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2024年5月26日
橋の守り神「橋姫」をお祀りする京都府宇治市の橋姫神社は、源氏物語「宇治十帖」ゆかりの古跡なんだ。
今回は橋姫神社の魅力に迫ってみよう。
目次
【行ってはいけない神社にランクインする「橋姫神社」とは?】
京都府宇治市にある橋姫神社は、宇治橋の守り神として古くから信仰されているよ。
この橋姫神社は、縁切り・悪縁切りの神社として有名なため、「行ってはいけない神社」にもランクインしているんだ。
宇治橋の西詰、あがた通りの大鳥居を抜けるとすぐ左手にあるの。
橋姫は「橋の守り神」であり、古くから水辺や橋は心霊の宿る所とされてきたんだ。
橋を守る神様として宇治川にかかる宇治橋を守り、江戸時代初期には三の間に祀られていたとも伝えられているよ。
その後、江戸時代に宇治橋西詰に祀られていたものの、明治3年(1870年)に大洪水で流失。
明治39年(1906年)に現在の場所に再建されたんだ。
【橋姫神社の御祭神】
橋姫神社の御祭神は瀬織津比咩尊であり、橋姫とも呼ばれているよ。
水運の神様である住吉明神と並んで境内に祀られているんだ。
明治3年(1870年)の大洪水で流されるまでは、宇治橋西詰にあり、さらに古くは宇治橋三の間に祀られていたと伝わっているの。
【御祭神「瀬織津比咩尊」は「丑の刻参り」を最初に行った人物】
「橋姫神社にお祀りされている御祭神「瀬織津比咩尊(せおりつひめ)」は「丑の刻参り」を最初に行った人物として知られているよ。
「丑の刻参り」は、亥の刻(午前2時~2時半)に神社の御神木に、憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち付ける呪いの一種。
日本に古くから伝わっているこの「丑の刻参り」を瀬織津比咩尊が初めに行ったとされているの。
<平家物語「剣巻」>
鎌倉時代の軍記物語「平家物語」に収録されている「剣巻」には橋姫のことが書かれているんだ。
嵯峨天皇の時代、ある公卿の娘が嫉妬にとらわれて、貴船神社に7日間こもって「貴船大明神よ、私を鬼神に変えてください。殺したい女がいるのです。」と祈ったの。
哀れに思った明神は、「鬼になりたければ、姿を変えて、宇治川に21日間浸かりなさい。」と告げたんだ。
その娘は髪の毛を5つに分けて結び、角に見立てて、顔には朱をさし、体に丹を塗って全身を赤くしたの。
さらに三脚の鉄輪を逆さにして頭に載せて、鉄輪に3本の松明を差して、口には両端を燃やした松明をくわえたんだ。
夜になると、その姿のまま南に向かって走り、宇治川へ行ったんだ。
貴船神社の明神に言われた通り、宇治川に21日間つかると、その娘は鬼になったそう。
これが「宇治の橋姫」と呼ばれることになったんだ。
鬼になった橋姫は妬んでいた女、その縁者、相手の男の親類を殺害。
さらに暴走した橋姫は、全く関係のない人まで手にかけてしまうようになったの。
次第に都では「夜は鬼が出るから外に出てはいけない」と噂が流れるようになったんだ。
この噂を聞きつけた宮中は、源綱を遣いに出して、都を見回りさせたの。
すると一条堀川の戻橋に女性がいたんだ。
源綱が「夜道は危ないから家まで送りましょうか」と女性を馬に乗せたところ、実はその女こそが鬼になった橋姫だったの。
綱は格闘の末に、橋姫の腕を切り落として退治したんだよ。
<橋姫は縁切りの神様といて厚く信仰されている?>
橋姫は頭に炎を乗せて髪の毛を振り乱すイメージが強く、その後丑の刻参りでも用いられ、世に広まったんだ。
そのため、橋姫=嫉妬深くて怖い女、鬼女というイメージになってしまったの。
橋姫=嫉妬深いというイメージから「縁切りの神様」としても知られるようになったよ。
現代でも、結婚を控えている男女が橋を渡ると、橋姫が2人の仲を嫉妬して、2人の関係性が壊れてしまうと恐れられているんだ。
婚礼の際には、橋を鵜飼して渡ったという人もいるそう。
<源氏物語第45帖「橋姫」に描かれる橋姫は鬼とは違う?>
平安時代の長編物語「源氏物語」の第3部第45帖では橋姫が和歌で詠まれているの。
光源氏が亡くなった後の話で、光源氏の子供である薫と孫の匂宮が主役で、話は進んでいくんだ。
源氏の腹違いの弟・八の宮が隠居生活を送っていると聞き、薫は仏道の修行をしながら俗世に留まる八の宮に興味をもったの。
薫が宇治を訪れた際、八の宮の2人の娘がひっそりと暮らしている姿を垣間見て、心焦がれたところから宇治での悲恋が始まるんだ。
「橋姫の心をくみて高瀬さす 棹のしづくに袖ぞ濡れぬる」
という和歌を八の宮に宛てて詠んだことからタイトルの「橋姫」がつけられたんだ。
この和歌に詠まれている橋姫は、繊細で可憐で、愛しい人を待つ姫君という印象があるよね。
【橋姫神社の境内はひっそりとしている?】
橋姫神社の境内はとっても小さいの。
小さな境内には2つのお社があって、左側が「橋姫社」、右側が「住吉社」になっているよ。
右側にある「住吉社」は、水運の神様の御社なんだ。
宇治川の流れによって人間の苦しみ、悪い縁、罪を洗い流して、河口まで運んでくれると言われているよ。
【男女間の縁切りだけではない?お酒やたばこなどの縁切りにも御利益あり】
橋姫は男女の縁切りや悪縁切りが叶うと、古くから信仰されてきたよ。
実は橋姫の縁切りは、男女間の縁切りだけではなく、お酒やたばこなど、悪い習慣の縁を切ってくれるんだ。
様々な「縁切りの神様」として広く信仰されているの。
【橋姫が腰かけたと伝わる霊石がある「菊野大明神(法雲寺)」とは?】
実は京都には橋姫神社以外に、橋姫に関わるお寺があるんだ。
それが河原町二条にある「菊野大明神(法雲寺)」だよ。
菊野大明神(法雲寺)は、橋姫が腰かけたと伝わる霊石が御神体で、強力な縁切りスポットとして知られているんだ。
<縁切りスポットとして大人気>
菊野大明神(法雲寺)は知る人ぞ知る京都最強の縁切りスポットとして知られているの。
たくさんの女性が訪れ、静寂に包まれたお堂の中で人知れず縁切りを願っているんだ。
人と人との縁はもちろん、病気など様々な悪縁切りの祈願ができるよ。
ちなみに菊野大明神(法雲寺)の5大悪縁切りは以下の通り。
・男女関係の縁切り
・友人関係の縁切り
・仕事関係(上司・部下)の縁切り
・いじめ・ストーカーの縁切り
・病気の縁切り
自分の悪縁だけではなく、恋人やパートナーの不倫や浮気などをやめさせたいと願う人が菊野大明神(法雲寺)を訪れることも多いそう。
<菊野大明神(法雲寺)の御神体「霊石」にまつわる言い伝え>
菊野大明神(法雲寺)の祠に祀られている御神体の霊石は、縁切りのご利益にあやかれるよ。
この霊石は「きくの石」や「縁切り石」と呼ばれていて、縁切りのパワーが宿るきっかけとなった言い伝えがあるんだ。
早速解説してみよう。
・宇治の橋姫説
京都府宇治市にある橋姫神社の御祭神である橋姫は、恋人に捨てられたことを恨み、貴船神社に通って丑の刻参りをし生きながら鬼になったとされる人物だよ。
この橋姫が貴船神社に向かう道中で、腰をかけて休んだ石とされるのが、菊野大明神(法雲寺)の御神体「霊石」なんだ。
・深草少将説
小野小町に恋をして百夜通いの最後の一夜を残して亡くなってしまった深草少将が、小野小町の元へ向かう道中で腰かけて休んだ石こそが、菊野大明神(法雲寺)の御神体「霊石」であるとされているよ。
どちらの説でも、恋人に捨てられた恨み、愛する人と結べなかった縁への無念が感じられるよね。
いずれにしても強い想いが、この菊野大明神(法雲寺)の御神体「霊石」に宿っていることが良く分かるんだ。
御神体の霊石には男女の縁を切り裂く力がとても強くて、婚礼の時には縁切り石の前を通った夫婦には、必ず別れが訪れると言われるほどなんだよ。
【橋姫神社の住所とアクセス】
住所
京都府宇治市宇治蓮華47
アクセス
1. JR奈良線宇治駅から徒歩で10分
2. 京阪宇治線宇治駅から徒歩で10分