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2021年11月20日
奈良県明日香村にある岡寺は西国三十三所観音霊場の第七番札所で、日本で初めての厄除け霊場としても有名なんだ。
今回は、日本最初の厄除け霊場である岡寺の魅力に迫ってみよう。
目次
【岡寺とは?】
岡寺は奈良県明日香村の東、岡山の中腹に位置するお寺だよ。
岡寺という名は地名に因る名前であって正式名称は、
・山号「東光山」
・院号「真珠院」
・法名「龍蓋寺(りゅうがいじ)」
と言うんだ。
古くから「岡にある寺」ということで「岡寺」と親しみを込めて呼ばれているの。
現在でも正式名称である「龍蓋寺」よりも「岡寺」と呼ばれることの方が多いんだよ。
この岡寺は真言宗豊山派に属していて、西国三十三所観音霊場の第七番札所なんだ。
岡寺の創建は寺伝によるとおよそ1300年前のこと。
天智天皇の勅願によって義淵僧正が建立されたよ。
現在は山の中腹に江戸時代の書院(重要文化財)や仁王門(重要文化財)、本堂が残っているの。
【西国三十三所観音霊場って?】
西国三十三所は近畿二府四県と岐阜県に点在する33カ所の観音信仰の霊場のこと。
これらの霊場を札所とした巡礼は、日本で最も歴史のある巡礼行で、現在もたくさんの参拝者が訪れているんだ。
平成30年(2018年)には創建1300年を迎えているの。
それを記念して奈良県内にある4つのお寺
・西国第八番札所・長谷寺
・西国第六番札所・南法華寺
・西国第七番札所・岡寺
・西国第九番札所・興福寺南円堂
では、西国観音巡礼の最盛期であったとも言われる江戸時代に押印されていた御宝印や揮毫されていた文字などを一部再現した『西国復刻御朱印』を授与しているそう。
2023年3月31日までの期間限定での授与になるみたいだから、気になる人はぜひ参拝しておきたいね。
ちなみに「三十三」とは、『妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五』(観音経)に説かれる観音菩薩が、人々を救うときに33の姿に変化するという信仰に由来しているそう。
その功徳に与るために三十三の霊場を巡拝することを意味していて、西国三十三所の観音菩薩を巡礼参拝すると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅して、極楽往生できるとされているの。
【日本で最初の厄除けの霊場】
岡寺は日本で最初の厄除け霊場であると言われているよ。
歴史物語として有名な鎌倉時代初期の作品『水鏡』の書き出しにも「つつしむべき年にて、すぎにしきさらぎのぎの初午の日、龍蓋寺へまうで侍り」と書かれているんだ。
これは、厄年(つつしむべき年)の時の二月(きさらぎ)の初午の日に岡寺へお参りするとよいうという意味。
当時すでに、岡寺での厄除け参りが定着していたことが分かるんだ。
岡寺の正式名は「龍蓋寺」なんだけど、この「龍蓋寺」という名は、飛鳥の地を荒らして農民を苦しめていた悪「龍」を、開祖・義淵僧正がその法力をもって池の中に封じ込め大きな石で蓋をし改心をさせたことからその名が付いたと伝わっているの。
つまり「龍に蓋をする」から「龍蓋寺」になったというわけ。
その後、悪龍は改心して善龍となり、今でも池に眠ると伝わっているよ。
悪龍の厄難を取り除いて、飛鳥の地を守った伝説が、岡寺の厄除け信仰の始まりのゆえんとされているんだ。
今でも毎年お正月から2月、3月の初午の日にかけては、たくさんの参拝者が厄除け参りに訪れているよ。
ちなみに、悪龍を封じ込めたとされるその池は現在も「龍蓋池」として境内に存在しているの。
また、蓋である大きな要石を触ると雨が降るという言い伝えも残っていて、昔には龍蓋池の前で雨乞いの法要も行われていたそう。
また悪龍の『厄難』を取り除き飛鳥を守った伝説は、現在まで脈々と続く岡寺の『やくよけ信仰』の始まりの所以の一つであるとも言われていますよ。
【岡寺の本尊・塑造 如意輪観音座像】
岡寺の本尊は本堂に安置されている巨大な如意輪観音坐像だよ。
この如意輪観音坐像は、重要文化財にも指定されていて、天平時代に作られたもの。
如意輪観音の最古の遺例として重要視されていて日本三大仏の1つなんだ。
塑像(土でできた仏像)としては日本最大の仏様でその高さは4.85mにもなるよ。
ちなみに日本三大仏とは、岡寺の塑像・御本尊の他に、銅像の東大寺・毘盧遮那仏(奈良の大仏)、木像の長谷寺・十一面観世音菩薩になるよ。
寺伝によると弘法大師が日本・中国・インド三国の土で造り、それまで本尊とされてきた金銅如意輪観世音菩薩・半跏思惟像を胎内に納め、本尊としたそう。
この金銅如意輪観世音菩薩 半跏思惟像も重要文化財に指定されているよ。
本尊は二臂(二本の手)で、右手は施無畏、左手は与願の印を結んで、結跏趺坐をする姿をしているよ。
しかし、台座内部の調査から、当初は左足を踏み下げて坐る半跏像であったと推測されているんだ。
このような姿の如意輪観音は少なく、とても貴重な仏様をしているよ。
<金銅 如意輪観世音菩薩 半跏思惟像>
本尊・塑造 如意輪観音座像は、弘法大師が御本尊・塑造 如意輪観音座像を造る際に、その胎内に納められたと伝わる銅造で31.2㎝の小さな尊像だよ。
その昔、春日仏師・稽首勲が災難にあった時に岡寺にやってきたんだ。
そして一搩手半の尊像を造り、一心に拝んだ所、その災難から逃れることができたの。
一搩手半とは仏像をはかる尺度のことで、現在の単位に直せば31.5cmなんだ。
金銅 如意輪観世音菩薩 半跏思惟像は31.2㎝だから、その差はわずか3㎜の誤差。
その時の尊像はこの金銅 如意輪観世音菩薩 半跏思惟像であると言い伝えられているよ。
【岡寺の境内を徹底解説!ここは絶対に訪れておきたいスポットとは?】
岡寺の境内をまとめてみよう。
参拝した時にはぜひとも訪れておきたいスポットを紹介するね。
<本堂(奈良県指定文化財)>
現在の本堂は全ての完成までに30年以上かかったとされているんだ。
4mを超える御本尊が安置されているお堂なので、境内の中でもひときわ目立つお堂だよ。
<仁王門(重要文化財)>
慶長17年(1612年)に建立されたもので、岡寺の古書院とともに明日香村において建造物で唯一、重要文化財に指定されているんだ。
正面両脇に仁王像を安置しているよ。
仁王門のほとんどの部材は古材を転用あるいは作り替えられたものなの。
四隅上にはそれぞれ、阿獅子・吽獅子・龍・虎があって珍しい形態となっているよ。
<古書院(重要文化財)>
普段は非公開となっている子書院は、仁王門と同じく明日香村で建造物として唯一重要文化財に指定されているんだ。
この書院は奈良県下では数少ない書院建築として重要視されているよ。
<楼門(奈良県指定文化財)>
書院の前方に建つ入母屋造の楼門だよ。
古くは、内部に鐘を吊った鐘楼門だったそう。
建立時代は慶長年間(1596~1615年)頃と推測されているよ。
独特の形式を持つ小型の鐘楼門なんだ。
<開山堂(納骨・回向堂)>
本堂の西側に軒を接して建っている妻入り三間堂。
阿弥陀三尊を安置しているよ。
多武峰妙楽寺(現・談山神社)より移築されたお堂で、元々は護摩堂であったと伝わっているの。
【岡寺に咲く色とりどりの花たち】
岡寺の境内には約3000株もの石楠花(しゃくなげ)が植えられているよ。
毎年4月中旬~5月、GWにかけて咲き誇り、鮮やかなピンク色が境内を彩ってくれるんだ。
仁王門周辺や本堂へと続く階段、本堂周辺などで見ることができるよ。
特に奥の院参道である「石楠花の道」は両脇の斜面一面に石楠花が植えられているの。
また岡寺には牡丹の花も数百株あって、春に見頃を迎えるよ。
GW期間限定で境内にある池に奉納された天竺牡丹(ダリア)を浮かべて、参拝者をお迎えするイベントもあるんだ。
華の池の他に、手水舎や鉢などにもダリアが浮かべられているから、とっても華やかだよ。
住所
奈良県高市郡明日香村岡806
アクセス
電車の場合
◎最寄り駅・・・近鉄 橿原神宮前駅
近鉄 橿原神宮前駅 東口より奈良交通バス「岡寺前」下車、徒歩5~10分。またはタクシー。
奈良交通(株)橿原神宮前駅 東口バス停
*最寄り駅について
近鉄 岡寺駅には、バス・タクシーなどがなく、徒歩ですと1時間弱かかってしまいますので『近鉄 橿原神宮前駅』または『近鉄 飛鳥駅』をご利用下さい。
車の場合
◎ 大阪方面から
近畿自動車道 ~ 阪和自動車道 美原JCT ~ 南阪奈道路-大和高田バイパス ~ 国道169号線 明日香村・吉野方面へ
(難波から約40~50分)
◎西名阪自動車道では
郡山インターを降りて国道24号線を南下、明日香村方面へ
(郡山インターから約40~50分)
天理インターを降りて国道169号線を南下、明日香村方面へ
(天理インターから約40~50分)