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2021年6月29日
日本三大神宮の1つとされている石上神宮(いそのかみじんぐう)は『日本書紀』によると日本で最も歴史がある神宮と言われているんだ。
ここでは奈良県天理市にある石上神宮についてまとめてみよう。
目次
【石上神宮の歴史とは?】
石上神宮は奈良県天理市布留町にある神社で、幕末~明治期には地元では「いわがみさん」と呼ばれていたの。
『日本書紀』に記された「神宮」は伊勢神宮と石上神宮だけで、日本三大神宮の1つとしても知られているよ。
『日本書紀』の記述によると、石上神宮は日本最古設立の神宮とされているんだ。
古代軍事氏族である物部氏が祭祀し、各部族から没収した武器を保管しておくヤマト政権の武器庫としての役割も担っていたとされているの。
石上神宮の主祭神は全部で3つ。それぞれまとめてみよう。
・布都御魂大神(ふつのみたま)
布都御魂大神は、日本神話の中に現れる霊剣に宿る御霊威で、伝説の中で初代天皇とされる神武天皇の元にもたらされた神剣と言われているの。
神武天皇は霊剣であるこの布都御魂を用いて大和を成立させたんだ。
また、布都御魂は天皇家と深い関わりがあり、巨大豪族として一時代を築いた物部氏により、石上神宮に移され主祭神になったと言われているよ。
・布留御魂大神(ふるのみたま)
布留御魂大神は、強い霊力を持った天璽十種瑞宝に宿る御霊威。
天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)は饒速日命(にぎはやひのみこと)が天津神から授けられた十種の神宝のこと。
それらには「亡くなった人を蘇らす」という力を秘めていると言われているんだ。
後に、饒速日命の御子である宇摩志麻治命(うましまじのみこと)がこの神宝を用いて、初代天皇と皇后の寿命が長くなることを祈ったよ。
これが鎮魂祭の初めとなるの。
その後、宮中で韴霊と共にお祀りされていたものが、崇神天皇7年に韴霊とともに、石上布留高庭に遷されたんだ。
・布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)
布都斯魂大神はスサノオノミコトが出雲国でヤマタノオロチを退治した時に使った神剣、天十握剣(あめのとつかのつるぎ)に宿る御霊威。
石上神宮には本来、本殿はなく、拝殿の後方に広がる禁足地を聖域としていたんだ。
この禁足地には歴史的に神剣である布都御魂など2つの神宝が埋まっていると伝えられていたの。
明治7年(1874年)になって掘り起こしたところ、実際に勾玉と剣が見つかったというエピソードがあるんだよ。
ちなみに本殿は大正2年(1913年)に完成。
現在も禁足地は、布留社と刻まれた剣先状石瑞垣で囲まれているんだ。
【石上神宮の御利益とは?】
神武天皇が熊野遠征で不利な状況に立たされた時に、神剣の布都御魂を授かり勝利を収めたことに由来し、起死回生や勝運などのご利益があるとされているの。
その他には、健康長寿、除災招福、百事成就、病気平安など様々なご利益があるよ。
【国宝や重要文化財など数多くの宝物が収蔵されている】
石上神宮には古代百済から献上された国宝・七支刀や、重要文化財の鉄盾、勾玉、管玉など貴重な宝物が数多く収蔵されているんだ。
その宝物を見たくて訪れる人もたくさんいるんだよ。
ここでは石上神宮に収蔵されている貴重な宝物をいくつかピックアップしてみよう。
<七支刀(しちしとう)>
七支刀は石上神宮の神庫に伝世した古代の遺品で、日本の国宝にも指定されているよ。
特異な形をした鉄製の剣で、全面が鉄さびに覆われていて、伝世以来石上神宮の御神体同様のものとして祀られてきたんだ。
製作年については、西暦369年と考えられているよ。
この七支刀は『日本書紀』の神功皇后摂政52年に百済から献上された「七枝刀(ななつさやのたち)」にあたると言われているの。
<鉄盾(てつたて)>
石上神宮の神庫にに「日の御盾」と称して収蔵されてきた伝世品で、2面あるの。
2面は大きさが多少異なるものの同じ形式で、やや大きい1面は石上神宮で保管、もう1面は東京国立博物館に委託してあるよ。
どちらも重要文化財に指定。
製作年代については、5世紀後半と推定されているよ。
<硬玉勾玉(こうぎょくまがたま) >
硬玉勾玉は禁足地から出土した社宝で、濃緑または淡緑の翡翠を加工した勾玉だよ。
合計で11個あり、最大のものは長さ5.3cm、最小のものは長さ1.8cmで、重要文化財に指定されているの。
古墳時代前期の副葬品に見られる勾玉と似ていて、気品のある優れたもの。
<碧玉管玉(へきぎょくくだたま) >
碧玉管玉も硬玉勾玉と同様、禁足地から出土した社宝で重要文化財指定。
鎖状に繋いであるもの、2個ずつ一括りのもの、単独のものなど合計で293個あるんだ。
大きさや状態は様々なんだけど、細身のものが見られ、製作年代については古墳時代前期と考えられているよ。
<琴柱形石製品(ことじがたせきせいひん)>
琴柱形石製品も禁足地から出土した社宝で、重要文化財指定。
琴の弦を調節する琴柱に形状が似ていることから、このような呼び名になったよ。
非常に良質な濃緑の碧玉で作られているの。
用途としては逆さまにして杖頭とされていたと考える説が有力だよ。
<弧状管玉(こじょうくだたま) >
禁足地から出土した社宝で、重要文化財指定。
弧状管玉は乳灰色の硬玉で作られた弦月状の管玉で、長さは5.3cm。
特異な形をしていて、他に類例がなく、たいへん珍しいものなんだ。
<硬玉棗玉(こうぎょくなつめだま) >
禁足地から出土した社宝で、重要文化財指定。
硬玉棗玉は軟玉製で、なつめの実のような形をしているので硬玉棗玉と呼ばれているよ。
合計で9個あり、紋様の有無や緑色の濃淡など様々。
大きさも長さ1.2cmのものから0.6cmのものまであるよ。
<色々威腹巻(いろいろおどしはらまき)>
腹巻とは行動性を重視した形式の甲のこと。
石上神宮の腹巻は白・紫・紅・萌黄など鮮やかな色の糸でつづり合わせていることから、「色々威腹巻」という名前が付けられているの。
この腹巻は足利尊氏が奉納したものと伝えられていて、現在は奈良国立博物館に委託してあるよ。
重要文化財指定。
【石上神宮境内には人懐っこい鶏がたくさんいる?】
石上神宮の境内に入ると、約30羽の色とりどりの鶏が放し飼いにされているんだ。
人に慣れていて、なつっこく迎えてくれるんだよ。
鶏は古く『古事記』『日本書紀』にも登場する動物であり、「暁に時を告げる鳥」として神聖視されていたの。
石上神宮では鶏は神様の使いとされ、「御神鶏」と呼ばれているんだよ。
鶏は木の枝の上で眠っても落ちないと言われていて、石上神宮では御神鶏に由来するお守りや絵馬がとっても人気なんだ。
また、かわいい御神鶏みくじもあるからぜひチェックしてみてね。