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2024年8月18日
アニメの聖地として有名なお寺は全国にたくさんあるけれど、今回ご紹介するのは岐阜県高山市にある「千光寺」だよ。
この千光寺は世界的にも大ヒットしている「呪術廻戦」の聖地なんだ。
実は千光寺は「呪術廻戦」に登場する両面宿儺(りょうめんすくな)が開山したお寺として知られているよ。
ここでは、千光寺の魅力に迫ってみよう!
目次
【千光寺とは?】
千光寺は岐阜県高山市にある高野山真言宗のお寺。
開山は4世紀に両面宿儺が、開基は真如法親王だよ。
今から1600面前に飛騨の豪族である両面宿儺が古代信仰の祈りの場所として開き、約1200年前に弘法大師の十大弟子の一人である真如法親王が仏教寺院として建立された古刹なんだ。
またこの間に、泰澄師が白山神を勧請したとも伝えられているよ。
千光寺は高野山真言宗に属する密教寺院であり、山岳仏教の修行の古風を今に伝えているの。
最近では「円空仏の寺」としても、知られているよ。
海抜約900mの袈裟山の中に本堂があり、境内には大慈門の近くに円空仏寺宝館があるの。
この円空仏寺宝館には64体の円空仏と寺宝の一部が展示されているんだ。
さらに境内中心地を囲むように、山中に整備された八十八カ所の遍路道には樹齢1200年を超える国指定天然記念物の五本杉や愛宕社鎮守堂など信仰場所が点在。
千光寺の山全体が信仰対象となっているよ。
山のエネルギーや空気、森林の生命力を感じられるパワースポットとしても注目されているの。
【千光寺は両面宿儺が開山したお寺】
「呪術廻戦」は呪いを祓う呪術師と呪霊との戦いを描いた芥見下々氏作の漫画作品で、アニメ化もされています。
「呪術廻戦」の中で登場する主人公の体に取り込まれる「両面宿儺」は「呪いの王」と呼ばれている特級呪物です。
この両面宿儺が開山したのが岐阜県高山市にある千光寺なのです。
作中では両面宿儺は1000年以上前に実在したと言われている仮想の鬼神と語られているんだけど、千光寺の境内には両面宿儺をお祀りするり両面宿儺堂があるんだ。
境内にある円空仏寺宝館を含めて4体の宿儺像がお祀りされているよ。
<両面宿儺とは?>
両面宿儺は日本書紀にも記されているの。
1つの胴体に2つの顔、手足が4本ずつあると描かれており、大和朝廷にくみしない「逆賊」として、難波根子武振熊に討伐されたそう。
飛騨・美濃に伝わる両面宿儺の伝説としては、山に住む毒竜を倒したり、悪鬼を退治したり、住民を率いて農耕を教えたりと救国の英雄として語り継がれているの。
また山野を開拓して祈りの場所をつくるなどしたそう。
このように両面宿儺は2つの評判があるんだ。
千光寺に伝わる「千光寺記」に記されている両面宿儺の評判は、古代の飛騨を治めて、龍や悪鬼を退治して、いくつもの寺院の創建に携わった英雄としての伝承が伝えられているの。
境内の開山・両面宿儺堂には石づくりの両面宿儺像がお祀りされていて、その他の3体の両面宿儺像を拝むことができるよ。
漫画「呪術廻戦」の中では人に災いをもたらす「呪霊」と戦う主人公・虎杖の悪役として登場するんだ。
虎杖に同化して現世での覇権を狙う「呪いの王」として作品の重要なキャラクターとなっているの。
<飛騨エリアには両面宿儺にまつわる聖地が多数ある?>
実は両面宿儺にまつわる聖地は千光寺だけではないんだ。
飛騨エリアには千光寺の他にも、両面宿儺が住んでいたとされるえ岩穴「両面窟」や、朝廷との対戦前夜に民に迷惑がかかるのを恐れて1人屋外に出て庭石のくぼみに飯を持って最後の晩餐をとったとされる「御前石」が残る善久寺、天皇の命をうけて鬼神・七儺(しちな)を調伏したとされる「位山」など、両面宿儺ゆかりの地が点在しているんだ。
「呪術廻戦」ヒットしてからは「呪術廻戦」ファンが聖地巡礼としてたくさん訪れているそう。
【千光寺の歴史とは?】
千光寺は1600年前の仁徳天皇時代に、乗鞍山麓に住んでいた両面宿儺が開山したと伝わっているの。
仏教の寺院としては、平安時代に嵯峨天皇の皇子で弘法大師の十大弟子の一人である真如法親王が開基。
それ以来、高野山の末寺となり、「飛騨の高野山」と呼ばれているんだ。
また鎮護国家を祈祷する道場でもあったため、朝廷の帰依を受けて寺運は隆昌を極めたの。
隆盛時には山上に19もの陰坊を持ち、飛騨国内に30か寺の末寺を構えていたそう。
しかし戦国時代に、甲斐の武田信玄が飛騨に攻め入った際に、全山が炎に包まれて焼失。
本尊は守られ、現在では秘仏となっているの。
本尊は7年に一度ご開帳法会が開かれるよ。
現在の堂宇は16世紀末に高山城主・金森長近公が再興、建立したもの。
江戸時代後期までには、飛騨一宮神社の別当職も兼ねて、天皇ご即位の際には、国家安穏玉体安穏、万民豊楽、諸人快楽を祈念して一位の笏木の献上もしていたんだ。
【千光寺では雲海も見れる?!】
千光寺には御獄山や乗鞍岳など山々を見えるスポットがたくさんあり、山々を遥拝できる場所として古くから知られてきたよ。
このことが千光寺が信仰の地として長く維持されてきた理由でもあるんだ。
また春から秋かけては、丹生川盆地に濃い霧が発生して雲海が見られることも。
雲海越しに見える御獄山の景色は明治時代には「飛騨八景・霧の海」として知られてきたの。
冬の千光寺は寒さが厳しく積雪は2mを超えることもあるの。
凛とはりつめた境内から快晴の御獄山を見ると清々しさを感じられるでしょう。
【多くの野生動物に出会える千光寺】
千光寺はニホンカモシカや野鳥など多くの野生動物に出会えるお寺なの。
境内を含む周辺一帯は、岐阜県自然環境程条例に基づく緑地環境保全地域および、鳥獣特別保護地区に指定されていて、採取・持ち帰り等は禁止されているよ。
【千光寺の見どころを徹底解説!】
千光寺には両面宿儺像など見どころがたくさんあるよ。
ここでは千光寺を訪れたらぜひともチェックしておきたいおすすめスポットをまとめてみよう。
<宿儺堂>
宿儺堂には地元で古くから信仰が厚い、千光寺の開祖・両面宿儺が祀られているよ。
ここでは「宿儺尊」と記す御朱印をもらうこともできるの。
「呪術廻戦」ファンにとってはぜひとも訪れておきたい聖地と言えるよ。
<本堂>
千光寺の本堂は、県指定有形文化財。
永禄7年(1565年)、武田来攻によって一山伽藍は焼失。
その後、飛騨を平定していた金森長近が再興を命じるよ。
現在のお堂は中興第六世舜慶法印の代、萬治2年(1659年)9月に再建されたもの。
かつて別屋敷にあった戦国武将の切腹の床板を、本堂再建時に供養として使用しているよ。
<本堂の「龍天井」>
千光寺の本堂の天井には可能探雪(かのうたんせつ)画による竜が2頭描かれているの。
この画は「龍天井」と呼ばれているよ。
寺伝によると、戦国武将が切腹自害した際の血痕が染みついていて、この血のついた床板を供養して本堂の天井に張ったそう。
その後、千光寺を訪れた探雪が龍を描いたと言われているの。
<庫裏(くり)>
庫裏(くり)の持仏堂には歴代住職と檀信徒の位牌などが祀られているよ。
太い梁が使われた吹き抜け構造になっている囲炉裏の真は、参拝客の接待や休憩所としても使われているよ。
<愛宕社鎮守堂>
愛宕社鎮守堂は高山市指定有形文化財で、千光寺のある袈裟山の鎮守をお祀りしているよ。
建物は本堂よりも古く、天正17年に再建。
寛政5年(1793年)と平成元年に大規模な修復が行われたよ。
愛宕神は火防や火伏の神であり、勝軍地蔵を本地仏としており、武神としての信仰が厚いよ。
<金剛堂(バザラホール)>
バザラホールは令和元年(2019年)に瞑想などのプログラム研修を中心として、人々の心の平穏と世界平和を祈る活動拠点として建立。
各種研修や修行はもちろん、300人規模の宗教典礼や講演会、コンサートなども開催できます。
御本尊は大日如来で、その両脇や道場内にはアジアの仏教圏の仏像や曼荼羅などが安置されているよ。
中央には、境内で切り出された樹齢150年の杉の丸柱があり、それを中心にラビリンスが敷設されているの。
<五本杉>
千光寺は本堂や庫裡などの建物だけではなく、袈裟山全体が信仰の対象となっているんだ。
境内にある山腹にある五本杉は、樹齢1200年の杉で、幹の周囲は約12m。
国の天然記念物に指定されており、1本の根本から5本の枝が生えているもので、天を指す5本の大樹は実に圧巻なんだ。
幹にかけられている大注連縄は、7年毎に行われる本尊御開帳法要で、地元檀信徒の若者たちによって新しく付け替えられているものなの。
<六角瞑想堂>
六角瞑想堂は平成15年(2003年)に建立されたお堂。
八十八ヵ所遍路道からさらに山を登った三角点付近に立っており、六角柱の形をしたお堂です。
東に乗鞍岳、南に御嶽山、西に白山という3つの霊峰が眺められる位置にあって、大自然のエネルギーを感じながら、瞑想が行える場所になっているの。
利用には事前予約が必要となるよ。
<円空仏寺宝館>
千光寺は「円空仏の寺」という別名があり、大慈門の近くに「円空仏寺宝館」があるよ。
この館内には63体の円空仏と寺宝の一部が展示開放されているんだ。
円空は土地の木を素材にして、木の節や割った時の切断面などもそのまま見えるような作品が多いの。
木の生命力をそのまま感じられるため、今も人々の心を魅了し続けているよ。
円空仏寺宝館には円空作「両面宿儺坐像」・「三十三観音(観音立像群)」・「賓頭盧像」・「袈裟百首」「梵鐘」などが常設展示されているんだ。
<両面宿儺坐像>
円空仏寺宝館にある両面宿儺坐像は、生涯で12万体もの仏像を彫ったとされる僧侶・円空の手による木彫り像。
県指定有形文化財にも指定されていて、木肌の残る美しい木彫り像で、手には武器を持ちながらもやさしさのある両面宿儺の姿は必見だよ。
両面宿儺坐像を拝観できる円空仏寺宝館は4月~11月の期間に開館。
冬季は休館となるため注意しよう。
<極楽門>
極楽門はかつて仁王門と呼ばれていたの。
永禄7年の一山消失後に仮門が建立され、現在の門は焼失から450年の平成25年(2013年)に再建立されたものなんだ。
極楽門の天井には飛騨の花々や飛天像などが描かれているよ。
極楽門の両脇を固める金剛力士像は春日仏師の作で、当山住職が別当職を務めていた飛騨一宮水無神社に安置されていたものを江戸時代後期に遷座。
円空上人は、かつてこの極楽門付近のケヤキに立木仁王像を顕造したと言われているよ。
極楽門をくぐると続く石階段は、煩悩の数にちなんだ八百八段がるの。
煩悩を落としながら1段1段階段を上り、本堂に向かおう。
【千光寺の住所とアクセス】
住所
岐阜県高山市丹生川町下保1553
アクセス
バス:東京、大阪、名古屋、金沢、岐阜などから高山駅まで高速バスが運航しています。高山駅からはタクシーをご利用ください。
バスの時間等についてのお問い合わせはこちらまで。
→ハイウェイバス ドット コムタクシー:高山駅から約20分
公式サイトより引用