安土桃山時代の絵師「狩野派」を率いた狩野永徳(かのうえいとく)とは?代表作や有名な作品は?
2020年5月28日茶人としても有名な小寺休夢 (こでらきゅうむ / 黒田休夢)は、どんな人?黒田官兵衛との関係性は?
2020年5月29日
お城を構成するものの一つで、とても重要な役割を果たしていたのが「櫓」なんだ。
大阪城の櫓は重要文化財に指定されていて有名だけど、そもそも「櫓」がどんなものか知らないとなにがそんなに凄いのか分からないよね!
実はこの櫓、お城の設備の中でもかなり歴史が古くて、天守よりもずーっと昔に誕生していたんだって。
ここでは「櫓の読み方」「櫓の意味」「櫓の語源」「櫓の種類」など、みんながナゾに感じることをいろいろと解決していくね♪
目次
【櫓の読み方や語源は?】
櫓の読み方は「やぐら」だよ。
別の漢字で「矢倉」「矢蔵」「矢庫」って書くこともあるんだ。
中世まではこの三つの漢字が使用されていたんだって!
「矢倉」「矢蔵」「矢庫」の語源には大きくわけて二つの説があるんだよ。
ひとつめは、矢を収める武器庫(倉、蔵)が由来しているっていう説。
もうひとつは、矢を射るための高い場所(矢の座=やのくら)からきているって説だよ。
ちなみに、中世ヨーロッパの櫓は英語で「Hoarding」なんて呼ばれていたんだよ。
直訳すると「買いだめ」とか「秘蔵」なんて意味合いになるからちょっと不思議な感じがするよね。
【櫓とは?】
そもそも、櫓ってどんな建物のことをいうんだろう?
櫓は城郭の中に建てられたもので、主に防御や物見の役割を果たしていたんだ。
語源のところでも少し触れたけど、矢などの武器や生活に必要な道具も保管されていたんだって。
お城の「見張り台」ともいえる櫓は、見晴らしの良い場所、例えば曲輪のふちや門のまわりに築かれることが多かったんだ。
戦いのときは攻撃の拠点になることもあったんだよ。
戦国時代に入ると、戦いで使う武器も鉄砲みたいな強力なものになっていったよね。
それにあわせて、櫓も頑丈な作りになっていったんだ。
櫓がもろかったら、防御の意味がないし、大切な武器も守れなくなっちゃうよね。
【櫓は天守よりも歴史が古い?】
櫓は縄文時代から存在していたことが遺跡の調査で判明しているよ!
青森県の三内丸山遺跡は縄文時代の前期〜中期の集落跡として知られているけど、櫓とみられる大きな建物が復元されているんだ。
佐賀県にある有名な吉野ケ里遺跡は弥生時代の遺跡だけど、ここにも物見櫓が建てられていて、兵士が敵の侵入を見張っていたと考えられているよ。
天守は16世紀中ごろが歴史の始まりだといわれているから、それよりもずっと古いことになるね♪
櫓が天守の原型だとする説もあるくらい。
江戸時代からの現存天守は12棟しかないのに対して、櫓は100以上も現存しているんだ!
【櫓の形状やつくりの種類は?】
櫓の見た目は天守を小さくしたような感じだよ。
天守と同じ土壁なんだけど、天守と比較すると少しだけ作りが弱かったんだ。
だから、歴史が始まった頃の櫓は、倒壊や天災で現存することが難しかったんだよ。
本格的な櫓が建てられるようになったのは、16世紀だといわれているよ。
それまでは木の柱が組まれた簡素なものだったのが、石垣や城壁を備える立派な建造物になっていったんだ!
建築上の細かいルールは設けられていなくて、小さい櫓から大きな櫓まで多くの種類が確認されているよ。
ここでは、櫓を形状別の種類に分けてみるね♪
<平櫓(ひらやぐら)>
それほど高さがなく、一重でできたもっとも簡略的な櫓だよ。
物見台としての機能がないから、本丸を防御する曲輪を囲うようにして建てられることが多かったんだ。
熊本城や備中松山城、小田原城にみられるよ。
<二重櫓(にじゅうやぐら)>
近世のお城の標準だったのが二重櫓。
だいたいは下の階が少し大きくて上の階が少し小さめになっているよ。
江戸城や新発田城、備中松山城にみられるよ。
<重箱櫓(じゅうばこやぐら)>
二重櫓のうち、上の階と下の階が同じくらいの大きさで造られた櫓だよ。
岡山城や臼杵城に現存しているよ。
<三重櫓(さんじゅうやぐら)>
櫓の中でも最高格式といわれるのが三重櫓。
天守に近いことから「天守代用」と呼ばれることも。弘前城や丸亀城がそうだね。
四重以上になると天守の扱いになるんだって。
外観は二重だけど中は三階建てになっている櫓もあるよ!
<隅櫓(すみやぐら)>
文字通り曲輪の隅に置かれた櫓だよ。
方位や位置にちなんだ名称がつけられることもあったんだ。
例えば、北の櫓は「北櫓」、東南の櫓は「巽櫓」のようにね。
<多聞櫓(たもんやぐら)>
長屋状の建物から由来して多門櫓とも書くよ。
櫓と櫓を結ぶものは「渡櫓」、天守と櫓を結ぶものは「附櫓」、門に続くものは「続櫓」と呼ばれているんだ。
【櫓の種類は目的別でも分けられる】
目的に応じた櫓の種類もあったんだ。
武器や弓を保管していた櫓を「武具櫓」「弓櫓」と呼んだり、音を鳴らすことで時間をお知らせする「太鼓櫓」「鐘櫓」なんてのも。
「月見櫓」は名前からして風流だけど、想像どおり月を見るための櫓で、窓が大きく造られていたんだ。
関東地方には、富士山を眺めるための「富士見櫓」なんてのもあるんだよ。
櫓の種類は挙げだしたらキリがないね!
【大阪城の櫓は重要文化財!どんな造りなの?】
堺雅人さんに大泉洋さん、哀川翔さん、内野聖陽さん、星野源さん、中川大志さん…。
そうそうたるメンバーがキャストを務めるNHK大河ドラマ『真田丸』。
ドラマの舞台にもなっている大阪城の櫓は、重要文化財に指定されているんだ!
そんなに凄い櫓がどんな造りなのか気になるよね?
重要文化財に指定されているのは、多聞櫓・千貫櫓(せんがんやぐら)・焔硝蔵(えんしょうぐら)の三つ。
特に、織田信長に「千貫文の銭を与えてでも攻め落としたい」とも言わしめた「千貫櫓」は有名だよね♪
千貫文は今でいうと1億円くらいのお金に値するらしいよ。
二階建ての隅櫓で、大阪城最古の建造物の一つ。
横矢で大手口を防御する機能を果たしていたよ。
多聞櫓は、敵が大手門を超えて侵入したときに迎え撃つ役割をもっていたんだ。
続櫓と渡櫓がL字型に連なっていたんだよ。
焔硝蔵は火薬庫のこと。
火薬の管理を厳重におこなうために石造りになっていたんだ。
床から壁、天井、梁まで花崗岩になっていて、壁の厚さはなんと2.4mにも及んだんだって!
ほかにも、順番を付けるために「一番櫓」から「七番櫓」と番号が振られた櫓もあったんだ。