信長が欲しがった松永久秀所有の名器「平蜘蛛」とは?
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2021年1月24日
「麒麟がくる」第40回で、松永久秀は織田軍を離反し、信貴山城に立て籠もり、織田勢の猛攻を受け落城したね。
久秀は城とともに焼け滅び70歳の生涯を終えることになるんだ。
ここでは信貴山城の戦いについてまとめてみよう。
目次
【信貴山城の戦いとは?なぜ起きた?】
信貴山城(しぎさんじょう)の戦いは天正5年(1577年)10月5日~10日にかけて起きたよ。
織田信長に対して謀反を起こした松永久秀の居城である信貴山城で行われた攻城戦で別名「松永久秀討伐戦」とも呼ばれているんだ。
元亀2年(1571年)、甲斐の武田信玄は遠江や三河への進攻を本格化。
久秀は武田氏や本願寺など信長包囲網からの呼びかけに呼応し、それまで対立していた将軍・義昭と結託して信長に謀反したんだ。
この久秀の行動に、信長は筒井順慶に命じて、久秀とその子である久通が居城する多聞城を攻撃させたんだ。
多聞城にこもって戦った久秀だったけど、結局信長に降伏し、久通の子を人質に差し出したよ。
天正5年(1577年)8月には、石山本願寺攻めに参戦してたものの久秀は突如兵を引き上げ、大和の居城・信貴山城に立てこもったんだ。
再び久秀は信長に反旗を翻したんだよ。
毛利輝元のもとに身を寄せていた義昭による、第二次・信長包囲網の動きに呼応したものだったんだ。
「松永久秀討伐戦」
【信長の側近が説得しても応じない久秀】
信貴山城に立てこもっていた久秀に対して、信長は久秀とも親しかった側近・松井友閑を使わせたよ。
そこで友閑は、久秀に降伏を勧めたんだ。
信長は、久秀が所有していた名物茶釜「平蜘蛛」を差し出せば除名するとまで言ったものの、久秀は友閑の面会を断り、信長の説得に応じることはなかったんだ。
【包囲された信貴山城】
信長は9月29日に信貴山城へ軍を出したよ。
この時の総大将は信長の嫡男の織田信忠で、明智光秀、細川藤孝、筒井順慶など名だたる武将もいたんだ。
さらに信長は羽柴秀吉や佐久間信盛を援軍として派遣。
総勢20,000以上の大軍で信貴山城を包囲したんだ。
信貴山城の戦いが始まったのは10月5日。
信長は人質であった久秀の孫である2人を京都で斬首。
それでも堅い守りを誇っていた信貴山城はなかなか落城しなかったんだ。
久秀軍は大軍を相手に応戦し、信長軍は長期戦を確保したそう。
しかしそこで事態は一変するの。
元々順慶の家臣で久秀の配下となっていた森好久が謀反。
自ら率いる200の鉄砲隊で久秀に背いたんだ。
信貴山城の周りには大軍で囲まれ、自軍の内部からも反乱が起こってしまったため、久秀軍は泥沼に…。
同じく信長包囲網として手を組んでいた本願寺や上杉謙信、毛利氏からの援軍は届かなかったんだ。
【信貴山城で自害した久秀】
10月10日、信長軍はついに総攻撃を開始。
久秀は息子の久通とともに籠城したものの、もはやこれまでと覚悟を決めたよ。
信長が欲しがっていた天下に名高い平蜘蛛の茶釜を床に投げつけて打ち砕き、火を放つと爆発炎上する信貴山城の天守で一族郎党230人余りとともに切腹したと伝えられているんだ。
また久秀の自害の方法については爆死説というものもあるよ。
平蜘蛛の茶釜に火薬を詰めて、茶釜もろとも爆死したと言われているの。
なんとも強烈な死に様だよね。
しかし実際のところ、久秀爆死に関する根拠は史実を占める資料には残されていないんだ。
久秀の死に関しては「信長公記」では「松永、天守に火を懸け焼死」と書かれており、焼死を示す文言が示されているだけなの。
さらに「多門院日記」によると、久秀の首は自害した翌日に安土城に送られてきたと記されているの。
このことからも爆死したとは考えにくいね。
【信長は久秀に嫉妬していた?】
信長によって接収された久秀の居城・多聞城は、は当代きっての豪華絢爛なお城であったと言われていたの。
4階やぐら、塁上、長屋づくりを連ねた多聞やぐらなど当時最先端の意匠が凝らされていたんだ。
御殿内部も壮麗な障壁画が施されていて、金地の彫刻飾りもあったそう。
さらに多聞城には、有名なコレクターであった久秀が収集した名物の茶道具、書画など数多くの宝が大量に集められていたの。
信長もまた、久秀と同じく茶道具や美術品を愛していたコレクターだったよね。
多聞城を手にしたことで、これらの宝もすべて信長の手中におさまったんだ。
信長は多聞城をたいそう気に入っていたとされており、多聞城のやぐらを解体して築城中であった安土城に送り、そのやぐらを元に天守を築造したよ。
信長は自分が築城するよりも先に華麗な城があったことが許せず、多聞城を破壊しているんだ。
信長は松永久秀に対して嫉妬する気持ちがあったのでは?とも言われているよ。