げを受けたんだ。
そのお告げ通りに太刀を打ったところ、満仲はその刀をたいそう気に入ったそう。
60日間鍛えさせてできた太刀は、長さが二尺七寸(約80㎝)、漢の皇帝・劉邦が持っていた3尺の刀に並ぶほどの名刀だったんだよ。
この髭切という刀は持ち主が変わるたびに名前が変わっていったんだ。そこで髭切がどのように名前が変わったのか?をまとめてみよう。
<鬼丸>
源満仲の子である源頼光がこの刀を父から引き継いだ時に「髭切」から「鬼丸」に変わっているんだ。
名前の由来は父・満仲は四天王の渡辺綱をお使いに出した時に、護身用としてこの髭切を貸し与えた時の出来事が関係しているの。
名前の由来は諸説あって
・渡辺綱が羅城門の鬼を退治しに行き、鬼の腕を切り落とした説
・一条戻り橋で美女に化けた鬼の腕を渡辺綱が切り落とした説
・大江山の鬼退治の時に持っていた刀で鬼を切った説
などがあるよ。
どの説も鬼を切ったという言い伝えであり、その出来事から「鬼丸」に変わったと言われているの。
頼光の次に、義家に受け継がれることになるんだけど義家の時には「鬼丸」という名前のままだったんだ。
<獅子の子>
源義家の子・源為義の代では2回も名前が変わったんだ。
まず「鬼切」は「獅子の子」と名前を変えたよ。
ある夜、為義が鬼切を佩している時に、この刀が獅子のように吠えたことから名付けられたと言われているよ。
剣巻によると、「2振りの刀(髭切と膝丸)が終夜吠え、[鬼切]は獅子の声に、[蜘蛛切(膝丸の別名)]は蛇に似た声で鳴いた。そのため鬼切は[獅子の子]、蜘蛛切は[吼丸]と名を改めた」と記述されているんだ。
<友切>
獅子の子と吼丸と名を変えた、髭切と膝丸だったけれど、吼丸は熊野に奉納することになったため、源為義は寂しく感じ、獅子の子を見本にそれよりも2分(約6.35mm)ばかり長い太刀を作らせてその刀を「小鳥」と名付けたんだ。
獅子の子とそれよりもやや長い小鳥を障子に立てかけて並べていた時に、その2振りが同時に倒れ、獅子の子が小鳥の中茎を断ち切り2分ほど短くなって「獅子の子」と同じ長さの太刀になったの。
それを見た為義は、この2つの刀は友のように近い存在だと感じ、獅子の子を「友切」と改名したんだよ。
<友切から髭切に名前が戻る>
友切は為義から、その子・義朝に受け継がれたよ。
義朝は、父子兄弟が分かれて戦った保元・平治の乱でも有名な、頼朝・義経の父親にあたる人物なんだ。
義朝は、保元の乱では敗者となって、東国へ逃げ延びる最中に殺害されてしまうの。
この保元の乱で逃げている最中に義朝は「剣の威力も最早なのか。八幡大菩薩に見捨てられてしまったのか」とぼやいたそう。
そうすると義朝の夢になんと八幡大菩薩が現れ「ころころと刀の名前を変えるからだ!今の友切という名前は縁起が悪い。味方を滅ぼすのに相応しい名前だ、昔の名前に戻せば、今後は武運に恵まれるでしょう」と言ったよ。
この夢のお告げによって、義朝は「友切」から「髭切」に名前を戻したと言われているんだ。
その後、持ち主は義朝の子・頼朝になったよ。
頼朝は平治の乱で伊豆蛭ヶ小島に流されるんだけど、その時にはこの髭切は平清盛に渡ったよ。
平清盛から後白河法皇の手へ渡り、鎌倉幕府が成立後に、源頼朝が後白河法皇の元へ参内した際に再び頼朝の手に戻されたと言われているんだ。
髭切が再び源氏の手に戻ってから、平氏を討ち、源氏の世が始まっていくよ。
【髭切の作風】
髭切の存在に関しては疑問視されているものの、髭切に仮託される刀剣として「鬼切」があるよ。
「太平記」で語られる鬼切には「源氏子孫代々に伝え、天下を守るべし」とされた一文があるため、髭切と同一視されることが多いの。
鬼切は鬼切丸とも言われており、明治13年(1880年)に北野天満宮へ奉納されたんだ。
刃長2尺7寸8分5厘(84.4cm)、反り1寸2分厘(3.6cm)、元幅1寸1分2厘(3.4cm)、先幅6分6厘(2.0cm)、元重2分3厘(0.7cm)、先重1分9厘(0.58cm)、鋒長8分9厘(2.7cm)、茎長 8寸6厘(24.5cm)、全長3尺5寸8分(108.4cm)小さな鋒と切先、さらに大きく反る姿は、平安時代初期の日本刀の特徴を示しているよ。
鬼切丸は国指定の重要文化財にもなっているんだよ。
ちなみに「剣巻」に記されている髭切も刃長は2尺7寸で、外装は柄・鞘ともに黄金作りであったそう。
【髭切の豆知識】
髭切のエピソードや豆知識をまとめてみるね。
<髭切の名前の由来は?>
髭切と膝丸が完成した際、この刀の作刀を命じた源満仲はたいそう喜んだそう。
そこで髭切と膝丸の試し切りをするために、人を斬ったんだ。
首を落とした時に髭の1本も残さず切断した刀は「髭切」と名付けられ、揃えた両膝を難なく切断した刀は「膝丸」と名付けられたよ。
「源平盛衰記」にも、『一振りは「髭を加えて切ってければ」髭切と名付けられ、一振りは「膝を加えて切りければ」膝丸と名付けられた』と記されているよ。
源満仲は髭切と膝丸の2つの名刀を持って、国を守り、その後も子孫に受け継がれて力を発揮したと言われているんだ。
<鬼丸の名前の由来となった鬼退治を詳しく解説>
髭切という名前から鬼丸という名前に変わったのは、その刀で鬼を切ったことが由来となっているという話をしたよね。
ここでは鬼丸という名前の由来となった一条戻り橋で美女に化けた鬼の腕を渡辺綱が切り落とした鬼退治の話をまとめてみよう。
源満仲の子・源頼光の代になると、不思議なことが何度も起こったそう。
身分にかかわらず、人々が突然行方不明になる事件が頻発したんだ。
この元凶となったと言われているのが嵯峨天皇時代に生きた公家の娘なの。
この娘は恋人だった男が、別の女に心変わりしたために嫉妬に狂って鬼になったと言われているんだ。
その鬼は「宇治の橋姫」と呼ばれていたんだよ。
鬼と化したその女は男女を問わず欲望のままに人を殺していったの。
都に住んでいた人は夕刻になると門や戸をしっかりと閉めて、鬼に襲われないように毎日怯えながら過ごしていたんだ。
その当時、源頼光の家臣には四天王と呼ばれる剛勇な家臣が4人いたんだ。
その中の1人が、渡辺綱(つな)。
ある夜、綱が頼光の使者として出かける際、頼光は綱に自らの刀である「髭切」を持たせたんだ。
綱が用事を終えて帰宅する際、一条戻橋を渡りかけていると、20歳前後の美しい女性とすれ違ったの。
その女は「夜も更けて、鬼に襲われるのが怖いので、送り届けてくれませんか?」と綱に頼んできたそう。
そこで綱はその女を馬に乗せたよ。
すると女は鬼の姿に変わり、綱の髪の毛を掴んで、愛宕山の方に飛んで行こうとしたんだ。
綱は持っていた髭切を抜いて、その鬼の腕を切って逃げ帰ったそう。
綱は鬼の腕を持ち帰り、主君・源頼光に見せると頼光はたいそう驚き、陰陽師の阿部晴明を急いで呼び寄せたんだ。
阿部晴明によって厳重に封印したものの、鬼は綱の義母に化けて現れ、その腕を奪っていったそう。
<髭切は本当に実在していた?その存在は疑問視されている>
髭切は源氏の重宝と呼ばれているものの、平家の重宝と呼ばれる小鳥丸とは違って、同時代、後世も含めて一次資料がなく、髭切について記載されているのがほとんど戦記物なんだ。
また、押形も見当たらないため、実在の可能性はほとんどないとすら言われているの。
実際のところ、どうなのかは分からないんだよ。
<髭切と同一視される鬼切丸の名前の由来とは?>
髭切と同一視されていて、北野天満宮に奉納された日本刀「鬼切丸」は、 伯耆国の鍛冶安綱が鍛え、坂上田村麻呂に奉じたのが始まりなんだ。
鈴鹿山で鈴鹿御前との戦いにも鬼切丸は使用されていて、伊勢神宮に参拝した際には天照大神より夢の中でお告げを受けて奉納したと言われているよ。
その後、伊勢神宮に参拝した源頼朝が夢の中で「子孫代々に伝え、天下を守るべし」と天照大神より鬼切丸を受け取ったんだ。
源頼光の手に渡ると、家臣である渡辺綱に貸し出されて、その綱が鬼の腕を切り落とし、頼光がその鬼を討ち取ったと言われているの。
頼光が鬼を討ち取ったことから「鬼切丸」と呼ばれるようになったと言われているんだよ。
刀剣乱舞キャラ紹介
刀剣乱舞とは
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