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初めて鉄砲が生産された街!軍需景気に沸いた戦国時代の堺とは?

 

「麒麟がくる」第27回では堺の豪商である今井宗久が登場するね。

その当時、堺は独立都市として発展しており、経済的にも軍事的にも強大な力を持っていたんだ。

今回は、軍需景気に沸いていた当時の堺や今井宗久の故郷についてまとめてみよう。
さらに堺で生産されていた鉄砲についても解説していくね。

 

将軍レモン
将軍レモン
大阪の人はとても馴染みのある堺のお話だよ!

【日本で初めて鉄砲の生産を行った堺】

 

堺は現在でいうところの大阪府堺市だよ。

大阪市内から国道26号線を南下し、大和側大橋を渡って堺市にはいったところに「鉄炮町」という町があるんだ。

470年前に日本で初めて鉄砲の生産を行ったのは堺であり、そのことが由来となってこの町名がついたんだよ。

 

鉄砲はもともと戦国時代の天文12年(1543年)にボルトガルから種子島に伝来されたよね。
その1年後には橘屋又三郎によって堺に伝えられたと言われているんだ。

 

この当時鉄砲は、一挺200貫もしたと言われているんだよ。
現在のお金でいうと約100万円ほどしたから、非常に高価だったんだ。
しかも、それだけ高価な割に、鉄砲の性能は極めて低かったの。

 

そこで堺の豪商であった今井宗久は、鉄砲の性能をよくするために全財産をはたいて鍛冶職人を集めて、鉄砲の改良に着手したんだ。

その結果、鉄砲の性能が向上しただけではなく、鉄砲の部品を各々の職人が分業で作り組み立てるという画期的な製造方法を開発。
この画期的な製造方法によって大量生産に成功したんだよ。

 

さらに今井宗久は大量生産できるようになった鉄砲の価格を従来の3分の1に下げたんだ。
これまでよりも安く手に入るようになった鉄砲は、戦国武将たちから大量の受注を受けるようになり、最盛期には1年に1万挺ほど生産されたと言われているの。

 

忍レモン
忍レモン
大量生産しコストも削減!技術屋の成果でもあるね!

【信長は宗久を代官に任命し鉄砲を独占した】

 

織田信長が堺を直軸領として今井宗久を代官に任命したのは、鉄砲と火薬を独占したかったからなんだ。

信長が堺を抑えてしまったことで、敵対する上杉謙信や武田信玄らは、鉄砲で使う火薬の原料である硝石が入手困難な状態に…。
火薬の原料が手に入らなかったことから、鉄砲を多用できなかった…と伝えられているの。

 

また元亀元年(1570年)から10年間にわたって行われた石山合戦では、鉄砲や甲鉄戦艦、大砲などが登場して合戦は長期化することに。

天正3年(1575年)の織田信長と武田信玄の「長篠の戦い」で信長軍は3千挺もの鉄砲を使用したんだよ。
この戦いでは、従来の騎馬戦ではなく鉄砲隊による歩兵戦へと変化し、戦術の革命的変化が起きた戦いとしても知られているの。

 

足軽レモン
足軽レモン
鉄砲はこれを機に戦の中心になっていったものね〜。

 

 

黄梅庵 CC from wikipedia

 

 

【今井宗久ゆかりの今井宗久屋敷跡】

 

堺市中之町東には今井宗久屋敷跡があるんだ。
この今井宗久屋敷跡には石碑と菩提寺・臨江寺の墓碑が残っているだけで、今井宗久の生涯を伝えるものは極めて少ないよ。

 

また堺市の大仙公園には宗久ゆかりの茶室「黄梅庵」があるよ。
大和国今井町の豊田家にあったものを今井宗久が晩年使用していたと言われているの。

 

電力王で茶道の四天王と言われた松永安左衛門が買い取って小田原に移築していたんだけど、昭和53年に堺市に寄贈。
この黄梅庵は、簡素な茶室だけれど、外観は銅板葺きの屋根を重ね合わせた変化に富んだ構成になっているの。
内部には八畳の広間と小間、勝手水屋などがあり、天井は化粧屋根裏として軽快な数寄屋造になっているよ。

 

レモン姫
レモン姫
趣のある国の登録有形文化財だから内覧は出来ず、外からしか見れないけど素敵ですよね。

【今井宗久が暮らしていた今井町とは?】

 

今井宗久は今井町というところ出身なんだ。
今井町は現在の奈良県橿原市にあるよ。

 

この今井町は16世紀中期の一向宗本願寺の寺内町で、外敵からの侵入を防ぐために周囲に環濠を巡らせてあった城塞都市だったんだよ。
現在でも今井町には江戸時代の町並みが残っていて、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されているんだ。

 

また、毎年5月に今井宗久とお茶をテーマにした「町並み散歩」というイベントも開催。
レトロな町並みにはカフェ、レストラン、酒屋などが軒を連ねていて、観光客も多く訪れるスポットなんだよ。

 

忍レモン
忍レモン
平成5年に「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けた街並みは歩いているだけでもタイムスリップした気分になれるよ♪