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万寿寺は京都五山第5位なのに、非公開で境内を見ることができない?!

鐘楼 from wikipedia

京都市東山区にある万寿寺は、天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺とともに京都五山の1つとして栄えたお寺なんだ。

けれど現在は非公開のために拝観することはできないよ。
今回は京都五山の中で唯一非公開となっている「万寿寺」の魅力についてまとめてみよう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
非公開だと、とても謎めいたお寺な感じがするね!!

万寿寺 from wikipedia

 

【万寿寺とは?】

 

万寿寺は、京都市東山区にある臨済宗東福寺派の寺院で、東福寺の塔頭なんだ。
天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺とともに京都五山の1つとして栄え、五山第5位に列した格式の高い禅寺なの。

 

万寿寺の起源は平安時代後期。
第72代白河上皇が皇女の郁芳門院の菩提を弔うために、六条の里内裏を「六条御堂」に改めたのが起源とされているの。

 

元々、万寿寺は浄土宗の寺院であったそう。
正嘉年間(1257〜59年)に十地覚空・東山湛照(宝覚禅師)が、円爾弁円(聖一国師)の門下に入ったことで禅宗となって、寺名も「万寿禅寺」へと改称されたんだ。
弘長元年(1261年)には開堂の儀が行われたよ。

 

万寿寺は朝廷からの帰依を受けて、至徳3年(1386年)に足利義満が定めた「京都五山」では、第5位に列したの。
しかし永享6年(1434年)に火災で焼失すると衰微してしまい、安土桃山時代の天正年間(1573~92年)には現在の場所(東福寺の北側)へと移転。

 

元々、この地にあった「三聖寺」と合併することで復興を遂げたの。
そのため、明治時代までは「三聖・万寿」の寺名を併用していたそう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
それでも第五位なんですよ!!

 

【万寿寺は京都五山でありながら現在は東福寺の塔頭】

 

京都五山とは、京都にある臨済宗の五大寺のこと。
臨済宗の寺院の中でも、特に格式の高いお寺に第1位から第5位の位が列せられたんだ。

万寿寺は京都五山の第5位に列せられるほどの、高い格式を持つお寺だったにも関わらず現在は東福寺の塔頭なの。

 

塔頭とは、禅宗の開基、高僧、開山などの墳墓を守り、祀るために中心伽藍(寺院の中心的な建物)周辺に設けられた小寺院のことなの。
その当時と比べてかなり格が落ちてしまっていることがよく分かるね。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
ん〜!〜〜!!

 

【万寿寺の移転前の場所には今もなお「万寿寺町」という地名が残っている?!】

 

万寿寺が移転前にあった場所の近くには「万寿寺町」という地名があるそう。
この地名は今でも残っていて、五条通の少し上には「万寿寺通り」という通りもあるんだよ。

 

 

【非公開だけど御朱印はいただける?】

 

万寿寺は非公開のため拝観はできないものの、御朱印を頂くことはできるの。
御朱印の日付は基本的に和暦が一般的なんだけど、万寿寺の御朱印は西暦で記入されているよ。

ちなみに御朱印は万寿寺境内にある庫裏の中で頂けるんだ。(300円・通常1種類)

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
御朱印はもらえるんですね!!

 

【万寿寺の建造物】

 

江戸時代の『再撰花洛名勝図絵』(1864年)には、万寿寺の境内図が描かれているの。
そこには、南に仁王門、その北に二天門、その北に失われた仏殿、さらに北に客殿(方丈)が一直線上に建てられていたそう。

鐘楼は仏殿の北東に位置し、その北に庫裏らしき建物があるんだ。
また、万寿寺北東に三聖寺が描かれているよ。

 

現在、万寿寺は非公開のため、建造物を見ることはできないんだ。
ここでは万寿寺の有名な建造物をまとめてみるね。

 

<客殿>

万寿寺の客殿は京都府指定文化財に指定されているよ。

 

<鐘楼>

境内入口にある万寿寺の鐘楼は重要文化財に指定されているんだ。
室町時代の建築で、上層に鐘を吊るし、下層は門を兼ねた造りになっているよ。
江戸時代以来、その位置は変わっていないんだ。

 

元々は三聖寺の建物で、現在は東福寺所有。
重要文化財としての指定名称は「東福寺鐘楼」となっているよ。

 

<表門>

表門は安土桃山時代から江戸時代(1596-1615年)に建立されたよ。
三聖寺、その後、万寿寺境内南にあったものなの。

 

1935年に境内が分断され、取り残される形で、現在は九条通を隔てた南に仁王門(重要文化財)として残されているんだ。
また表門にはかつて仁王像が安置されていたそう。
八脚門、切妻造で本瓦葺となっているよ。

 

<愛染堂>

重要文化財に指定されている愛染堂は、三聖寺の遺構とされているよ。
元々塔頭・三聖寺にあったもので、その後万寿寺境内の仏殿の西端に建てられたの。

 

近代になり、1934年の台風で倒壊。
1937年に東福寺境内に移され、現存しているよ。
八角円堂で、愛染明王を祀っているの。

 

 

【多数の文化財を有する万寿寺】

 

万寿寺には、木造金剛二力士立像、絹本著色「聖一国師像」、絹本墨画「淡彩釈迦三尊図」、絹本著色「八相涅槃図」など多数の文化財を所有しているよ。

しかし境内と同じく、文化財に関してもほぼ全て非公開になっているため、見ることはできないんだ。
ただ、絹本墨画淡彩釈迦三尊図などについては京都国立博物館に寄託しているので、企画展で展示される可能性もあるそう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
ほぼほぼ非公開なのは残念ですね〜

 

 

【東福寺の釈迦三尊像は万寿寺にあったものなの?】

 

東福寺の仏殿に安置されている釈迦三尊像は明治14年(1881年)に仏殿が焼失した際に、万寿寺から移された像なの。
元々は、三聖寺に安置されていたそう。

 

【万寿寺の住所とアクセス】

 

住所

京都府京都市東山区本町15丁目786

 

アクセス

東福寺より徒歩約3分