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重要文化財の三門や、狩野探幽筆の襖絵「水呑の虎」など見どころがたくさんあるんだ。
今回は南禅寺の魅力に迫ってみよう!
目次
【南禅寺は京都五山のさらに上!最も格式の高い禅宗の寺院】
京都五山といえば、天竜寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺のことを言うよね。
南禅寺はこの京都五山よりもさらに格上で、別格扱いを受けている禅寺なの。
日本最初の勅願禅寺でもあり、京都五山や鎌倉五山の上に置かれる「五山之上」と呼ばれているよ。
南禅寺には当時最も傑出した禅僧が歴代住持として住山し、五山文学の中心地になるなど禅界最高の格式を持っているんだ。
【南禅寺の歴史】
南禅寺は、1291年に亀山法皇が無関普門禅師を開山に迎えて開創した臨済宗南禅寺派の総本山にあたるよ。
今からおよそ800年前の1284年、南禅寺は「禅林寺殿」と呼ばれていて、まだお寺ではなく離宮という扱いだったの。
その頃、仏門に入り上皇から法皇となられた亀山法皇は、その禅林寺殿で夜な夜な現れる妖怪に困っていたそう。
そこへ無関普門禅師が弟子たちと共に禅林寺殿に入り、静かに座禅をすると妖怪たちはぱったりと現れなくなったんだ。
そのような経緯から亀山法皇は、無関普門禅師を開山に迎えて南禅寺ができたよ。
その当時は「龍安山禅林禅寺」と呼ばれていたそう。
1334年には後醍醐天皇が、禅寺の五山制度を整え、南禅寺を五山の筆頭にするんだ。
しかし、その数十年後に室町幕府将軍・足利義満は自らが建立した相国寺を五山の第一に位列しようと思い、南禅寺を五山のさらに上の「別格扱い」に変えたの。
これによって、南禅寺は京都五山のさらに上、別格扱いを受けるようになったんだ。
その後、火災や応仁の乱など3回の火災で、伽藍は焼失。
江戸時代になると徳川家康の側近であり「黒衣の宰相」の異名をとった以心崇伝によって、復興が進むよ。
現在のものは江戸時代初期以降に再建されたものになるの。
広い境内には一直線に勅使門、三門、法堂、方丈の伽藍が建っていて、その周辺には12の塔頭が並ぶんだ。
明治維新以降は、琵琶湖疏水が寺院の中を通ることに、当初は多くの反対もあったそう。
しかし「京都のためになるなら」ということから、寺院の中を水路閣が通ることになったという経緯があるんだ。
【南禅寺の見どころスポットを徹底解説!】
南禅寺には石川五右衛門の名セリフ「絶景かな、絶景かな」で有名な三門など、とにかく見どころがたくさんあるの。
写真映えするスポットも多いんだ。
今回は南禅寺のおすすめスポットを余すことなく、紹介していくね。
<勅使門>
重要文化財に指定されている勅使門は、天皇の使者を迎える門。
1641年に京都御所の日ノ御門を移築したものなんだ。
<中門>
参拝者は中門より出入りするよ。
1601年に伏見城松井邸から寄進されたものなんだ。
<三門>
境内に入ってすぐに見えてくる三門は国の重要文化財指定で、南禅寺のシンボル的存在。
歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」と名台詞を放つシーンは、この三門が舞台になっているんだよ。
この三門は別名「天下竜門」と呼ばれていて、日本三大門の1つでもあるんだ。
三門がこの地に建立されたのは永仁3年(1295年)のこと。
西園寺実兼の寄進によるものだったけれど、文安4年の火災で焼失してしまうの。
現在の三門は寛永5年(1628年)に藤堂高虎が大坂夏の陣で亡くなった家来を弔うために再建したものなんだ。
真下から三門を見上げるとものすごい迫力があって、その荘厳さに圧倒されること間違いなし。
曲線美を描く赤レンガのアーチは、南禅寺の和風建築にマッチし、独特な雰囲気のある美しさを醸し出しているんだ。
拝観料(一般500円)を払えば楼上に上がることができ、高さ22mの五鳳楼から南禅寺境内を一望できるよ。
また春には桜、秋には紅葉も楽しむことができるんだ。
<水路閣>
インスタ映えするスポットとして若者に絶大な人気を誇っているのが「水路閣」だよ。
南禅寺隋一のフォトスポットである水路閣は、赤レンガ造りのアーチ形をした水道橋のこと。
レトロな雰囲気が自然とマッチして、とっても美しいんだ。
水路閣はドラマのロケ地としても頻繁に使用されているから、一度は見たことがあるという人も多いはず。
またこの水路閣は、琵琶湖から京都へ水を運ぶ疏水として今も活躍しているの。
完成直後から生活用水としてはもちろん、水力発電にも使われるようになって京都の産業発展に大きく貢献したんだ。
<法堂>
三門からまっすぐ進むと正面に見えてくるのが法堂だよ。
お線香の煙が出ているから、頭に当てている人もいるの。
法堂では公式行事や法要が行われていて、南禅寺の中心的な建物なんだ。
創建当時から何度も焼失と再建を繰り返していて、1606年に豊臣秀頼が大改築。
現在のものは1909年に再建されたものだよ。
<金地院>
金地院は南禅寺の塔頭寺院。
元々は北山にあったものが、江戸幕府が開かれた際に、徳川家康の側近・以心崇伝によって現在の地に移されたんだ。
・明智門
金地院の受付で拝観料を納めて順路を進むと「明智門」と呼ばれる大きな門があるの。
この明智門は、明智光秀が母の菩提を弔うために、黄金1,000枚を寄進して建てられたものなんだ。
元々は大徳寺方丈にあったのが、1887年にこちらに移築されたそう。
・東照宮
金地院は徳川家ゆかりのお寺なので、徳川家康を祀る東照宮があるんだ。
徳川家康の遺言によって建てられ、徳川家康の遺髪と念持仏を祀っているそう。
<方丈>
方丈とは、禅宗寺院において住所が住まう場所のこと。
南禅寺の方丈は、大方丈と小方丈で構成されていて、国宝にも指定されているんだ。
・大方丈
大方丈は天正年間に内裏清涼殿を移建したものという説と、清涼殿でなく女院御所の対面御殿を移築したものという説が有力視されているよ。
1621年に御所の建物の下賜を受けて再建されたんだ。
中央南にある「御昼の間」は広縁の欄間彫刻、天井、板扉の形式とともに近世宮室建築の姿を伝える遺構なの。
また、大方丈の内部では開放感のある造りが引き継がれていているよ。
・小方丈
小方丈は寛永年間に建てられたもので、伏見城の小書院を移行したもの。
小方丈の中には桃山時代の狩野探幽筆の障壁画が描かれているよ(重要文化財)
けれど経年劣化が激しく、現在は一部デジタル撮影によって復元した壁画が展示されているんだ。
狩野探幽筆の「群虎図」は40面もある大迫力。
袴絵は狩野探幽の傑作と言われているよ。
<天授庵>
天授庵は南禅寺の開山第一世・無関善門禅師をお祀りしている南禅寺の開山塔。
山内で最も由緒のある寺院なんだ。
南禅寺第15世・虎関師錬は、南禅寺山内に開山の塔所がないことを遺憾に思って、関普門をお祀りするための塔所として「天授庵」を開いたの。
1447年の大火で一度焼失したものの、細川幽斎によって再興。
現在、天授庵にある本堂は、幽斎が再建した中の1つなんだ。
この天授庵には枯山水庭園・池泉回遊式庭園の2種類の庭園があるの。
<南禅院>
赤レンガのアーチを潜って階段を登ると南禅院があるの。
南禅院は南禅寺の別院で、南禅寺発祥の地としても知られているよ。
正応2年(1289年)に亀山天皇が出家した際に、寄進した離宮の遺跡がこの南禅院なんだ。
屋根は入母屋造杮葺きで、内陣中央には亀山法皇御木像が安置されているの。
南禅院は南禅寺の他の建物よりもひっそりとした静寂が漂っているのが特徴なんだ。
南禅院の中から自然を眺めて、瞑想するように頭を空っぽにするとリラックスできると言われているよ。
【南禅寺には趣のある庭園がたくさんある!】
南禅寺の境内には趣のある庭園がたくさんあるんだ。
今回は南禅寺にある美しい庭園をご紹介するね。
<南禅院の庭園>
南禅院の庭園は離宮当時のおもかげを残していて、鎌倉時代の代表的様式である「池泉回遊式」の庭園だよ。
池を中心にしてぐるりと回遊するように設計されていて、こぢんまりとした南禅院の周辺は深い木々に囲まれているんだ。
作庭は夢窓国師といわれ、古くから天龍寺庭園、苔寺庭園と共に京都の三名勝史蹟庭園の1つに指定されているの。
上池は「曹源池」と呼ばれ、竜の形に作られていて、中央には蓬莱島があるよ。
下池には心字島が設けられているんだ。
<方丈庭園>
方丈庭園は小堀遠州作で、江戸時代初期の代表的な枯山水庭園だよ。
南部から西部にかけて5本の定規線を配した薄青色の筋塀をめぐらしていて、東西に細長い地形に作庭されているのが特徴。
石組はこの筋塀に添って配置されていて、大きな石組を方丈側から見て左奥に配しているの。
前方と右手には、白砂の広い空間を残しているよ。
<六道庭>
六道庭は六道輪廻の戒めの庭。
この六道輪廻というのは、天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の6つの世界を我々は生まれ変わり続けるという仏教の世界観のことを意味するよ。
一面の杉苔の中に配石された景石がとっても美しいの。
<天授庵の庭園>
天授庵には、枯山水庭園と池泉回遊式庭園の2種類の庭園があるよ。
それぞれ違った趣、美しさを楽しむことができるんだ。
枯山水庭園では縁に登ることができ、縁に腰を下ろして休みながら、手入れされた庭園を眺められるよ。
<金地院の庭園「鶴亀の庭」>
金地院の庭園「鶴亀の庭」は国指定特別名勝の庭園。
大きな石と白砂が合わさり、美しい景観を作り出しているよ。
建物の中から見ると、額縁で縁取られた美しい絵画のように見えるの。
【桜や秋の紅葉季節は絶景が楽しめる!】
南禅寺は桜、紅葉の名所としても有名なんだ。
桜は3月下旬~4月中旬頃がベストシーズンで、枝垂れ桜やソメイヨシノなど様々な種類の桜が咲き誇るよ。
三門の楼上に登れば、境内の桜景色を一望できるよ。
開花時期が異なるので長く桜を楽しめるのも嬉しいね。
また紅葉は11月下旬~12月上旬が見頃。
水路閣の紅葉は赤いレンガとの調和が実に見事なんだ。
紅葉シーズンの水路閣はフォトスポットの名所としてひときわ人気だよ。
また南禅寺では紅葉シーズンに合わせてライトアップも行われるの。
200本を超えるカエデが夜の南禅寺を鮮やかに彩ってくれるよ。
【南禅寺の名物料理は湯豆腐!】
南禅寺の名物料理と言えば「湯豆腐」が有名だよ。
南禅寺の湯豆腐は、江戸時代の京都の案内書「花洛名勝図会」にも掲載されているほど歴史が古いの。
周辺にたくさんの豆腐屋さんが軒を連ねているんだ。
言い伝えによると、湯豆腐は南禅寺界隈で精進料理として作られたのが始まりだそう。
当時の湯豆腐は、今のようなものではなくおでんに似た料理だったと伝わっているよ。
肉や魚などを食べられない僧侶にとっては、豆腐は貴重なタンパク源だったんだ。
【南禅寺の住所とアクセス】
住所
京都府京都市左京区南禅寺福地町
アクセス
地下鉄東西線、蹴上駅下車、徒歩約10分
など