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2021年11月25日
奈良の東大寺から徒歩5分ほどの場所にある氷室神社は、氷の神様として知られているんだ。
今回は氷の神様を祀った「氷室神社」についてまとめてみよう。
目次
【氷室神社とは?】
奈良時代、平城遷都に伴い元明天皇の勅命によって、現在の奈良公園内を流れる吉城川上流の春日奥山に氷池が造営されたんだ。
そこで厳寒に結氷させて、沢に築いた氷室(氷の貯蔵庫)に氷を蓄えていたそう。
その守り神として氷の神様を祀り、稲作に重要な夏の天候を占う祭紀を行ったのが、氷室神社の始まりとされているんだ。
その後、氷室神社は現在の場所に移築され、現在の社殿は江戸時代に造営されたと言われているよ。
氷室神社は、現在でも製氷販売業者や冷蔵冷凍業者からの信仰が篤く、毎年5月1日には献氷祭が行われているの。
この献氷祭には全国から製氷、氷売りに関わる業者の人たちが参列して、氷柱を奉納するそう。
タイやコイを封じ込めた高さ1mの大型氷柱や花氷が神前に供えられて、14:00からは神社伝来の舞楽の奉納もあるんだ。
【ひむろしらゆき祭では全国のかき氷を楽しめる?】
伝統的な献氷祭とは別に、氷室神社では毎年5月に「ひむろしらゆき祭」を開催しているんだ。
このひむろしらゆき祭では、奈良県以外に岐阜、名古屋、広島などから多くのかき氷自慢のお店が集結するの。
GWに行われるということもあって、多くのかき氷ファンが全国から訪れる人気のお祭りとなっているんだ。
このひむろしらゆき祭の開催とともに、奈良のかき氷シーズンが幕を開けると言われているんだよ。
かき氷ファンは必見のお祭りだよね。
また氷室神社の周辺には、かき氷を楽しめるお店が数多くあるんだ。
ちょっと珍しいかき氷メニューを出しているカフェやお店も多いから、お店オリジナルのかき氷をぜひ堪能してみてね。
【かき氷を奉納する「献氷参拝」ってなに?】
氷室神社では、全国的にも珍しいかき氷を奉納する「献氷参拝」があるんだ。
社務所で申込みをすると、お布施の代わりにかき氷が出てくるの。
そのかき氷を神前にお供えして、お賽銭を入れて拝礼した後は、そのお下がりのかき氷を食べることができるんだ。
食べる時には、そのかき氷にシロップをかけて食べるよ。
この献氷参拝は、毎年6月中旬~9月中旬頃まで行われる期間限定で、個人的に献氷できるんだ。
夏に参拝する時にはぜひとも献氷参拝をしておきたいね。
【氷室神社は氷みくじが有名?】
氷室神社でしか体験できないと言われているのが「氷みくじ」だよ。
拝殿のすぐ後ろにある社務所でおみくじを購入すると、何も書かれていない真っ白のおみくじがもらえるの。
そのおみくじを持って、境内にあるブロック型の氷の上におみくじを乗せると、文字が徐々に浮き出てくるんだ。
まるで氷の神様からお告げをもらえたみたいだよね。
また氷室神社には氷みくじの他にも、氷にまつわるお守りなどもあるよ。
【幻想的な雰囲気を楽しめる氷室神社の氷献灯としだれ桜】
毎月1日の日没から21時頃まで境内の参道を照らすようライトアップされるのが、氷で作られたキャンドルライト「氷献灯」だよ。
この氷献灯は、電気の明るさとは違って、幻想的な灯なんだ。
また元旦には0時~4時までこの氷献灯が灯されるから、氷室神社の年越しは人気スポットとなっているの。
さらにもう1つ、氷室神社で人気なのが「しだれ桜」なんだ。
境内にある鏡池のほとりにあるしだれ桜は、奈良で最も早く開花する桜として知られているんだ。
奈良の一番桜として有名なんだよ。
氷室神社の桜の開花を追うようにして、あちこちで桜が開花していくそうで、氷室神社のしだれ桜はいわば古都の春の始まりを告げるとても縁起のよい桜なの。
境内には何本かしだれ桜があるんだけど、最も迫力があるのが四脚門と呼ばれる門前にかかるように咲くしだれ桜だよ。
樹齢は約100年と言われていて、その姿は圧巻。
長きにわたって多くの人々の目を楽しませてくれている存在なんだ。
氷室神社の桜は開花のタイミングが難しいんだ。
他のしだれ桜と比べてもその開花はかなり早く、例年3月20日頃から見頃を迎えて、4月に入るとすでに散ってしまうそう。
満開のしだれ桜を堪能したい人は、氷室神社の宮司さんのFacebookをチェックしてみよう。
【氷室神社と南都流舞楽】
氷室神社では明治3年に廃止されるまで、氷室神社に置かれた旧南都楽所を中心に奈良における舞楽が受け継がれてきたの。
明治維新によって、三方楽人(奈良・大阪・京都)が国に召され、曲や舞が一本化されていったのが、現在の宮内庁楽部になるんだ。
しかし、上京せずに地方にそのまま残った楽人や舞があり、それぞれ独自の伝承が見られるんだ。
奈良流を重んじる有志によって、戦後間もなくして結成されたのが「南都晃耀会」
南都晃耀会は、結成50周年記念事業として後継者養成のため南都流舞楽伝承教室を企画して、伝承活動に励んでいるよ。
氷室神社の献氷祭、例祭、舞楽の他に、唐招提寺や東大寺、薬師寺などの諸行事にも奉仕の予定となっているんだ。
【氷室神社の境内を散策♪おすすめスポットをご紹介!】
氷室神社の境内は決して広くはないものの、いくつかおすすめスポットがあるよ。
ここでは、氷室神社を参拝した際に見ておきたいおすすめスポットをまとめてみよう。
<拝殿・舞殿(奈良市指定文化財)>
氷室神社は、江戸時代に朝廷や幕府の行事に参勤した三方楽所の1つ南都方の楽人が拠点とした神社なの。
そのため、神主も楽人が務めていたんだ。
この拝殿・舞殿では、楽人による舞楽奉納を中心とする祭りが行われていたそう。
拝殿は、舞楽を上演するための舞台なの。
表門両側の東西廊を楽所にして、左方と右方の舞人が舞殿で舞を舞ったそう。
奈良は、古来雅楽の中心地の1つであり、その楽人の拠点が氷室神社であったんだ。
御本殿、拝殿、四脚門、東・西回廊、末社舞光社は旧南都楽所の遺構になるよ。
<直会殿>
直会殿は、神酒や供え物を下げていただく直会の他、雅楽や舞楽の練習など集会場として使用されているよ。
<末社・舞光社>
南都舞楽の楽祖で、舞曲之達人である狛光高公を祀っているよ。
例祭は、奈良流の舞楽を受け継ぐ南都晃耀会の舞楽はじめの日に行われるんだ。
<御本殿>
三間社流造の檜皮茸で、奈良県指定文化財となっているよ。
御祭神は闘鶏稲置大山主命(ツゲノイナギオオヤマヌシノミコト)、 大鷦鷯命(オオササギノミコト)、額田大仲彦命(ヌカタノオオナカツヒコノミコト)なんだ。
【住所とアクセス】
住所
奈良県奈良市春日野町1-4
アクセス
1. JR・近鉄奈良駅からバスで5分(市内循環バス 氷室神社・国立博物館前下車)
2. 近鉄奈良駅から徒歩で15分