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そんな吉野山のシンボルとして知られているのが「金峯山寺」だよ。
今回は金嶺山修験本宗の総本山でもある金峯山寺についてまとめてみよう!
目次
【金峯山寺は世界遺産の構成要素の1つ】
金峯山寺は世界遺産の構成要素の1つとして知られていて、日本全国からたくさんの参拝者が訪れるお寺なんだ。
金峯山寺蔵王堂は国宝にも指定されていて、吉野山にある吉水神社や吉野水分神社、金峯神社とともに、世界遺産に登録されている寺社仏閣だよ。
金峯山寺は吉野山のシンボルであり、修験道の根本道場でもあるの。
この金峯山というのは、吉野山から山上ヶ岳にかけての一帯の山々の総称のこと。
このあたりは古くから「金の御岳」「金峯山」と呼ばれ、世に広く知られた聖域とされてきたんだ。
金峯山寺の創立年代は不明。
白鳳時代に役行者が金峯山の山頂にあたる山上ヶ岳で、1000日間もの参籠修行をしたそう。
そこで、役行者は金剛蔵王大権現を感得され、金剛蔵王大権現を修験道の御本尊とされたんだ。
役行者は、そのお姿を山桜の木に刻み、山上ヶ岳の頂上と山下にある吉野山にお祀りしたことが、金峯山寺の始まりとされているの。
平安時代には聖宝理源大師が蔵王権現像を安置したと言われているよ。
それ以降、金峯山寺は中世において隆盛を極め、皇族・貴族から一般民衆に至るまで数多くの人々から崇敬をうけたんだ。
修験道の根本道場として栄えた金峯山寺は、現在でも修験本宗総本山として偉容を誇っているの。
全国の修験者や山伏が集う修験道の中心的な寺院なんだよ。
【修験道ってなに?】
金峯山寺は修験道の中心的寺院なんだけど、そもそも修験道ってなんなんだろう?
修験道とは、人間誰もが持っている自然に対する畏敬の念、つまり自然崇拝に外来の仏教や道教、陰陽道などが融合して成立した日本国独自の宗教なの。
修験道の「修」とは、苦修練行のことで、「験」とは験得の意味になるよ。
苦修練行することで、霊験を得て、衆生を済度する道なんだ。
この修験道の修行者のことを、修験者や山伏と呼び、修験者の開祖である「役行者」を仰いでいるんだ。
修験者たちは、苦修練行の場を山に求めて、吉野の山々に分け入り、修行をするよ。
そのため吉野にある金峯山寺は、修験道の根本道場とされているんだ。
【修験道の開祖「役行者」とは?】
修験道の開祖とされる役行者は、実在の人物なんだ。
寺伝によると、634年正月元旦、葛城上郡茅原の里に生まれ、幼少の頃から葛城山に入って修行をしていたそう。
全国の霊山を御開山になった後に、熊野から吉野大峯の山々に入って修行され、最後に大峯山山上ヶ岳で1000日の参籠修行をされたんだ。
その結果、金剛蔵王大権現を感得されて、その姿を山桜の木に刻み、それを祀ったそう。
【金峯山寺の御本尊とは?】
金峯山寺の御本尊である金剛蔵王大権現はおよそ1300年前に修験道の開祖である役行者によって感得された権現仏だよ。
権現とは、神仏が姿を変えてお出ましになった仮の姿という意味。
金剛蔵王大権現は役行者の祈りに応えて最初に現れた釈迦・観音・弥勒の三仏が柔和な姿を捨てて、形相荒々しい姿となってお出ましになったものなんだ。
金剛蔵王大権現はとても恐ろしい姿をしているんだけど、全身の青黒い色合いが、金剛蔵王大権現の慈悲と寛容を表しているそう。
慈愛に満ちた父母の怒りに似たお姿と言われているの。
【国宝もある!金峯山寺の境内を徹底解説♪】
金峯山寺の境内にはたくさんの見どころがあるよ。
今回は絶対に参拝しておきたい金峯山寺のおすすめスポットをまとめてみよう。
<本堂・蔵王堂(国宝)>
金峯山の高台にそびえたつ蔵王堂は金峯山寺の本堂で、国宝に指定されているよ。
東大寺大仏殿に次ぐ木造の大建築であり、四方が36m、高さ36mある蔵王堂は迫力のある大きさ。
大化の改新以降の白鳳文化が全盛の時期に創建されたと言い伝えられているよ。
その後、焼失と再建を繰り返していて、現在の建物は1592年(天正20年)頃のものなんだ。
正面5間、側面6間、建物の周りに藻腰を付けた入母屋造り、桧皮葺になっているよ。
堂内は内陣と礼堂からなり、松やチャンチンなど自然木を素材のまま使った柱68本が林立する様子はまさに豪壮。
内陣の2本の金箔張りの化粧柱や須弥壇は、豊臣秀吉が花見の際に寄進したものといわれているよ。
この本堂・蔵王堂には、蔵王権現像三体が祀られているんだ。
秘仏本尊蔵王権現は約7mもあって日本最大の秘仏として知られているの。
青い体躯に魔をはらうような怒りの形相が特徴なんだ。
この蔵王権現は、本来のお姿である釈迦如来、千手観音菩薩、弥勒菩薩の変化身であり、三尊はそれぞれ「過去」「現在」「未来」を守ってくれる仏様なんだよ。
この秘仏本尊蔵王権現像は、2021年10月22日~11月30日までの間、特別御開帳を行っていたの。
特別御開帳のチャンスがあれば、ぜひとも拝んでおきたいね。
<仁王門(国宝)>
本堂・蔵王堂の北側にある仁王門は、重層入母屋造で高さは20.3mもあるんだ。
国宝に指定されている、日本屈指の山門だよ。
本堂は南に向かって建てられているんだけど、この仁王門は北側に向かって建てられているよ。
また、仁王門の左右には、国の重要文化財にも指定されている金剛力士像が、仁王門を守っているんだ。
この金剛力士像は1339年(延元3年)に作られたもので、日本で2番目に大きさ(高さ約5m)を誇っているんだよ。
金剛力士像は重要文化財にも指定されているんだ。
<二天門跡>
二天門はかつて蔵王堂の南に建っていた門で、大峯から出峰してきた行者を迎える門だったそう。
1333年(元弘3年)1月16日に、鎌倉幕府が攻め寄せた時に村上義光が大塔宮護良親王の身代わりとなって二天門で切腹したという伝説があるんだ。
この二天門は、南北朝時代に焼失後は、再建されることはなかったの。
現在、二天門跡には、「二天門跡村上義光公忠死之所」と刻まれた石柱があるよ。
<観音堂>
観音堂は、南北朝・室町時代頃に創建されたと言われていて、本尊・十一面観音立像をお祀りしているよ。
本尊・十一面観音立像は南北朝時代の作で、脇には阿難・迦葉尊者立像が安置されているの。
<鐘楼>
蔵王堂の西脇に建っている鐘楼の創建は不詳。
1264年(文永元年)に落雷によって焼失した記録があることからそれより前にはあったことが分かっているよ。
江戸時代以来、この鐘楼は時刻や法要を告げる鐘として使用されているんだ。
現在、除夜の鐘としては、参拝者全員が撞くことができるの。
<役行者銅像>
修験道の開祖である役行者大銅像だよ。
昭和26年(1950年)に行場の入口に建設されたもの。
この役行者銅像の両脇には、夫婦の鬼が付き従っているんだ。
手に斧を持った鬼は「前鬼」、水亀を持った鬼は「後鬼」と言い、生駒山の暗がり峠で人の子をさらう悪い夫婦の鬼だったんだ。
しかし役行者がこの鬼夫婦の子供を隠しておびき出して、夫婦は回心したと言われているよ。
【様々な修行体験ができる金峯山寺】
修験道の根本道場である金峯山寺では、様々な修行体験ができるよ。
金峯山寺で行われている修行体験について簡単にまとめてみよう。
<大峯修行体験>
金峯山寺では5月~10月までの毎月1回、一般の方を対象に大峯修行体験を行っているよ。
修行の行程によっては男性のみの募集の場合もあるけれど、女性が参加できる修行もあるそう。
山上ヶ岳登拝(1泊2日)や吉野山巡拝(日帰り)、大天井ヶ岳登拝(1泊2日)など様々な修行があるので、何度参加しても飽きないよ。
<蓮華奉献入峰>
大和高田市にある役行者所縁の弁天池から採取した蓮の花を、吉野山の蔵王堂から大峯山上の本堂へ運んで、お供えする入峰修行だよ。
24kmの山道の途中各所にある祠などの拝所に蓮の花をお供えして、祈りながら登拝するの。
<大峯奥駈修行>
修験道最奥の修行とされているよ。
世界遺産に登録された大峯奥駈道で行われる修行なんだ。
この大峯奥駈修行に参加するには選考があるから、全員が参加できるというわけではないの
<三日ぼうず体験>
青少年育成を目的とした修行だよ。
幼児から高校生を対象とした研修になるの。
【住所とアクセス】
住所
奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
アクセス
近鉄吉野線吉野駅よりロープウェイ5分、吉野山駅より徒歩10分