日本最古の神宮・石上神宮とは?国宝や重要文化財が多数収蔵されている?
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2021年6月30日
日本三大神宮の1つで、日本最古の神宮と言われている奈良県天理市にある石上神宮。
今回は石上神宮を訪れた際に見ておきたいスポットを解説していくね。
目次
【石上神宮で押さえておきたいおすすめスポットとは?】
石上神宮は大和屈指の古社で、国宝指定となっている拝殿は神社建築としては最古のものなんだ。
ここでは歴史を感じられる石上神宮のおすすめスポットをまとめてみよう。
<拝殿(国宝)>
国宝指定されている石上神宮の本殿は、御崇敬が厚かった第72代白河天皇が当神宮の鎮魂祭のために、永保元年(1081年)に宮中の神嘉殿を寄進されたものと伝えられているの。
建築様式の区分としては、鎌倉時代初期の建立と考えられているよ。
拝殿としては現存する国内最古のものであり、日本の国宝に指定。
文明2年修復、貞享元年上葺、享保18年修補、元文5年上葺、寛政10年修復、安政6年屋根替、計6枚の棟札が現存しているよ。
御祈祷や結婚式はこの拝殿で行われるの。
国宝で結婚式が行えるとあって、神前式の場としても人気を集めているんだよ。
<禁足地(きんそくち)>
拝殿の後方にある「布留社」と刻字した剣先状の石製瑞垣が取り囲む、東西44.5m、南北29.5m、面積約1300㎡の地を「禁足地」と言うんだ。
石上神宮の神域の中で、最も神聖な霊域とされていて、立ち入ることはできないよ。
古来、石上神宮の御神体が鎮まる霊域として「石上布留高庭(いそのかみふるのたかにわ)」と称えられているの。
<本殿>
石上神宮の御神体である神剣「韴霊」が禁足地の土中深くに祀られているという言い伝えがあったため、明治7年8月に調査したの。
すると、多くの玉類・剣・矛などが出土し、神剣「韴霊」も出てきたため、その言い伝えが正しかったことが証明されたよ。
その後、明治43年から大正2年にかけて神剣「韴霊」を奉安するためにこの本殿が建立されたんだ。
その際に、禁足地を北側に拡張し、当時拝殿西隣にあった神庫を禁足地内の南西の隅に移築して、現在の状態に整えたよ。
神剣「韴霊」が発見された地点は、本殿と拝殿との間で、現在は大きな石を置いて標示してあるんだ。
<神庫(ほくら)>
神庫は禁足地の南西の隅に建っている二戸前の校倉造の建物。
垂仁天皇紀に「天神庫」と見えることからも、相当古くからこの神庫があったことが知られているよ。
現在の神庫は嘉永4年(1851年)に再建されたもので、元々は禁足地の外の拝殿西隣に建っていたものを、本殿建立工事に伴い、明治45年に現在の場所に移築。
神庫は御神宝を収蔵する庫というだけではなく、同時に神格の宿るところとされているんだ。
毎年12月31日には「神庫祭」を行い、神宝の安泰を祈願しているよ。
<楼門(重要文化財)>
棟木に記されている墨書によると楼門(ろうもん)は、鎌倉時代末期の第96代後醍醐天皇の文保2年(1318年)に建立されたんだ。
国の重要文化財に指定されているよ。
明治時代以前は鐘楼門として上層に鐘が吊るされていたんだけど、明治初年の「神仏分離令」によって取り外されて売却されたの。
左右には回廊が続き、塗り変えられた朱色が周囲の緑の中でひときわ鮮やかに輝いているよ。
二重の正面に掲げてある木額の「萬古猶新」の字は、明治・大正の元老として有名な山縣有朋の筆によるものなんだ。
<大鳥居>
参道の入り口に立つ大鳥居は、昭和3年の昭和天皇の御大典を記念して建立されたもの。
すぐ脇には『万葉集』の柿本人麻呂の歌碑があるよ。
<神杉>
石上神宮の境内には、樹齢300年を超える高さ30m前後の杉が数本あるんだ。
万葉の時代より「石上布留の神杉」と詠われていて、信仰の対象となっているよ。
西側の神杉は樹齢400年前後、高さは約35m、東側の神杉は樹齢は350年を超え、高さは約30mなんだ。
<御神鶏>
石上神宮の境内に入ると、東天紅鶏・烏骨鶏など約30羽の色とりどりの鶏がいるよ。
鶏は『古事記』や『日本書紀』にも登場していて、神様のお使いとされているんだ。
鶏は木の枝に止まって眠っても決して落ちないことから、受験・人気・業績が「落ちない」にあやかった鶏の絵馬などがあるよ。
またお尻の紐を引くとおみくじが出てくる「御神鶏みくじ」も人気なんだ。
<石上神宮限定のお守り>
国宝指定の百済から献上されたとされる御神宝・七支刀を描いた「御神剣まもり」は石上神宮だけのお守りとして人気なの。
「ピンチを救う」起死回生のお守りとして人気があるよ。
<鏡池・ワタカ>
石上神宮の境内には鏡池という池があるの。
この池には奈良県の天然記念物に指定されているワタカと呼ばれる魚が生息しているんだ。
ワタカは日本特産のコイ科の魚で、体は平たくて細長く、頭は小さく眼は大きい姿をしているよ。
また体色は銀白色で、背部は緑青色で別名は「馬魚」と呼ばれているんだ。
鏡池で泳ぐワタカをぜひチェックしてみよう。
【石上神宮の摂社、末社とは?】
石上神宮には摂社、末社がいくつかあるよ。
ここでは有名な摂社、末社をまとめてみよう。
<摂社 出雲建雄神社拝殿>
摂社 出雲建雄神社拝殿は日本の国宝に指定されているんだ。
保延3年(1137年)に建立され、元来は内山永久寺の鎮守の住吉社の拝殿だったのが、大正3年に現在地に移築されたよ。
内山永久寺は鳥羽天皇の永久年間(1113~18年)に創建された大寺院だったんだけど、神仏分離令によって明治9年に廃絶。
その後も鎮守社の住吉社は残されたんだけど、その住吉社の本殿も明治23年に放火によって焼失。
拝殿だけが荒廃したまま残っていたため、石上神宮摂社の出雲建雄神社の拝殿として移築したんだ。
このため、この拝殿は内山永久寺の建物の遺構としてとても貴重なもので、国宝に指定されているんだよ。
<摂社 出雲建雄神社>
出雲建雄神社が、草薙剣(くさなぎのつるぎ)の荒魂・出雲建雄神を祀っているよ。
<摂社 天神社、七座社>
天神社、七座社の両摂社には、生命を守護する宮中八神に、わざわいや穢れを改め直してくれる大直日神を併せてお祀りしているんだ。
<末社 猿田彦神社>
末社 猿田彦神社の主最新は猿田彦神。
さらに底筒男神をはじめとする5神を配祀神としてお祀りしているよ。
<末社 神田神社>
末社 神田神社は神武天皇が九州から大和に向かう途中、熊野で遭難した際に、高天原から下された神剣「韴霊」を天皇に捧げた、高倉下命をお祀りしている神社だよ。
【石上神宮の参拝・拝観方法】
大鳥居から真っすぐに進み、手水所で手水を済ませてから、楼門を通り国宝の拝殿の正面で心静かに参拝しよう。
境内の散策、摂社、末社の参拝は自由にお参りできるよ。
ただ、拝殿での参拝は季節によって楼門の開閉門があるから、事前に調べていくとよいね。(午前5時30分~午後5時30分まで拝殿正面でのお参りができない場合あり)
また拝殿は国宝となっているため、無断での昇殿はできないんだ。
祈祷の申込み、御朱印・お札・お守りの授与品は楼門を入って左側にある「ご祈祷受付所・授与所」で受付できるよ。