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2020年5月18日「曲輪」についての基本的な知識は別の記事で学んだね!
その記事でも少し説明したけど、三の丸よりも多く曲輪をつくった場合は用途や役割によっていろいろな名称で呼ばれていたんだ。
四の丸まであったのは青森県の弘前城くらいで、それ以外のお城では曲輪にとってもユニークな名前が付けられていたんだよ♪
お城の曲輪についてもっとよく知るために、今回は曲輪の役割や種類、呼ばれ方を紹介していくね!
みんなに分かりやすいように、実際にあるお城を例に出して説明していくよ。
目次
【曲輪の基本的な役割は「城の防御」】
まず、お城に曲輪がつくられた目的というのは、敵が侵入してきたことを想定して、その攻撃に耐えるためだったんだ。
もしもお城に区画がなかったとしたら、城主の居場所があっという間に見つけられて攻め落とされちゃう。
でも、曲輪で何重かにしておけば、敵もなかなか本丸にたどり着けないから戦いに余裕をもって備えることができるんだ。
江戸城や姫路城のような渦郭式の縄張りはまさに迷路みたいだしね。
城の防御が曲輪の基本的な役割と考えておこう!
【曲輪は3種類に大別できる】
曲輪は大まかに分類すると「内曲輪(うちくるわ)」「外曲輪(そとくるわ)」「中曲輪(なかくるわ)」の3つがあるよ。
内曲輪は本丸も含めたお城の中心的な部分のこと。
二の丸や三の丸を含んでいる場合も多いね。
天守や櫓、御殿などもここにあったよ。
外曲輪はお城の一番外側の曲輪を指して呼ぶことが多いよ。
人が居住する城下町がある場合は、外堀より内側の城下町のことを「外曲輪」ということもあるんだ。
姫路城では町人が住んでいた城下町がそう呼ばれていたよ。
中曲輪はお城の中核的な存在で、主に二の丸を守る役目を持っていたんだ。
武士や重臣の屋敷や寺社や馬屋、城主の厠(かわや)が置かれていたんだよ。
【お城別!曲輪の種類と役割をみていこう】
徳川家康が築城した二条城のように、本丸と二の丸しかないお城もあるよ。
でも、本来なら防御力を高めるためにはそれだけじゃ不十分なんだよね。
ここでは、実際にあるお城を例にどんな曲輪が存在していたかみていこう♪
<姫路城>
・西の丸
兵庫県姫路市にある姫路城には、本丸や二の丸、三の丸のほかにあとから増築された西の丸があったんだ。
西の丸には女中たちが働く「長局」とそれを囲う「百間廊下」、「千姫化粧櫓」がおかれていたんだよ。
・総曲輪(そうぐるわ)
城下町を堀・土塁・石垣で取り囲んだ大きな曲輪だよ。
姫路城の総曲輪には84もの門があったんだって。(今は21門が残っているよ)
「総構(そうがまえ)」とも呼ばれたよ。
・腰曲輪(こしぐるわ)
天守の北側にあったよ。井戸や米蔵、塩蔵が置かれていたんだ。
文字通り天守の腰のような位置づけで、曲輪の側面や斜面の中腹に短めにつくられるのが一般的だったんだ。
・帯曲輪(おびくるわ)
腰曲輪よりも細長いタイプの曲輪を帯曲輪と呼ぶんだ。姫路城では天守の南東にあったよ。
お城を防御したり射撃を行ったりする役割でつくられたんだ。
・水曲輪
天守の下の岩盤で井戸が掘れなかったから、天守と腰曲輪の間に水補給のために設けられたよ。
・山里曲輪(さまざとくるわ)
お城の中で戦いを想定されずにつくられたのが山里曲輪なんだ。
だから、多くのお城では庭や池、茶室が置かれたりするよ。
姫路城には上山里曲輪と下山里曲輪があったね。
・勢隠(せがくし)曲輪
姫路城の穴場スポットといわれている勢隠曲輪。
姫山公園とも呼ばれているね。
お城の北側にあって、兵が身を隠す役割をもっていたんだって。
<大阪城>
大阪城は本丸・二の丸・西の丸にいくつかの曲輪というわりとシンプルな構造だったんだ。
本丸の北側に山里曲輪があって、大阪夏の陣で豊臣秀吉の子・秀頼とその母・茶々が自害したことでも知られているよ。
その他の曲輪をみてみよう!
・市正(いちのかみ))曲輪
本丸の東側にあって、豊臣時代に直参家臣の片桐且元の屋敷があったといわれているよ。
・算用(さんよう)曲輪
大阪城築城のときにお金の計算が行われていた場所だったから、お城に納められた年貢や金銀を計算する場所だったことが名前の由来といわれているね。
・隠し曲輪
大阪城の再築時に兵士を隠す目的でつくられた帯曲輪で、入り口も狭くなっているよ。
江戸幕府の火薬庫が置かれたこともあるくらいで、秘密の抜け道があるなんて噂も…。
石垣には射撃用の溝が設けられているんだ。
【ほかにもこんな曲輪が存在した!】
・天守曲輪(てんしゅくるわ)
本丸から天守閣が建てられたところを天守曲輪と呼ぶよ。
天守の一部みたいだけど、天守よりも一段低くて独立しているのが特徴的。
「天守丸」とか「本壇」と呼ばれたりもするね。
・水の手曲輪(みずのてくるわ)
お城のメインとなる水源があるとても重要な曲輪だよ。
山水が出てきたり井戸があったりする場所が多いね。
「井戸曲輪」とか「清水曲輪」と呼ばれることもあるんだ。
・詰めの丸(つめのまる)
お城の最後の砦は本来なら本丸なんだけど、本丸の背後に防御により適した高い場所があったときに詰めの丸が置かれたよ。
本丸と並んで置かれる場合もあるんだ。
近世の城郭ではあまりみられないね。
・捨曲輪(すてぐるわ)
敵に攻められたとき、主要な曲輪を攻撃されるまでの時間稼ぎみたいな役割を担っていたよ。
堀や土塁などを設けずに、あえて敵が入りやすいようにしたんだって。
・馬出(うまだし)
虎口(戦闘用出入り口)の前面に置かれた小さな曲輪だよ。
防御力を高める目的があったんだ。
時代とともに発展していった奥が深い曲輪なんだ。
曲輪と一括りにしているけど、こんなにたくさんの種類があるんだね!