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2020年6月10日
お城の個性や特徴を表すものの一つが「石垣」だといわれているよ。
どうしても天守に目が向きがちだけど、石垣はお城好きからはもっとも注目される存在といっても過言ではないね。
全国でも特にすごいと有名な石垣が、あの大河ドラマで知られる“あの”お城なんだ!
ここでは、お城の「石垣とは何か」「どんな役割で造られたか」「いつから築かれたのか」「石垣の構造・積み方・種類」のテーマで石垣を学んでいこう。
日本一高い石垣についても触れていくよ。
目次
【石垣とは何?】
石垣というのは、その名の通り石を積み上げて造られた壁や柵のことをいうよ。
天守や櫓、門、堀、土塁とならんでお城を構成する重要なものの一つだね。
石垣に用いられた石はいろいろな種類があるんだけど、自然の石を加工せずに使う場合もあれば加工してから使う場合もあったんだ。
【石垣の役割は?なぜ造られた?】
お城の石垣には世界で共通する役割があるといわれているよ。
それはズバリ…お城の防御(守り)。
もしも石垣がなかったら、敵が攻め込んできたとき、本丸や御殿がすぐに攻撃されちゃう。
でも、石垣があるから足止めすることができるんだ♪
石垣には「狭間(さま)」と呼ばれる穴があるんだけど、これは鉄砲や弓で敵を攻撃するためのものなんだ。
姫路城にはなんと3000個の狭間があるんだって!
石垣の上をよく見てみると、床が張り出たように見える部分があるんだけど…
これは「石落とし」と呼ばれていて、石垣を登ろうとする敵に石や熱湯を落とすためのトラップなんだ。
つまり、お城の石垣にはお城を防御するとともに、敵を攻撃する役割もあったってことだね。
天守や櫓の土台でもあったことから、政治の場だったとも考えられるよ。
石垣の上に櫓を建てれば、高い位置と安定性を確保することができたんだ。
【石垣はいつから造られた?】
戦国時代以前は土づくりのお城(山城)が主流だったよ。
日本で本格的に石垣が造られるようになったのは、安土桃山時代に入ってからのこと。
初めて総石垣で築かれたお城は天正4(1576年)の安土城だといわれているよ。
でも、現在では、石垣の歴史のはじまりは「永禄6(1563年)に織田信長が建てた小牧山城」という説が濃厚なんだ。
小牧山城と同じ信長時代のお城、永禄10(1567年)岐阜城にも石垣が確認されているよ。
【お城の石垣には墓石が使われていた?】
石垣の材料は「石」なんだけど、大きな岩に穴を開けて割ってから採取していたんだって。
でも、石垣にはたくさんの石が必要だったから、材料不足が起きることもあったんだよね。
そういうときは、墓石や燈篭、棺に使われていた石を代用することもあったそうだよ。
【石垣の構造は?】
石垣を頑丈にするには、同じ種類の石を使うよりも、何層かに分けて違う種類の石を積んでいく必要があったんだ。
一番地面に近い「根石」を基礎にして、その上に「積み石」、一番上に「天端石(てんばいし)」を積んでいく構造になっているよ。
石垣を安定させるために、積み石の後ろに「裏込石(うらごめいし)」を入れたり、隙間に「間詰石(あいづめいし)」を用いたりしたんだ。
高い石垣ほど高度な技術を必要としたんだよ!
【積み方の種類は?】
さらに詳しく積み方の種類をみていこう!
石垣の積み方は加工方法と工法で大別することができるよ。
まずは加工方法から…
●野面積み(のづらずみ)
野ざらしになった自然の石をそのまま使う方法だよ。石垣が造られはじめた頃は、野面積みが主流だったんだ。
水はけが良くて頑丈なのが特長。ただ、石の形がまばらで隙間ができるのが欠点だね。
石と石の隙間は、間詰石で埋めて外観をキレイにしたんだ。間詰石を入れることで敵が石垣を登りにくくするメリットもあるよ♪
●打ち込みハギ
石垣の隙間を少なくするために、石を砕いて加工した上で積み上げていく方法だよ。
石の接触部分が多くなれば隙間もなくなるからね。
●切り込みハギ
石垣の隙間を完全になくすために、石の表面を削って四角形に加工して積み上げていく方法だよ。
石の隙間がなくて水はけが悪いから、排水口が併設されていたよ。
間詰石が要らない分、地震のときに石垣が割れちゃうこともあったんだ!
次に工法の種類をみていこう!
●布積み
石垣の積み方の基本中の基本。横方向に目地を通して、石と石の継ぎ目が一直線になるのが特徴的。
●乱積み
石の目地が通っていない積み方だよ。大きさも形も不規則な石を使っていく方法。
技術力が重要になったよ。
●落し積み
目地が対角線状になる積み方だよ。江戸時代後期から明治時代のお城に多い方法だね。
ほかにもお城によっていろいろな積み方の種類があったんだ!
【石垣がすごいお城は?大阪城や丸亀城の石垣をチェック!】
日本一高い石垣をもつお城がどこか知っているかな?
そう、NHK大河ドラマ『真田丸』の舞台として知られる「大阪城」なんだ!
本丸東面にある石垣は、なんと32mの高さだよ。
南外堀にある石垣も30m。
難攻不落の城といわれる理由がわかるよね。
大阪城で最大の巨石として有名なのが「蛸石(たこいし)」。
高さ5mで幅は10m以上。
重さはなんと100トン以上もあるんだよ。
大阪城で二番目に大きい肥後石(ひごいし)も負けず劣らず。
「石垣の名城」と呼ばれている香川県丸亀市の丸亀城も興味深いね。
江戸時代初期、ちょうど石垣の技術が最高レベルになったときに造られたもの。
高さもあってなにより見た目がキレイなんだ♪
特に、三の丸の高石垣が見もの。
瀬戸内海側の石垣は高さ20m以上もあって、隅角部は算木積みと呼ばれる積み方をされているよ。
算木積みというのは、櫓が乗ることを想定してより頑丈な石垣にするため発展した積み方。
横長の石を短辺・長辺が交互になるよう組み合わせていく方法だよ。