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紫式部や紀貫之など文化人も訪れた「長谷寺」は四季折々の花が楽しめる花の御寺

五重塔 from wikipedia

 

古くから観音信仰の聖地とされてきた奈良県桜井市にある長谷寺は、1年を通じて様々な花が咲き誇る「花の御寺」と呼ばれているんだ。

ここでは、四季折々の美しい花を堪能できる長谷寺の魅力に迫ってみよう。

 

長谷寺外観 from wikipedia

【花の御寺・長谷寺とは?】

 

奈良県桜井市にある長谷寺は、真言宗豊山派の総本山であり、全国に3,000あまりの末寺を持っているの。
紫式部や紀貫之などの文化人もこの長谷寺を訪れていて、「源氏物語」や「枕草子」などの古典の中でも登場する歴史のあるお寺なんだ。

 

四季折々に様々な種類の花が咲き誇る長谷寺では、春は吉野と並ぶ桜の名所で、夏はアジサイやれんげ、秋は初瀬山の紅葉、冬は笠をかぶった牡丹が花をつけるなど、どの季節を訪れても風情のある美しい情景を楽しむことができるの。

仁王門から本堂へ続く登廊が印象的で、399段ある石段を登りながら、四季折々の花を楽しめるんだ。

 

また、最近では長谷寺の公式インスタグラムが人気を集めているんだ。

インスタグラムにアップされる写真はプロの製作会社に任せずに、長谷寺の僧侶が1人で撮影から編集をしているそう。
美しい写真は、長谷寺を訪れたいという気持ちにさせてくれるよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
四季折々のお花を堪能できる花の御寺!

本尊十一面観音像 from wikipedia

 

 

【長谷寺の歴史】

 

長谷寺は創建以来9度もの罹災で焼失と復興を繰り返してきたんだ。
現在の本堂は、西暦1650年に再建されたもので、平成16年には国宝に指定されているよ。

 

創建は朱鳥元年(686年)で、道明上人が天武天皇のために銅板法華説相図(千仏多宝仏塔・国宝)を西の岡に安置したことが始まりとされているの。
奈良時代の神亀4年(727年)には、道明上人の弟子・徳道上人が聖武天皇の勅願により、東の岡に十一面観世音菩薩を造立したよ。

 

徳道上人は、近畿と岐阜県に点在する33か所の観音霊場を巡拝する「西国三十三所観音霊場巡礼」を始めたと言われているの。
長谷寺は西国三十三観音霊場第八番札所なんだ。
長谷寺は観音信仰の発祥であり、また聖地として発展していくよ。

 

本堂(正堂)を西北から見る from wikipedia

 

 

 

【長谷寺を繁栄に導いた真言宗豊山派の派祖・専誉とは?】

 

長谷寺は真言宗豊山派の総本山であり、豊山派の派祖である専誉(せんにょ)僧正は、戦国時代の享禄3年(1530年)に堺で生まれたよ。
専誉は、9歳の頃に和歌山の根来寺に入山し、13歳で正式な僧として修業を開始。

20歳になると東大寺の戒壇院で、僧の戒律を守るための儀式を受け、南部、醍醐、三井、叡山などで勉強し、根来寺に再び戻り後輩たちの指導にあたったそう。

 

専誉が根来寺に戻った当時、根来寺は所領70万石、僧侶6,000人を超える学山で、強力な僧兵たちがたくさんいたんだ。
天下統一を図っていた羽柴秀吉は、それらの僧兵たちを擁する根来寺に降服を勧めたものの、根来寺はこれに応じなかったため攻撃に遭い、2,700もの堂塔は一夜にして跡形もない状態になってしまうの。

 

学頭であった専誉は、多くの学徒を率いて高野山に逃れ、泉州国分寺に隠棲したんだ。
その当時の長谷寺は観音霊場として、天下に知られていたものの、荒廃していたため、大和の太守・大納言豊臣秀長は、高徳の僧を迎い入れて長谷寺の興隆をはかろうと考えていたの。

そこで白羽の矢を立てられたのが専誉だったんだ。
専誉が長谷寺に入山すると、学徳を慕う学僧たちが、全国から集結し、根来寺に栄えた真言の教学は、長谷寺に再興されたよ。

また、専誉は今まで長谷寺を支えてきた人たちに対しても、非常に手厚い心遣いをしたと言われているの。
学問的、人間的に優れていた専誉の入山によって、長谷寺は栄えていくことになるよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
すごい規模の僧侶がいたから羽柴秀吉にとって脅威だったんだろうね!

本堂(礼堂)内部、右方が正堂 from wikipedia

 

【多くの文化人が訪れている?歌や物語に多く登場する長谷寺】

 

長谷寺は長い歴史の中で、様々な歌や物語に登場しているの。

例えば、
・紀貫之の和歌
・小林一茶の俳句
・紫式部の『源氏物語(玉鬘)』
・菅原孝標女の『更級日記』
・藤原道綱母の『蜻蛉日記』
などに登場するよ。

 

王朝文学の舞台ともなっている長谷寺の境内には、いたるところに歌が刻まれた歌碑が点在しているの。
歌碑をたどりながら、当時の人々の想いを感じてみるのは何とも風情があるよね。

 

さらに、境内にある石造物も注目ポイントだよ。
石観音、手水鉢、石燈籠などを探しながら歩いてみるのもおすすめなんだ。
ぜひ参拝の先には、歌碑や石造物をチェックしてみよう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
いろんな人が思いを馳せて歌を読んだんだね♪

五重塔 from wikipedia

 

 

【長谷寺を代表する四季折々の花をご紹介♪】

 

花の御寺と呼ばれるほど、様々な種類の花を楽しむことができる長谷寺。
ここでは、長谷寺を代表する四季折々の花をまとめてみるね。

 

<桜>

長谷寺の広い境内には約1,000本のソメイヨシノや山桜、シダレザクラ、奈良ヤエザクラなどが咲き誇るよ。
4月上旬~下旬まで長い間、お花見を楽しむことができるんだ。
吉野山と並んで、奈良のお花見名所として人気があるよ。

 

<牡丹>

桜のシーズンが過ぎると、次は牡丹が咲き誇るよ。
長谷寺では毎年4月中旬~5月上旬まで「ぼたん祭」が開催されているんだ。
このぼたん祭では、献花祭、茶会、特別法話など様々なイベントが行われるそう。

 

境内には150種・約7,000株もの色とりどりの牡丹が、登廊沿いの石組みになった花壇に、赤やピンク、白の牡丹が鮮やかに咲き誇るよ。
長谷寺の牡丹は1000年以上前に、唐の皇帝の妃・馬頭夫人が、長谷寺の十一面観世音菩薩の霊験を得た御礼として、牡丹を献上したのがはじまりなんだ。

馬頭夫人は、顔が馬に似ていたけれど、長谷寺の観音様に七日七晩祈願したところ、観音様の霊験によって絶世の美女となったそう。
そのお礼として牡丹の苗木を送ったところ、境内にはたくさんの牡丹が植えられるようになったんだ。

 

また、長谷寺の牡丹は春だけではなく、11月中旬から下旬にも寒牡丹が見頃を迎えるよ。
花びらを幾重にも重ねて豪華に咲き誇る牡丹は圧巻の美しさなんだ。
雪よけの藁笠の中で懸命に咲く、寒中牡丹見頃は、11月中旬~12月下旬頃。

 

長谷寺には牡丹をかたどったお守り「花守り」もあり、身体健全、容姿端麗、金運上昇などにご利益があるよ。
カラーバリエーションも豊富でとってもかわいいからお土産にもおすすめ。

 

<アジサイ>

6月~7月の梅雨時期にはアジサイが見頃を迎えるよ。
山内のところで、約3,000株のアジサイが咲くの。
西洋アジサイ、額アジサイなど様々な種類のアジサイが咲きそろうので、圧巻なんだ。

 

<紅葉>

秋の時期(見頃は例年10月中旬~12月上旬)には紅葉を楽しむこともできるよ。
五重塔と紅葉のコラボは絶景!
さらに擬宝珠と五色幕、長谷型灯籠(楕円形の燈籠)を入れる構図もおすすめなんだ。
カメラ好きの人にはぜひ訪れておきたい紅葉スポットだよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
どの季節も素敵!
お坊さんレモン
お坊さんレモン
植えられている数のハンパなさ〜!すごい!!

 

【僧侶の息づくお寺・長谷寺】

 

長谷寺は僧侶の息づくお寺、読経の漂うお寺としても知られていて、現在も約60名の僧侶が在籍しているんだ。
僧侶たちは日々修行に勤め、早朝から夕方まで読経の声が、境内に聞こえてくるよ。

朝のお勤めでは、御本尊である十一面観世音菩薩様の供養が行われるの。
ちなみにこの観音様は、『源氏物語』や『枕草子』にも登場することで知られているよ。

 

毎朝6時30分(10~3月は7時)から行われている朝のお勤めは、誰でも参加することができ、数十名の僧侶たちと一緒にお経を読めるんだ。
早朝の澄み切った空気の中で、僧侶たちが唱える読経は迫力があり圧巻だよ。
なかなかできない経験なので、早朝に訪れる機会があればぜひ参加してみよう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
朝早いですが一見の価値ありですね!

 

【日本最大の木造観音像がある!】

 

長谷寺の御本尊である「十一面観世音菩薩像」は、約12.3mもの高さを誇る木造観音像なんだ。
日本最大級の大きさを誇る立像で、重要文化財にも指定されているの。

 

普段は正堂と霊堂の間の拝所から拝むんだけど、春と秋の年2回だけ、期間限定で特別拝観を開催しているよ。
通常は関係者以外立ち入り禁止の本堂(国宝)の内陣に入って、御本尊・十一面観世音菩薩像の御足に直接触ることができるんだ。

金色に輝く巨大な観音様は間近で見ると、その大きさに圧倒されるよ。
御足を触れることで、観音様のパワーをもらえるし、なんだかご利益があるよね。

 

十一面観世音菩薩像は、錫杖をとる右手に数珠をかけ、左手に華瓶を握る像で、岩座上に乗る姿は古来の観音信仰を伝えているよ。
奈良時代から7度の焼失・復興を繰り返していて、現在の像は室町時代の天文7年(1538年)に仏師運宗や運海によって造られたんだ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
御足を触らせていただいたら御利益がたくさんもらえそうですね〜♪
お坊さんレモン
お坊さんレモン
四季の綺麗な植物を見ながら参拝できる素敵なお寺です♪

 

 

住所

神奈川県鎌倉市長谷 3-11-2

アクセス

電車の場合

● JR 横須賀線、鎌倉駅下車
→バス「長谷観音」下車、徒歩5分
または
→江ノ電「長谷駅」下車、徒歩5分

●小田急線、藤沢駅下車
→江ノ電「長谷駅」より徒歩5分

 

車の場合

横浜横須賀道から朝比奈I.C.下車
県道204号にて30分