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地獄への入口の井戸があるって本当!?魔界に繋がるお寺「六道珍皇寺」の伝説とは?

六道珍皇寺 from google

 

古都・京都にはたくさんのお寺があるけれど、地獄への入口があるお寺を知っている?

六道珍皇寺は「あの世とこの世を結ぶお寺」として知られているんだ。

ここでは魔界スポットとして話題の六道珍皇寺についてまとめてみよう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
魔界、地獄への入り口!!

【六道珍皇寺とは?】

 

京都にある六道珍皇寺は、臨済宗建仁寺派の寺院で地元の人からは「六道さん」として親しまれているお寺なの。

1200以上前に開創され、本尊は薬師如来(重要文化財)で、閻魔堂には小野篁と閻魔大王の像が安置されているよ。

お盆時期にはあの世までその音色が届くといわれる迎え鐘を撞き、精霊を迎えに多くの人が参拝に来るんだ。

 

六道珍皇寺 from google

 

【地獄への入口とされてきた六道珍皇寺】

 

六道珍皇寺は冥界に通ずるお寺として知られているよ。

六道珍皇寺の一帯「鳥辺野」はかつての葬送地で、平安時代より化野・蓮台とともに風葬地として人の亡骸が多数運び込まれていた地域なんだ。

鳥辺野に向かう道筋にある六道珍皇寺で「野辺の送り」の法要を行って、この地で最後のお別れをした後に、風葬の地「鳥辺野の麓」へ運んでいたそう。
その風習のためか、六道珍皇寺の辺りを「六道の辻」と呼び、地獄への入口とされてきたの。

 

ちなみに六道とは仏教の説く、六道輪廻の死後の世界のこと。
地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上界の6つの世界のことをいうんだ。

六道珍皇寺はこの6つの冥界への入口にあたり、人の世の無常とはかなさを感じるあの世とこの世の分岐点と古くから信じられてきたの。
六道珍皇寺の山門手前には、あの世とこの世の境界であることを指す「六道の辻」の石碑も建っているよ。

 

<葬送地「鳥辺野」>

六道珍皇寺は鳥辺山の麓にあり、鳥辺山周辺は古くから「鳥辺野」と呼ばれてきたんだ。
平安時代は、火葬に費用がかかるため庶民の多くは風葬だったそう。

風葬とは遺体を野ざらしにして葬ることで、鳥が遺体を食べて処理することから「鳥葬」とも呼ばれていたの。
「鳥辺野」は鳥が遺体を食べやすいように、遺体を木の枝にかえたことからつけられた地名なんだよ。
ちなみにお墓(土葬)は三位以上の身分がないと当時は造ることを許されていなかったんだ。

 

<六道の6つの世界>

六道とは輪廻転生する6つの世界のことで、人は死ぬと現世での生き方を審判されて六道のいずれかの世界に輪廻転生すると考えられていたの。

六道は以下の通りだよ。

・地獄道:様々な苦しみを受ける世界で、六道の中で最も苦しみの多い世界
・餓鬼道:嫉妬や物惜しみ、欲望など常に飢えと渇きに苦しみ悩まされる世界
・畜生道:殺傷しあう弱肉強食の世界で、鳥獣虫魚などの動物に生まれ変わる苦難の世界
・修羅道:争いが絶えず、苦しみ・怒りに満ち溢れる世界で、独善的で欲望を抑えることができない世界
・人道:人間界のこと。生病老死など四苦八苦に満ちているものの、楽しみもある世界
・天道:人道よりも苦が少なく、楽の方が多い世界

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
恐ろしい世界です。。。

六道珍皇寺 from google

 

【六道珍皇寺の歴史】

 

六道珍皇寺の開創は延歴年間(782年から805年)で、平安時代や鎌倉時代には東寺に属するお寺として栄えていたの。

かつての六道珍皇寺の圭亜大は現在の約10倍もあり、寺の前の松原通りは鳥辺野への幹線道路だったんだ。

その後衰退してしまうものの、建仁寺の僧侶・聞渓良聡によって再建。
明治時代には一時的に建仁寺にまとめられてしまうものの、明治43年に独立したんだ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
昔は現在の規模の10倍もあったんですね!

六道珍皇寺 from google

 

 

【冥界への入口「冥土通いの井戸」とは?】

 

六道珍皇寺にはいくつも見どころスポットがあるんだけど、その1つが本堂背後の庭内にある「冥土通いの井戸」だよ。

朝廷の役人で歌人でもあった小野篁がこの井戸を使ってあの世(冥界)とこの世(現世)を自在に行き来していたという伝説が残っているの。

母親の霊に会いたい一心で井戸から冥界へ向かった小野篁は、餓鬼道で苦しんでいる母親を発見して、閻魔大王に直談判して母親を救い出したそう。
これをきっかけに小野篁は閻魔大王から「精霊迎えの法」を授かり、昼は朝廷の役人、夜は冥界の閻魔庁で閻魔大王の補佐を務めていたと言われているんだ。
精霊迎えの法とは、先祖をふたたび現世に迎えるための法術だよ。

 

 

六道珍皇寺 from google

 

ちなみに小野篁が冥界で行っていた仕事は、罪人の罪をどこまで軽くできるか弁護士的な役割を担っていたそうで、人々が怨霊にならないように手助けをしていたんだって。
六道珍皇寺本堂にある「珍皇寺参詣曼陀羅図」という桃山時代の作品には、閻魔大王と小野篁が描かれていて、この時代には冥途通いの伝説があったことが分かるよ。

 

この「冥土通いの井戸」は深さ10m以上ある深い井戸で1200年前にはすでにあったとされているの。
冥途通いの痕跡として、井戸に入る前に小野篁が立った場所に履物の跡がくっきりと残っているんだ。
雨が降ると、その履物の跡の部分に水たまりができるほど、石がくぼんでいるんだよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
閻魔大王の補佐、すごいですね!

六道珍皇寺 from google

 

【もう1つの井戸「黄泉がえり之井戸」とは?】

 

実は六道珍皇寺には「冥土通いの井戸」だけでなくもう1つ井戸があるんだ。

それが「黄泉がえり之井戸」だよ。

この「黄泉がえり之井戸」は、小野篁があの世(冥界)からこの世(現世)に戻ってくる時に使ったとされる冥途の出口にあたるんだ。

「黄泉がえり之井戸」は六道珍皇寺に隣接する旧境内にあって、至近距離から拝観をすることができるよ!

ちなみに「冥土通いの井戸」と「黄泉がえり之井戸」、重要文化財の本尊「薬師如来坐像」は寺宝展など特別拝観限定の公開となって、普段は自由に参拝することはできないから注意してね。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
特別拝観の時に見いに行ってみましょ〜!

 

【六道珍皇寺でお盆に行われる「六道まいり」】

 

六道珍皇寺では毎年8月7日~10日の4日間「六道まいり」が行われるよ。
この「六道まいり」はお盆で冥土から帰ってくる精霊を迎えるための行事で「お精霊さん迎え」とも言うの。

六道まいりでは6つの冥界を輪廻する先祖の霊を十万億土響き渡る梵鐘の「迎え鐘」で現世へ向かい入れて供養する行事だよ。
この六道まいりの期間だけは、小野篁や閻魔大王像が開帳されるんだ。

 

<六道まいりのお参り方法>

六道まいりでは、お参りする方法や順番が決まっているの。
お参り方法をまとめてみよう。

1、参道で高野槇を購入する
2、本堂前で水塔婆(みずとうば)に戒名を書いてもらう
3、迎え鐘を撞く
4、水塔婆を線香で浄める
5、高野槇の葉を使い、水塔婆へ水回向をして納める

 

<高野槇とは?>

高野槇は中国では霊木と呼ばれていて、昔は高野槇で棺や葬具を作っていたそう。

<水塔婆とは?>

水塔婆とは「経木塔婆」とも呼ばれていて、桧や杉などを素材とした塔婆のこと。
塔婆を立てることは仏教世界においては、故人の供養につながると言われているの。

水塔婆には戒名やお経の一節が記され、供養する際は川に流すよ。
また水を浸した水槽に浮かべて供養する「水回向」に使われることもあるんだ。

 

六道珍皇寺 from google

【六道珍皇寺に伝わる「幽霊子育飴の伝説」とは?】

 

六道珍皇寺には様々な伝説があるけれど、「幽霊子育飴の伝説」も有名。

昔、六道の辻には1件の飴屋さんがあったの。
ある夜、髪を長く垂らして肩を落とした女が飴を買いにきたんだ。
主人は茶碗に持った水飴を渡すと、その女は三文を置いて立ち去ったそう。

翌日、主人が銭箱を見ると、女からもらったはずの三文が3枚の木の葉に変わっていたんだ。
そしてその日の夜も、再び女が現れ水飴を買っていき、その後5、6日と続いたの。

主人はその女の後をつけていくと、女は京の都の墓場へと姿を消していったんだ。
主人はそのことを和尚に話すと、和尚は10日ほど前に若い女を葬ったと言ったの。

その若い女の墓を確かめに行くと、若い女の死骸の上で水飴をなめながら泣いている赤ん坊がいたんだ。
この女はその赤ん坊のために毎夜、水飴を買いに出かけていたの。
その後、飴屋は「幽霊飴」と呼ばれ、大繁盛したそう。

 

ちなみに「幽霊子育飴」は500年以上の歴史を持つ日本最古の飴屋である「みなとや幽霊子育飴本舗」でお土産として販売されているよ。
京都名物である幽霊子育飴は、麦芽糖とザラメ糖で作られていて、優しい甘さと滑らかな口当たりの飴なんだ。
ぜひお土産に買ってみよう!

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
狐に化かされたと思っちゃうエピソードですが、少しほっこりですね〜

 

【六道珍皇寺の見どころを徹底解説!】

 

六道珍皇寺には2つの井戸の他にもたくさんの見どころがあるよ。
ここでは六道珍皇寺を参拝したらぜひとも見ておきたいスポットをまとめてみよう。

今回ご紹介するのは、自由に参拝できるスポットだよ。
冥土通いの井戸、黄泉がえり之井戸、薬師堂の薬師如来坐像は特別拝観限定の公開になるから時期をチェックしておこう!

 

六道珍皇寺 from google

 

<迎え鐘(鐘楼)>

六道珍皇寺にある鐘楼は「迎え鐘」と呼ばれていて、古くからその鐘の音は十万億土の冥土まで響き渡ると言われているの。
精霊たちはその鐘の響きに応じて、この世に呼び寄せられるんだって。
お盆におこなわれる「六道まいり」では、この迎え鐘を鳴らし、あの世からの霊を迎えるんだ。

 

ちなみに鐘は外からは見えず、お堂の穴から延びる綱を引っ張って鐘を鳴らすの。
鐘の下には冥界に通じる穴があって、そこからあの世への鐘の音が響くと言われているよ。
この迎え鐘は六道珍皇寺を開創した僧侶・慶俊が作らせた鐘で、古くからあるんだ。

 

六道珍皇寺 from google

 

 

<閻魔堂(篁堂)>

閻魔堂(篁堂)には、右手にしゃくを持った等身大の衣冠束帯姿の小野篁立像(江戸時代作)や、閻魔大王坐像、弘法大師(空海)坐像などが祀られているよ。

 

<大石地蔵菩薩>

大石地蔵菩薩には、六道の辻で弘法大師(空海)が死者の霊魂の弔いと冥界での往生を願って、一夜にして高さ2m30㎝の石仏を刻まれたという伝えが残っているよ。

 

<本堂>

本堂内部にある石庭、冥土通いの井戸に関しては特別公開時にのみ拝観が可能。
ただ、冥土通いの井戸は特別拝観以外の時期でも本堂右端の格子窓から遠目で見ることができるよ。

 

 

【六道珍皇寺の住所とアクセス】

 

住所

〒605-0811 京都府京都市東山区小松町595

アクセス

市バス206番 東山通 北大路バスターミナル行
→ 清水道下車 徒歩5分

市バス80番 祇園行
→ 清水道下車 徒歩5分

市バス207番 東福寺九条車庫行
→ 清水道下車 徒歩5分

市バス207番 東福寺九条車庫行
→ 清水道下車 徒歩5分

など。

公式サイトより引用