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2022年5月3日京都・宇治にある平等院は、10円玉に描かれた寺院として広く知られているよね。
平等院は藤原氏ゆかりのお寺として、世界中からたくさんの観光客が訪れるよ。
今回は世界遺産である平等院の魅力や、なぜ10円玉のデザインに選ばれたのか?についてまとめてみよう。
目次
【平等院とは?】
京都府宇治市にある平等院は、藤原氏ゆかりの仏教寺院。
17世紀以降。天台宗と浄土宗を兼ねる宗派だったんだけど、現在では特定の宗派には属さず独立した寺院となっているよ。
平等院と言えば池の中に建立された「平等院鳳凰堂」を思い浮かべる人が多いはず。
水面に映し出される朱色の建物が、厳格な雰囲気を漂わせていて一度は見ておきたい絶景と言えるよ。
10円硬貨の表面に描かれているお寺としても馴染みの深い平等院は、1994年にユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」の1つに登録。
鳳凰堂や阿弥陀如来坐像など、国宝指定されている数も多いんだ。
現在では年間500万人以上の参拝者が訪れる、京都・宇治の定番スポットだよ。
【平等院の歴史】
平等院が創建されたのは1052年(永承7年)のこと。
その当時、日本では「末法思想」が広く信じられていたの。
この「末法思想」とは、お釈様の入滅後2000年が経過すると、真の仏法は衰退して、世の中が乱れてしまう…という中国からの思想のこと。
1052年はまさに末法思想でいう末法1年目に当たる年だったんだ。
藤原氏の全盛期であったにも関わらず、世は天災や飢餓、疫病などの災害が続いて、人々の不安や危機感は募っていたの。
そこで、貴族たちは来世の理想世界である極楽浄土に生まれ変わることを願って、寺院を盛んに造っていたんだ。
平等院は、当時の最大権力者であった宇治関白・藤原頼通が、父である藤原道長から受け継いだ別荘を寺院に改めたのが始まりなの。
極楽浄土を再現するため造られた平等院の美しさは、今もなお変わることなく残り続けているよ。
【10円玉のデザインとなっている平等院「鳳凰堂」とは?】
平等院の最大の見どころなのが、金色の鳳凰が輝く「鳳凰堂」だよ。
平安時代に栄華を誇った藤原一族の名残を感じることができる唯一の遺構。
平等院「鳳凰堂」は、1053年に阿弥陀堂として建てられ、仏師・定朝の作「阿弥陀如来坐像」が安置されている中堂(御堂)と、左翼の翼廊、背面の尾廊で成り立っているの。
大屋根には鳳凰が飾られていて、内部には絢爛豪華な宝相華文様や極彩色の扉絵で装飾されているんだ。
二重の天蓋、雲中供養菩薩像など見どころがたくさんあるよ。
鳳凰堂の前には、池(阿字池)を配した庭園があるの。
創建当時は宇治川、対岸の山並みを取り入れて、西方極楽浄土を表現したものと言われていたそう。
この庭園は、各地の寺院造営に影響を与えたんだよ。
阿弥陀如来坐像を安置している中堂(御堂)が、阿字池に映る姿が実に美しく、見事なの。
<国宝密度日本一!>
鳳凰堂の堂打ちには御本尊である阿弥陀如来坐像が鎮座しているよ。
この阿弥陀如来坐像は、平安時代に宮廷や藤原摂関家御用達の仏師・定朝が手掛けた仏像なの。
定朝は平安時代最高峰の仏師であり、阿弥陀如来坐像は現存する定朝唯一の作品なんだ。
鳳凰堂の中堂には、本尊の阿弥陀如来坐像を取り囲むように、52体の雲中供養菩薩像が配置されていたんだ。
楽器を演奏したり、舞を舞ったりする姿が、極楽浄土の華やかな世界を表現しているの。
本尊の頭上を覆う煌びやかな天蓋は、金、ガラス玉、鏡、螺鈿(らでん)などで装飾されているよ。
この他にも、鳳凰堂内には、74点もの国宝があるんだよ。
国宝密度は日本一なんだ。
<なぜ鳳凰堂と呼ぶの?>
平等院鳳凰堂は、全体の姿が翼を広げた鳳凰のように見えることから「鳳凰堂」と呼ばれているんだ。
<鳳凰堂でここはチェックしておきたいポイント!>
平等院鳳凰堂は2014年の改修で、平安時代の創建時(1053年)の姿により近づいたんだ。
鳳凰堂でチェックしておきたいポイントをまとめてみるね。
・金具&鳳凰
金色の神々しく輝く、金具&鳳凰は要チェックポイント!
鳳凰は金の箔押しで鮮やかな金色をしているよ。
鳳凰堂にたくさん仕様されている宝相華をかたどった金具類も、化粧直しされて使用されているからチェックしてみよう。
・やわらかな文様の瓦「軒瓦」
瓦は鳳凰堂創建50年後に、総瓦葺にした時の平等院オリジナル文様を復元しているの。
当時の最先端のデザインであったと言われていて、蓮を中心に巴文を持つ文様をしているよ。
・しっとり落ち着いた塗装
昭和の改修時には「鉛丹」と呼ばれる鮮やかな朱色だったのに対して、2014年の改修では鉄分の多い土を焼いた「丹土」に変更されたの。
以前よりも、落ち着いた色合いになっているよ。
【なぜ平等院鳳凰堂は10円玉のデザインに選ばれたの?】
平等院鳳凰堂と言えば、10円玉のデザインとして有名だよね。
鳳凰堂が10円玉の絵柄に選ばれたのは、第二次世界大戦後の1951年のこと。
なぜ平等院鳳凰堂が10円玉のデザインに選ばれたのか、詳しい理由は残されていないんだ。
日本を代表する文化財であり、建物に特徴があることが1つの理由であると言われているよ。
【平等院鳳凰堂は10円玉だけじゃない?!一万円札にも描かれているって知っている?】
平等院鳳凰堂と言えば10円玉というイメージが強いけれど、実は、2004年から発行されていた福沢諭吉の旧一万円札には、平等院鳳凰堂の屋根に飾られている鳳凰像が描かれていたんだ。2024年に発行された渋沢栄一の新一万円札では東京駅のデザインに変更されたけれど、旧一万円札は今でも使えるんだよ。
一万円札には、建物全体が映っているわけではないんだけど、平等院鳳凰堂の屋根にいる「鳳凰」が描かれているよ。
ちなみに10円玉のデザインに起用された理由については公開されていないんだけど、一万円札に鳳凰が選ばれた理由については公開されているの。
その理由は「人々に幸せや喜びをもたらすという伝説の鳥が、お札になって世界中に流通すれば素敵だと思ったから」だそう。
10円玉に平等院のデザインが選ばれた理由ははっきり分からないものの、一万円札と同様に鳳凰がいる美しい建物であることや、鳳凰堂が第二次世界大戦の戦火を免れたことなどが理由として考えられるね。
10円玉に描かれた鳳凰堂は、改修前の明治時代の鳳凰堂の姿なんだ。
今の鳳凰堂とは少し違う部分もあるから(石垣の部分など)、その違いをチェックしてみると面白いよ。
【平等院の藤棚】
世界遺産・平等院の見どころの1つと言われているのが「藤の花」だよ。
平等院の藤は、
・房が長い
・色が均一で美しい
・香りが良い
と3拍子揃っていて、その美しさは広く知られているの。
境内には樹齢約300年の藤が4本植えられていて、毎年1万房以上の花房を付けるんだ。
房の長さが1m前後になる頃が見頃と言われているよ。
毎年ゴールデンウィーク頃まで見頃となるため、多くの観光客が訪れるんだ。
【歴史+モダンハイブリッドな博物館「平等院ミュージアム鳳翔館」とは?】
平等院に来たらぜひとも訪れておきたいのが「平等院ミュージアム鳳翔館」だよ。
平等院ミュージアム鳳翔館は、旧宝物館の老朽化に伴い、所有する国宝など文化財を収蔵しながら展示できるミュージアムとして2001年に開館したんだ。
地下1階、地上1階の体験型ミュージアムとなっていて、地下に建てられたのは、平等院の極楽浄土の景観を損なわないようにするためなんだって。
モダンな館内では、時間を超えてもなお輝きを見せる国宝の初代梵鐘や初代鳳凰、雲中供養菩薩像などを間近に見ることができるの。
さらに最新デジタル技術を用いたコンピュータグラフィックスによる復元映像なども楽しめるよ。
平等院ミュージアム鳳翔館に展示されている国宝について簡単にまとめてみよう。
<初代・梵鐘(国宝)>
平等院鳳凰堂の初代梵鐘は日本三大鐘の1つにもなっており、姿の美しさでは日本一の「梵鐘」と呼ばれているの。
高さ2mで、「姿の平等院」と言われるほどの美しさを誇っているよ。
平安時代に鋳造されたもので、獅子、唐草、宝相華、天女、龍などが描かれているの。
隅々まで文様があるのが特徴だよ。
ちなみに鳳凰堂の南側に見える鐘楼には、2代目の梵鐘があるんだ。
<初代・鳳凰(国宝)>
初代鳳凰は、平安時代に作られたもの。
仏師・定朝が原型を木彫りで作ったと言われているんだ。
間近でみると、鋭い目つきで魚や鱗のような模様、首の後ろに宝珠が付いているのがよく分かるよ。
<雲中供養菩薩像(国宝)>
雲中供養菩薩像は平等院のアイドルとも言われている仏像。
雲の上に乗っている仏様で、26体の雲中供養菩薩像を間近で鑑賞することができるよ。
この雲中供養菩薩像は、壁に掛けるタイプの仏像になるので、横から見るととても薄く、下から見上げるように作られているの。
26体の菩薩像は、楽器を演奏している仏様、舞を踊ってリズムを取っている仏様、持物を持っている仏様など様々。
この雲中供養菩薩像は仏師・定朝の指導のもとで、100人以上いたとされる工房の職人たちが作ったものなの。
そのため、それぞれ雲や仏様の表情はとっても豊かなんだ。
顔が違うから、ぜひ推しの1体を見つけてみよう。
<日本最古の九品来迎図(国宝)>
大和絵風の九品来迎図は、天蓋や雲中供養菩薩と同じように、本尊を荘厳する役割があるの。
亡くなった人は、生前の生き方によってお迎えの方法が9通りあって、鳳凰堂の扉や壁には、藤原頼通の望みによって、最上級の様子が描かれたそう。
【平等院の住所とアクセス】
住所
京都府宇治市宇治蓮華116
アクセス
電車の場合
京都方面からJR奈良線にて乗車、JR宇治駅で下車
快速にて約17分、または普通電車にて約30分ののち徒歩にて約10分。
大阪方面から大阪中之島、淀屋橋から京阪本線に乗車。
中書島駅で京阪宇治線に乗り換え、宇治駅で下車ののち徒歩にて約10分。
など。

【世界遺産・平等院と国宝鳳凰堂・オリジナル歴史イラスト】
十円硬貨にも描かれた鳳凰堂と、藤原頼通が宇治に築いた平安時代の極楽浄土
京都府宇治市にある平等院(びょうどういん)は、平安時代の藤原氏の栄華と浄土信仰を今に伝える、世界遺産の寺院です。
阿字池の中島に建つ国宝・鳳凰堂は、日本の十円硬貨にも描かれたことで広く知られ、左右に大きく広がる優美な建築と、水面に映る美しい姿が多くの人々を魅了しています。
平等院の歴史は、平安時代後期の永承7年(1052年)に始まります。
当時の関白・藤原頼通が、父の藤原道長から受け継いだ宇治の別荘を寺院に改め、平等院を開創しました。
この1052年は、仏教の教えが衰える時代が始まると考えられた「末法元年」にあたります。
社会には飢饉や疫病、天災などへの不安が広がり、極楽浄土への往生を願う浄土信仰が、貴族から庶民へと広がっていました。
藤原頼通もそのような時代背景の中で、阿弥陀如来が住むとされる極楽浄土の世界を、この世に表現しようとしました。
翌天喜元年(1053年)には、現在の鳳凰堂にあたる阿弥陀堂が建立されました。
鳳凰堂の最大の特徴は、池の中島に建てられた優美な建築構成です。
中央の中堂から左右に翼廊が延び、背後には尾廊が設けられています。正面から眺めると、まるで鳳凰が大きく翼を広げたような姿に見えることから、江戸時代初期頃より「鳳凰堂」と呼ばれるようになりました。
屋根の両端には一対の鳳凰像が置かれ、建物の美しい姿を一層印象的なものにしています。
なお、現在屋根上に据えられている鳳凰像は複製で、平安時代に制作された国宝の初代鳳凰像は、境内の平等院ミュージアム鳳翔館で保存・展示されています。
鳳凰堂の中央には、仏師・定朝によって制作された国宝の阿弥陀如来坐像が安置されています。
像高は約277センチメートル。現存する作品の中で、定朝本人の制作が確実に認められる唯一の仏像として知られています。
木材を組み合わせる寄木造の技法を用いた仏像で、その穏やかな表情と均整の取れた姿は、後世の日本の仏像彫刻に大きな影響を与えました。
また、堂内には52体の雲中供養菩薩像が伝えられています。
菩薩たちは雲に乗り、楽器を奏でたり、舞を舞ったり、合掌したりするさまざまな姿で表現されています。
これらの像は、極楽浄土において音楽や舞が絶えず響く様子を表したものと考えられ、平安時代の人々が理想とした浄土の世界を伝えています。
さらに、堂内の壁や扉には阿弥陀如来が人々を迎える様子を描いた「九品来迎図」が残されています。
鳳凰堂は建築だけでなく、彫刻、絵画、工芸などが一体となった平安時代の総合芸術ともいえる存在です。
平等院が日本人にとって身近な存在となっている理由の一つが、十円硬貨との関係です。
昭和26年(1951年)、鳳凰堂は国宝に指定されるとともに、十円硬貨の図柄として採用されました。
現在も十円硬貨には鳳凰堂が描かれており、日本の歴史的建造物の中でも特に広く知られる存在となっています。
また、平成16年(2004年)から発行された福沢諭吉の一万円札の裏面には、平等院鳳凰堂の屋根を飾る鳳凰像が描かれていました。
ただし、令和6年(2024年)7月3日に発行が始まった渋沢栄一の新一万円札では、裏面の図柄が東京駅丸の内駅舎に変更されています。
そのため、鳳凰像が描かれているのは旧一万円札です。旧紙幣も現在引き続き使用できます。
平等院の魅力は、鳳凰堂の建築だけではありません。
春になると境内の藤棚に紫色の花が咲き誇り、歴史的な建築と美しく調和します。
樹齢約300年と伝わる藤の古木は、房の長い花を咲かせ、宇治の春を代表する風景の一つとなっています。
また、阿字池を中心とする庭園は、極楽浄土の風景を地上に表現した浄土式庭園として知られています。
水面に映る鳳凰堂の姿や、周囲の自然、背後の山並みが一体となり、平安時代の人々が思い描いた理想世界を感じさせます。
平成6年(1994年)、平等院は「古都京都の文化財」の構成資産としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。
境内にある平等院ミュージアム鳳翔館では、国宝の鳳凰像や梵鐘、雲中供養菩薩像などを保存・展示しており、平安時代の優れた工芸技術や仏教美術について学ぶことができます。
今回のオリジナル歴史イラストでは、国宝・鳳凰堂を画面中央に大きく描き、左右に延びる翼廊と阿字池の水面に映る姿を表現しました。
屋根上には金色の鳳凰を配し、画面左側には十円硬貨を象徴する意匠を取り入れています。
周囲には春の藤の花や蓮、紅葉、宇治の山並みを描き、千年近く受け継がれてきた平等院の建築美と浄土信仰の歴史を一枚にまとめました。
紫鼠・苔色・金茶を基調に、日本画・透明水彩画・水墨画を融合した和紙風の歴史イラストに仕上げています。
本作品は、当サイト独自のオリジナル歴史イラストです。
※歴史資料を参考に制作したイメージ画であり、実際の鳳凰堂、庭園、藤棚などの位置関係や建築細部を精密に再現したものではありません。また、十円硬貨は実物の貨幣を正確に複製したものではなく、平等院との歴史的な関係を象徴する創作的な意匠です。異なる季節の植物を一枚に組み合わせています。








