夏目漱石の小説にも登場!鎌倉・円覚寺には関東最大の鐘がある!!
2022年1月6日鎌倉五山・第四位の浄智寺にはおなかを撫でると元気がもらえる布袋尊がいる
2022年1月16日
神奈川県鎌倉市にはたくさんのお寺があるけれどその中でも鎌倉五山第三位に格付けされているのが「寿福寺」だよ。
ここでは寿福寺についてまとめてみよう。
目次
【鎌倉のお寺は格付けランキングされているの?】
鎌倉にはあじさい寺として全国的に知られている明月院や、鎌倉大仏を御本尊としている高徳院など有名なお寺がたくさんあるんだ。
その数はなんと120もあるんだよ。
実は、鎌倉にあるお寺には、鎌倉幕府の制度であった格付けがあるんだ。
格付けにはトップ5があってそれを「鎌倉五山」と呼ぶの。
鎌倉五山は以下の通りだよ。
・第1位:建長寺
・第2位:円覚寺
・第3位:寿福寺
・第4位:浄智寺
・第5位:浄妙寺
今回紹介する「寿福寺」は鎌倉五山の第3位に格付けされているんだ。
当時、鎌倉幕府としてはお寺の力を上手に利用したいという考えがあったそう。
そこで、幕府がうまくコントロールするために、お寺に序列をつけたんだ。
鎌倉五山をリーダーとして、他のお寺は鎌倉五山の下に置いて全体を管理するシステムだったの。
幕府は、格付けをしてお寺同士で競争する状況を作ることで幕府に歯向かってくることがなくなると考えたんだ。
頑張れば格付けランクがアップする昇進制度も設けていて、上手にお寺の勢力をコントロールしたの。
ちなみに「鎌倉五山」の他に、京都にも「京都五山」が存在するんだ。
京都五山は以下の通りだよ。
・第1位:天龍寺
・第2位:相国寺
・第3位:建仁寺
・第4位:東福寺
・第5位:万寿寺
【寿福寺とは?源一族ゆかりのお寺として有名!】
寿福寺は臨済宗建長寺派のお寺なの。
この地は、奥州征伐に向かう源頼義が勝利を祈願したといわれる源氏山を背にした源氏家父祖伝来の地として知られているよ。
また、源頼朝の父である源義朝の屋敷があった場所でもあるの。
建久10年(1199年)に源頼朝が亡くなると、妻である北条政子が弔いのために、正治2年(1200年)に明庵栄西を招いて建立したのがこの寿福寺だよ。
三代将軍・源実朝もしばしばこの寿福寺を訪れたそうで、十数カ所の塔頭がある大きなお寺として成長したよ。
創建当時は七堂伽藍の立派なお寺だったものの、お堂は火災により焼失。
現在残っているお堂は、江戸時代に再建されたものなんだ。
寿福寺の境内は国史跡にも指定されているんだ。
【寿福寺はお茶ゆかりのお寺?】
寿福寺はあまり知られていないんだけど、お茶ゆかりのお寺なんだよ。
鎌倉の地は禅宗が盛んな土地であったものの、禅宗はその当時、鎌倉以外の地域では受け入れられていなかったの。
その時代に「禅宗を世に広めることが、国家が栄えるには重要である」と世に説いたのが、明菴栄西なんだ。
明菴栄西は禅宗を世に広めようとするものの強い反発に遭ってしまうため、禅宗を受け入れていた鎌倉に逃げこんできたの。
鎌倉で明菴栄西を温かく迎え入れたのが、源頼朝の妻である北条政子だよ。
そこから明菴栄西は、寿福寺の住職として活躍したの。
実はこの明菴栄西は、お茶を日本に伝来させた人物なんだ。
元々中国で修業していた明菴栄西は、日本に帰ってくる際にお茶の種を持ち帰ったの。
そのお茶の種が日本各地に広まっていったと言われているよ。
明菴栄西はお茶の作り方や効能などを書いた書物も残していて、お茶文化を伝えてくれたんだ。
明菴栄西が書いた「喫茶養生記」は寿福寺の宝物になっているよ。
【寿福寺は公開されているエリアが少ない?】
実は寿福寺は難易度の高いお寺として知られているんだ。
実は、寿福寺は通常公開されているエリアがごくわずかしかないの。
山門から石畳の参道が中門まで続いていて、現在は中門の手前までが拝観できるエリアなんだ。
参道だけしか一般参拝できない寿福寺は難易度が高いね。
ただ寿福寺では特別公開している時期もあるので、特別公開しているタイミングを狙って参拝するのがおすすめだよ。
【寿福寺の墓地には有名人のお墓が数多くある?】
寿福寺の墓地には、源実朝、北条政子の墓と伝えられている五輪塔がある他、明治時代の外部大臣であった陸奥宗光や俳人・高浜虚子、作家の大佛次郎などの著名人のお墓がたくさんあるんだ。
寿福寺の境内エリアは一般公開されているのが中門までとなるのに対し、こちらの墓地は一般公開されているの。
【寿福寺の特別公開エリアって?】
寿福寺では毎年、お正月とゴールデンウォークに境内が特別公開されるんだ。
今回は特別公開されるエリアについてまとめてみよう。
<仏殿>
仏殿は江戸時代に創建されたもので、その中には御本尊である釈迦三尊像が安置されているよ。
仏殿の奥中央には高さ2.7mの釈迦如来坐像が安置されているの。
この釈迦如来坐像は鎌倉時代には珍しい脱活乾漆造という技法で作られた極めて貴重なものなんだ。
その釈迦如来像の両サイドには鶴岡八幡宮から移されたと言われる仁王像が祀られているよ。
他にも釈迦如来坐像と組みになっている木造の文殊菩薩像や普賢菩薩像などもあるんだ。
ちなみに、普賢菩薩像は鎌倉十三仏の1つに数えられているよ。
<ビャクシンの大樹>
仏殿の手前にはビャクシンの木が茂っているよ。
このビャクシンは鎌倉市の指定天然記念物なんだ。
【寿福寺で見ておきたいおすすめスポットとは?】
一般公開エリアが少ない寿福寺なんだけど、おすすめスポットをまとめておくね。
<総門>
門前の石柱には寺号の「壽福金剛禅寺」が刻まれていて、門には山号「亀谷山」の額が掲げられているよ。
<総門から仏殿までの参道>
総門から仏殿の見える山門までは参道が300mほど続いているよ。
この参道は「桂敷き」という技法で造られた石畳なの。
<北条政子と源実朝のやぐら>
墓地の山側にはやぐらが2つ並んでいるよ。
やぐらとは、仏堂、供養、埋葬の場として造られた石窟のこと。
2つのうち1つは北条政子のもの、もう1つは政子の実子である鎌倉幕府第3代将軍・源実朝のお墓だと言われているんだ。
やぐらの中には、それぞれの供養の五輪塔があるよ。
ちなみに源実朝のやぐらには、牡丹唐草の模様が見られるので「からくさやぐら」「絵かきやぐら」と呼ばれることもあるんだ。
【住所とアクセス】
住所
鎌倉市扇ガ谷1-17-7
アクセス
JR鎌倉駅西口から徒歩10分