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2022年9月21日
熊本県の南阿蘇・高森町にある「草部吉見神社」は知る人ぞ知る神社なんだ。
日本三大下り宮の1つとしても知られていて、古い歴史を持っているよ。
今回は草部吉見神社の魅力に迫ってみよう。
目次
【草部吉見神社とは?】
熊本県の南阿蘇にある草部吉見神社は第6代孝霊天皇の代に創建されたとても古い神社なんだ。
創建は約紀元前288年頃と言われていて、阿蘇神社創建の6年ほど前になるよ。
日本三大下り宮の1つとされる草部吉見神社は、鳥居の下に社殿がある珍しい神社なの。
130の石段を下りた先に社殿があって、さらにその裏手には幹回り7.7m、樹高40mを超す御神木の大杉が鎮座。
厳かな雰囲気を醸し出しているよ。
【草部吉見神社の御祭神・ご利益】
草部吉見神社には初代天皇である神武天皇の第一皇子・日子八井命(ヒコヤイノミコト)をはじめ、12柱が祀られているよ。
日子八井命はご長寿で、開拓をしたことから、
・健康長寿
・ボケ封じ
・家業繁栄
・縁結び
・学業成就
・厄除け
など様々なご利益があるの。
日子八井命は娘を甥の健磐龍命に嫁がせ、健磐龍命とともに阿蘇の開拓をしたといわれているんだ。
草部吉見神社から200mほど離れた場所には、日子八井命の墓所とされる場所もあるよ。
【草部吉見神社のはじまり】
「古事記」によると草部吉見神社のはじまりについて以下のように書かれているんだ。
草部という村で大蛇が住民を苦しめていたため、神武天皇の命によって日子八井命が大蛇の征伐に出かけたの。
大蛇の住む「吉ノ池」に到着すると、大蛇が襲ってきたんだ。
日子八井命はひるむことなく斬りつけ、大蛇は逃げ出し数100m先で絶命。
血を引きながら逃げたため「血引き原(ちひきばる)」という地名になったと言われているよ。
日子八井命は死んだ大蛇を焼いて、その灰を野原にまいたんだ。
そのことから「灰原」という地名もできたそう。
日子八井命は大蛇の住んでいた吉ノ池を「こここそよい宮を建てる場所だ」と言い、吉ノ池の水を谷に流して、池を埋め立てて宮を建てたよ。
なんと一夜で屋根をはじめ、壁も草で葺いて宮殿を建てたんだ。
その宮が現在の草部吉見神社と言われているの。
ちなみに館が草の壁だったので、いつしかこの地が「草壁」と呼ばれるようになって、後に「草部」に改められたと伝わっているよ。
【草部吉見神社の見どころを徹底解説!】
草部吉見神社の境内は決して大きくはないけれど、見どころはたくさんあるよ。
ここでは草部吉見神社を参拝したら、絶対にチェックしておきたいおすすめスポットをご紹介するね。
<鳥居と階段>
草部吉見神社の魅力と言えば下り宮であること。
駐車場からすぐに鳥居があり、そこまでは平坦なんだ。
また鳥居の近くには、狛犬もいるよ。
下り階段は130段あり、階段を下りる時に見える拝殿・本殿の眺めは厳かな雰囲気を感じられるんだ。
<拝殿>
拝殿の御神幕には御神紋である「羽丸に三つ並び鷹の羽」が見られるよ。
古代より「鷹」は武人の象徴とされており、同じ阿蘇にある阿蘇神社の神紋にも違い鷹の羽が用いられているんだ。
<本殿>
草部吉見神社の本殿は屋根が長めの「流れ造り」の様式となっていて、随所に精巧な彫刻が施されているよ。
軒下には立派な龍があり、壁には鷲と猿のリアルな彫刻が彫られているんだ。
鷲が猿を襲っているように見えるんだけど、鷲は天からの使いで猿は人間を現しているため、天が人々を救っているという意味があるそう。
<樹齢1000年以上の御神木>
草部吉見神社境内の周辺には200本以上の杉の巨木が茂っているよ。
その中でもひときわ目立つ大きな杉の木は、御神木の大杉なんだ。
本殿に寄り添うように建っている大杉は、樹齢1000年。
幹回りは7.7m、樹高40mを超えていて、御神木からは神気が漂っているように感じられるよ。
また御神木のそばには、御神木の枝が祀られているんだ。
この枝はものすごく太くて、1本の木のように見えるよ。
枝の太さからも、以下に御神木が巨木であるかが実感できるよね。
<吉ノ池>
古事記にも書かれている吉ノ池は、大蛇が住んでいたとされる池。
境内に「塩井社」と書かれた鳥居があって、そのそばに「不老長寿の池」と記した立札があるよ。
その池こそが、吉ノ池で「不老長寿の泉」と言われているの。
この吉ノ池はこれまで一度も涸れたことがないと言われるほどの湧水量で、飲用することもできるんだ。
涸れたことがないことから「不老長寿の長命水」と呼ばれているよ。
柄杓が置いてあるので、吉ノ池の水を頂いて、不老長寿のご利益をいただく参拝客も多いの。
また吉ノ池のふちには、日子八井命が退治したという大蛇の像が立っているんだ。
<日子八井命のご神陵(お墓)>
日子八井命のご神陵は高塚式の古墳なんだ。
大きな杉に囲まれていて、厳粛な雰囲気が漂っているよ。
【草部吉見神社の例大祭】
草部吉見神社では毎年7月31日に例大祭が行われるよ。
130段ほどある参道の階段を大小2基の神輿が練り歩き、子供神輿も同じように練り歩くよ。
また神楽殿では、神楽の奉納もされ、多くの見物人に見守られながら神事が執り行われていくの。
お神輿は一般的に猿田彦が先導役をするんだけど、草部吉見神社では白装束の人が先頭なのが特徴的。
これは日子八井命が草部に入った時、木本家の先祖が道案内したという神話伝承に基づくもので、それが今でも生きているそう。
さらに、右手に持った梅の枝を、地を引きずるようにして先頭を歩いていくの。
【草部吉見神社の住所とアクセス】
住所
熊本県阿蘇郡高森町草部2175
アクセス
高森駅から車で約25分など