国宝「東寺」は現在残っている唯一の平安京の遺構!国宝・五重塔の魅力を徹底解説
2022年4月20日世界遺産&国宝の平等院は10円玉のデザインとしても有名?平等院の魅力に迫る!
2022年4月27日
京都駅からすぐのところにある東寺と言えば「五重塔」が有名だよね。
でも、東寺には五重塔以外にもたくさんのおすすめスポットがあるんだ。
今回は、平安京唯一の遺構となる東寺を参拝したら絶対に見ておきたいおすすめスポットをまとめてみよう
目次
【東寺の中心となる金堂とは?】
東寺の中心となる金堂は国宝にも指定されている人気スポット。
諸堂塔の中で最も早く建設された金堂は、空海が東寺に関わり始めた頃にはすでに完成していたとされているよ。
東寺の金堂は1486年の土一揆により焼失。
その後江戸時代に入った1603年(慶長8年)に再建され、今もなお現存しているんだ。
建築様式は和様と大仏様が併用され貫や挿肘木を多用した高い天井が特徴だよ。
金堂内部にある本尊は、
・薬師如来
・日光菩薩
・月光菩薩
だよ。
無病息災のご利益が得られると言われているんだ。
薬師如来は薬壺を持たない古い様式の仏像で、光背に七体の化仏を配する七仏薬師如来なの。
その薬師如来の右側に日光菩薩、左側に月光菩薩が配置されているよ。
また、薬師如来の台座には、本尊を守り、願いを成就すると言われる「十二神将」がぐるりと取り囲んでいるの。
ちなみに本尊である薬師如来坐像は重要文化財に指定されており、日本最大の大きさを誇るよ。
とても穏やかなお顔をしているから、ぜひ参拝の際には拝観料を払って間近で見てみよう。
【空海が奔走した学問の場「講堂」】
空海が東寺の創建で、初めに手掛けたのは「講堂」なんだ。
東寺の境内は東西255m、南北515mの長方形となっており、その中にある大伽藍が建っているエリアは、東西南北255mでほぼ正方形になっているの。
空海は、その大伽藍が建っているエリアの中心に、講堂を配置したんだ。
つまり講堂は密教の中心的建物であり、そこに安置される大日如来は宇宙の中心であるとしたの。
講堂内部には、密教の世界をよりリアルに表現した豪華絢爛な立体曼荼羅と21体の密教尊があるよ。
【空海が居を構えていた御影堂とは?】
東寺の境内西北部に建つ国宝・御影堂は、空海が住房としていた仏堂なの。
御影堂は前堂、後堂、中門の3部分からなる複合仏堂で、南側にある後堂には空海の念持仏とされる不動明王坐像が安置されているよ。
空海は御影堂に住を構えて五重塔、講堂、綜芸種智院という学校などを建立。
密教浄土の世界を広く知らしめ、たくさんの人々の救済に力を注いだんだ。
ちなみに御影堂の内部では、毎朝6時に空海が住んでいた時と同じように、「一の膳、二の膳、お茶」をお供えする生身供が行われているの。
空海が師恵果から与えられて唐から持ち帰ったと言われている「仏舎利」を入れた袋が参拝者の頭と手に授けられるよ。
【境内からは見えない国宝「蓮華門」】
壬生通り沿いにある蓮華門は、境内から西に向かって歩くとあるよ。
ただ境内からは見ることができないため、知らずに帰ってしまう人も多い穴場スポットなんだ。
蓮華門の妻飾りの装飾は鎌倉時代のものを再建したものなんだ。
空海は晩年、この門から高野山にむかったそう。
隠棲のために東寺を後にするその日に、多くの人々が別れを惜しむ中、念持仏として西院に祀っていた不動明王が、蓮華門に現れ空海を見送ったといわれているの。
その不動明王の足下や歩んできた跡に蓮花が咲いたと言われていて、それに因んでこの門は「蓮花門」と呼ばれるようになったそう。
【天皇をお迎えする小子房】
小子房は天皇をお迎えする特別なところなの。
南北朝時代に足利尊氏が光厳上皇を奉じて都に入った折、光厳上皇は洛中の戦いが治まるまでこの小子房を御所としていたんだ。
現在の小子房は1934年、弘法大師空海の千百年御遠忌にあたり再建されたもの。
総木曾檜造で、昭和を代表する建築物のひとつとされているよ。
襖絵や壁画は堂本印象、庭園の「澄心苑」は七代目小川治兵衛によるものなんだ。
小子房の内部は6室で構成されていて、「牡丹の間」「瓜の間」「枇杷の間」「鷲の間」「雛鶏の間」には水墨画が、「勅使の間」には金色の地に極彩色で「渓流に鶴」と「日輪山嶽図」が描かれているよ。
【東寺にあるパワースポットをご紹介!】
東寺境内にはパワースポットと呼ばれる場所があるんだ。
ここでは東寺のパワースポットをまとめてみるね。
<尊勝陀羅尼の碑 >
東寺境内の北東にある毘沙門堂は、穴場のパワースポット。
毘沙門堂にある尊勝陀羅尼(そんしょうだらに)の碑は、亀ではなく龍の子供である「贔屓」が石碑を背負っている像。
この贔屓(ひいき)は空想上の生物で、重いものを背負うのが好きと言われているんだ。
このことで、尊勝陀羅尼の碑は「永遠に不滅である」とされているよ。
<天降石>
天降石は天から降ってきたと言われる石のこと。
見た目はどこでもあるような普通の石なんだけど、お賽銭をしてその石に触れてみよう。
石を触った手で患部に触れると、その患部が良くなるとされているよ。
<鎮守八幡宮>
南大門を入ってすぐ、境内の南にある鎮守八幡宮は、王城鎮護を願って造られた神社なの。
鎮守八幡宮には僧の姿をした僧形八幡神と二尊の女神が祀られているよ。
この像は、空海が彫ったとされる日本最古の神像なんだ。
また鎮守八幡宮は、平安時代に薬子くすこの変を鎮めた神社としても知られていて、戦勝祈願のパワースポットとしても人気だよ。
ここで、空海は嵯峨天皇勝利を祈祷したと言われているの。
神社のすぐ側には、東寺を象徴する弘法大師・空海の像も祀られているんだ。
【まだまだある!東寺のおすすめスポットをまとめて解説!】
東寺には、五重塔、金堂、御影堂、講堂以外にもまだまだおすすめスポットがあるんだ。
ここでは、チェックしておきたい東寺のおすすめスポットをまとめてみよう。
<樹齢120年を超える不二桜>
東寺境内には樹齢120年を超える不二桜があるよ。
この桜の木は、もともと岩手県盛岡市の旧家で育てられ、平成6年に三重県鈴鹿市の鵜飼農園が譲り受け、大切に育てられた八重紅枝垂桜なの。
平成18年の空海帰朝1200年を記念して、東寺境内に移植されたんだ。
樹の高さは13mもある立派な枝垂桜で、3月末~4月初旬に見事な花を咲かせるよ。
<鐘楼>
東寺境内の西門近くにある大師堂側にあるのが鐘楼だよ。
この鐘楼は室町時代の1348年に完成したもの。
石組み台座に建つ切妻反り屋根四つ足の鐘楼なんだ。
寺の開門を告げる梵鐘は、室町幕府の初代征夷大将軍・足利尊氏から寄贈された鐘なの。
ただし、現存しているものは複製された鐘なんだ。
<瓢箪池>
五重塔の足元には、瓢箪池と呼ばれる大きな池を中心とした回遊式庭園が広がっているの。
この瓢箪池では春には桜、夏には蓮の花・新緑、秋は紅葉と季節ならではの美しい景色を楽しむことができるよ。
春・秋には期間限定で特別ライトアップもされるんだ。
瓢箪池には亀がたくさんいて、日光浴だけではなく泳ぐ姿も見ることができるよ。
<観智院>
東寺境内の少し離れた北側にあるのが観智院だよ。
観智院では、動物に乗った珍しい仏様「五大虚空菩薩像」や、宮本武蔵の描いた袴絵を見ることができるの。
<大国堂>
毘沙門堂のすぐ側にある大黒堂は七福神に数えられる大黒天や弁財天が祀られているお堂。
弁財天堂の裏手には、空海を手助けしたと言われる雨の神様・善女竜王が祀られた神社の姿も見受けられるよ。
<八島社>
東寺の南大門すぐ側にある八島社は、東寺がこの地にできる前からあったとされる神社なの。
空海が寺院を創設するにあたって、この八島社で祈願したと言われているよ。
【東寺の住所とアクセス】
住所
京都府京都市南区九条町1
アクセス
「京都駅」八条口より徒歩約15分