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一面に広がる苔の庭園は圧巻!京都の苔寺「西芳寺」の参拝には事前予約が必須!

黄金池と長島(手前)、朝日ヶ島(奥) from wikipedia

通称「苔寺」として親しまれている京都の西芳寺。

世界遺産「古都京都の文化財」を構成する資産の1つで、120種類以上の苔に覆われた庭園は絶景なんだ。
今回は苔寺・西芳寺の魅力に迫ってみよう。

 

【西芳寺とは?】

 

京都の西部・松尾山の麓に位置する西芳寺は正式名称を「洪隠山 西芳寺」といい、世界文化遺産「古都京都の文化財」にも構成される臨済宗の禅寺なんだ。

古くは飛鳥時代に聖徳太子がこの地に別荘をかまえたとも言われる京都屈指の歴史スポットなの。

 

創建は奈良時代の天平年間(729~749年)と古く、由緒ある古寺なんだ。
聖武天皇の勅願で行基が開いた「幾内四十九院」の1つでもあるよ。

 

【西芳寺の名前の由来とは?】

 

西芳寺は行基が寺を開いたとされる当時の名前は「西方寺」だったの。

西方寺の「西方」とは西の方角を表していて、「西に浄土がある」という浄土宗の思想が色濃く反映されているんだ。
その後改名した「西芳寺」の「西芳」とは、「祖師西来」と「五葉聯芳」という禅宗の開祖・達磨(だるま)にまつわる故事に由来するの。

「西方寺」「西芳寺」それぞれの名前に、その時代の宗派が影響していて、西芳寺が形を変えながら長い歴史を歩んできたことがよく分かるね。

 

庭園(国の史跡・特別名勝) from wikipedia

 

【一面に広がる苔が美しい庭園】

 

西芳寺の見どころと言えば約30,000㎡(野球のグラウンド3つ分)の広さがある庭園。
この庭園を苔が緑の絨毯のように覆いつくす景観は実に見事なんだ。

西芳寺に生える苔の種類は120種類ほどにもなると言われているよ。

 

紅葉の時期には苔の緑と、紅葉の赤が混ざり合って絶景となるんだ。
apple社を創業したスティーブ・ジョブス氏もこの西芳寺にお忍びでたびたび訪れていたそう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
スティーブ・ジョブス氏も訪れていたのですね〜

 

【西芳寺の庭園の歴史とは?】

 

苔寺の庭園は禅宗庭園の様式で上下に分かれていて、枯山水と池を囲む回遊式庭園から成っているんだ。

現在まで残る庭園の原型を作庭・整備したのは南北朝時代に松尾大社の宮司・藤原親秀に請われ西芳寺の中興開山となった夢窓疎石だよ。
作庭の名手であった夢窓疎石が日本最古と言われる枯山水の石組や地割などを手掛け、自然と建築が調和した庭園となっているの。

 

その当時の庭園には楼閣「瑠璃殿」が建ち、将軍・足利義満や足利義政も訪れたそう。
眺望を楽しむというスタイルが評判を呼んで、後の「金閣寺庭園」や「銀閣寺庭園」にも、西芳寺の庭園が影響を与えたと言われているんだ。

 

明るく華やかな庭園だった西芳寺の庭園だけど、応仁の乱の兵火によって瑠璃殿などの当時の建造物は全て失われてしまったんだ。
「苔寺」と呼ばれるような苔むした姿になったのは江戸時代後期からなので、わずか200年ほどの期間なの。
度重なる戦や大雨によって美しい庭が荒れることで、次第に苔が生えはじめ、いつしか庭園全体を苔が覆うようになっていったんだ。

 

現在池のほとりに建つ茶室「湘南亭」(国指定重要文化財)は、桃山時代に千利休の次男・千少庵により建立されたもの。
黄金池を見下ろすような開放的な月見台が特徴的なんだ。
この湘南亭には、幕末時代に岩倉具視が幽居したことでも知られているよ。

 

 

【苔寺の庭園を作庭した夢窓疎石とは?】

 

夢窓疎石は、後世の禅文化に大きな影響を与えた僧の1人。
後醍醐天皇に才覚を見出された夢窓疎石は、室町幕府初代将軍の足利尊氏・直義兄弟からも崇敬されていたんだ。
足利氏は末代に至るまで、夢窓疎石の門徒に帰依することを約束し、これによって室町時代を通じて夢窓派が隆盛することとなったの。

 

夢窓疎石は禅僧としての業績だけではなく、禅庭・枯山水の作庭家としても優れていたの。
夢窓疎石が作庭した天龍寺庭園と西芳寺庭園は、世界文化遺産に登録されているよ。

 

また後醍醐天皇の鎮魂のために建立された天龍寺造営の際には、天龍寺船を派遣してその利益で造営費用を捻出。
商売人としての才覚も発揮したんだ。
さらに夢窓疎石は五山文学の有力漢詩人でもあり、勅撰和歌集に11首が入集するなど文学史上でも有名なの。

 

洪隠山石組 from wikipedia

 

【西芳寺は参拝するのに事前予約が必須!】

 

西芳寺では参拝する前に事前予約が必要となるの!
ふらっと訪ねても参拝できないから注意しよう。

 

参拝するには
・往復はがきによる事前予約
・参拝冥加料 1名3,000円(中学生以上)
が必要だよ。

 

西芳寺の参拝内容は写経と庭園見学なんだ。
1回の参加人数は70~80人程度で、予約制となっているから週末でも混雑することなく、写経体験と庭園をゆっくりと堪能できるよ。
拝観所要時間は60~90分程度となっているの。

 

事前予約は参拝希望日の2ヶ月前から受付していて、遅くても1週間前には必着しなければいけないんだ。
苔が美しい梅雨時期や紅葉時期には、参拝も申込が殺到するため、早めに申し込むことをおすすめするよ。
複数の希望日を記入しておくと安心だね。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
予約をしないで行ってもダメだからね!しっかりチェックしていきましょう〜!

 

【西芳寺の見どころを徹底解説!】

 

西芳寺と言えば一面の苔が広がる庭園が有名だけど、他にも見どころはたくさんあるんだ。
ここでは西芳寺の見どころを解説していくね。

 

黄金池と長島(手前)、朝日ヶ島(奥) from wikipedia

 

<庭園>

西芳寺の庭園は上段と下段に分かれていて、自然の地形を生かした立体的な造りとなっているの。
上段は枯山水の石組み、下段は黄金池があり、他の庭園とは一線を画す独特な構成が特徴。

 

上段の枯山水がある庭園は元々法然が開いた厭離穢土寺と呼ばれる浄土宗のお寺のもの。
そこに夢窓疎石が日本最古といわれる枯山水の石組を造り上げたんだ。

 

さらにその中に禅宗の精神性が反映され、新時代的な庭園が築かれていったの。
枯山水庭園には三段の枯滝石組みがあって、一段目にある「鯉魚石(りぎょせき)」と三段目の滝の石組みで、鯉が滝を登って龍となる龍門瀑(りゅもんばく)が表現されているんだ。

 

下段の黄金池がある庭園は西方寺のもので、池泉回遊式庭園。
庭園の中心となっている黄金池は心字池とも呼ばれ、「心」という漢字をかたどった池になっているんだ。

また数個の石が一列に並ぶ「夜泊石」は、海に停泊した宝船が表現されているそう。
池にかかる橋にまで苔に覆われた姿は、息を呑むほどの美しさだよ。

 

<本殿(西来堂)>

西芳寺の本殿は「西来堂」と呼ばれていて、比較的新しいもの。

昭和44年(1969年)に京都大学名誉教授の村田治郎氏によって設計・再建されたんだ。

金色の豪華な装飾で、本堂内部の袴絵には堂本印象画伯による抽象画が描かれているよ。
参拝する際には、この本殿で写経が行われるんだ。

 

湘南亭 from wikipedia

 

<湘南亭>

千利休の次男・千少庵によって建てられた湘南亭は国の重要文化財指定の茶室。

千利休が豊臣秀吉に切腹を命じられた時、一時的にこの湘南亭を隠れ家として利用していたと言われているの。
また明治維新の際には、岩倉具視が幕府の難から逃れるために、この湘南亭に隠れることもあったんだ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
千利休も岩倉具視も逃げ隠れる場所にしていたんですね

<指東庵>

開山堂である指東庵の中には、西芳寺の祖師方である行基菩薩、眞如法親王、夢窓國師の御位牌と藤原親秀夫妻、夢窓國師の木像をお祀りしているよ。
現在は非公開となっているんだ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
見事な苔の庭園!絶景のひとことにつきますね♪

 

【西芳寺の住所とアクセス】

 

住所

京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56

 

アクセス

京都駅から

  • 京都バス(73系統)で約60分「苔寺・すず虫寺」下車、徒歩3分
  • タクシーで約20分(2,500〜3,000円程度)

嵐山方面から

  • 京都バス(63または73系統)約15分「苔寺・すず虫寺」下車、徒歩3分
  • タクシーで約10分(1,200円程度)

大阪方面から

  • 阪急電鉄京都線で約35分「桂駅」下車、タクシーで約12分(1,200円程度)

 

公式サイトより引用