日本住宅建築史上最古の書院が見どころ!吉野にある世界遺産・吉水神社の魅力とは?
2021年12月20日標高1076mに鎮座する玉置神社は「呼ばれないとたどり着けない神社」と呼ばれている!?
2021年12月29日前回の記事では吉水神社の逸話を紹介したね♪
目次
【犬と参拝できる吉水神社】
奈良県・吉野にある吉水神社は「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する1つとしてユネスコ世界遺産に登録されているよ。
特に境内にある書院は日本最古の書院建築と言われていて、国の重要文化財にも指定されているんだ。
由緒ある吉水神社だけど、実は犬と一緒に参拝できる神社として愛犬家から人気があるの。
「日本一犬にやさしい神社」とも言われるほどなんだよ。
吉水神社には犬用の御守りやおみくじなども数多くあるんだ。
犬の首輪に付けられるタイプやキーホルダータイプのものもあるから、とっても人気があるそう。
【吉水神社は犬にゆかりがある!】
「日本一犬にやさしい神社」とも言われる吉水神社は、犬とのゆかりがある神社なんだ。
吉水神社のある吉野は、後醍醐天皇が対立していた足利尊氏に京都から追われて逃げ延びた土地でもあるの。
後醍醐天皇はこの吉野の地で、南朝(吉野朝廷)を開いて、北朝と対立をしたんだ。
この時代は南北朝時代と呼ばれていて、北にも南にも朝廷があった歴史的にも珍しい時代になるよ。
後醍醐天皇は吉野へ逃げ延びる際に、可愛がっていた柴犬を連れてきたそう。
いつ足利尊氏に攻められるか分からない不安な日々の中、連れてきた柴犬が後醍醐天皇を慰めたという言い伝えが残っているんだ。
吉水神社の御祭神は後醍醐天皇でもあるから、後醍醐天皇との関わりが深いの。
犬を大切にしていた後醍醐天皇の言い伝えから、吉水神社では犬を大切にしているんだよ。
また吉水神社の宮司である佐藤一彦氏は、犬など全ての動物について「ペットも家族の一員」という考え方を持っているんだ。
マナーさえ守ればペット大歓迎と公言しているんだよ。
【ペットの七五三ご祈祷が人気】
神社は宗教上の理由から、境内は犬禁止としているところも多いんだけど、吉水神社では犬と一緒に参拝ができるの。
犬の無病息災を願う祈祷や七五三の祈祷をしてもらうこともできるんだよ。
ペット大好きの宮司さんが1頭1頭丁寧に御祈祷してくれるんだ。
祈祷後は、宮司さんに抱っこしてもらって記念撮影をしてもらえるよ。
【吉水神社のおすすめスポットを解説】
吉水神社を参拝したらぜひとも訪れておきたいスポットをまとめてみよう。
<吉野千本桜>
今から1300年前、役行者が金峯山寺を開く時に、感得した蔵王権現を桜の木に刻んだことにより、吉野では桜の木を御神木として保護してきたんだ。
吉野山は山岳宗教と密接に結びつきがあり、役行者の神秘的な伝承と修験道が盛行し、桜の木はその後も植え続けられたそう。
現在吉野山には、シロヤマザクラを中心に200種類約3万本もの桜があるんだ。
吉野山の麓から山頂にかけて、下千本・中千本・上千本・奥千本と呼ばれていて4月上旬から順番に山桜が咲きあがっていくんだ。
そのため、春先から長い期間桜を楽しめるのが吉野山の桜の特徴だよ。
桜の季節になると吉水神社の駐車場の横からは、一目千本の名称通り、中千本と上千本の見事な山桜を一望できるんだ。
ぜひとも桜の季節に訪れてみたいね。
<弁慶の力釘>
吉水神社の境内には「弁慶の力釘」と呼ばれるパワースポットがあるんだ。
源頼朝の追手が、吉水神社に潜伏していた源義経を探しに来た時に、義経に出てくるように命じたそう。
追手に対して、弁慶は2本の釘を指で石に押し込み力を見せつけたんだ。
弁慶のその形相と火事場の馬鹿力ともいえる怪力を目の当たりにした追手たちは、そそくさと逃げ出したという逸話があるんだ。
<邪気祓所>
吉水神社の境内の書院裏庭には「邪気祓所」と呼ばれるパワースポットがあるよ。
この邪気祓所は、邪気を祓って、力がもらえる、勇気がもらえることで有名なんだ。
古くから修験者たちの祈りの場であった邪気祓所は、大峰山に入山するにあたり、無事に下山できるようにここから祈りをした聖地だったの。
後醍醐天皇は朝夕必ずこの邪気祓所に立ち、京都の空を仰ぎながら「九字」を切られたそう。
また楠木正成も出陣する際に、この邪気祓所で九字真法(邪気祓いの作法)の印を切り結んだ場所と伝えられているんだ。
吉野の地は「国軸」であり、吉野・高野・熊野は霊験あらたかな再生の霊地として人々に勇気や希望を与え続けるパワースポットとして現在でも人気が高いよ。
邪気とは邪悪なもので「もののけ」とも言われているの。
地震や津波、台風、落雷などの自然災害や、交通事故、水難事故、病魔などの「悪い気」のことを指すんだ。
邪気祓所では、このような邪気を清めてはらうことができる場所なんだよ。
ちなみに邪気祓いの作法は「九字真法」というんだ。
九字真法による邪気祓いは、「臨・兵・閥・者・皆・陣・烈・在・前」という9つの言葉を唱え、それに合わせて手を刀の型に見立てて陰陽道の「四縦五横(縦4回横5回)」に空を切るお祓い方法なの。
この九字真法は、これから向かう未来に待ち受ける災難などの悪い気を事前に取り払うために自ら行う護身法で、作法に従うことで誰でも行えるお清めなんだ。
詳しいやり方は以下の通りだよ。
(九字真法のやり方)
1、最初に邪気祓所の手前で45度の角度で頭を下げて、次に邪気祓所前に進んで15度頭を下げてお辞儀する
2、五芒星(星印)に上がり、手を刀印(人差し指、中指を垂直に立てて、その他の指をかたく握りこんだもの)にして目を閉じ、3回腹式呼吸を行って気持ちを整える
3、九字切りの印の上に移り、左手は刀の鞘として腰に当てて、右手は刀印で水平に真横にする
4、「臨・兵・閥・者・皆・陣・烈・在・前」の声と共に、横から順に大きく横縦に刀印のまま空を切る
5、九字を切り終わったら、最後に斜め上から斜め下に勢いよく刀を振り下ろす
6、刀を鞘に納めるように両手を最初の刀印に戻し、「セーマン・ドーマン」と3回唱える
7、初めとは逆に、邪気祓所前で15度のお辞儀をして、最後に手前で45度のお辞儀をする
<十字の詩>
門前に掲げられた十字の詩は、元弘の変に敗れ、隠岐に流される途中の後醍醐天皇に児島高徳という武士が送ったと言われる詩だよ。
隠岐に流されてしまうことになった後醍醐天皇奪還の画策を仕損じた児島高徳は、夜になり院庄(岡山県津山市)の天皇行在所である美作守護館に、単身で侵入したんだ。
しかし厳戒な警備に断念し、そばにあった桜の木にこの十字詩を刻んだと言われているよ。
桜に刻まれた文字を見て、漢詩の読めない警備兵たちが騒ぐ中、後醍醐天皇だけがその詩の意味を理解し涙されたと伝えられているんだ。
<吉水院庭園(名勝)>
豊臣秀吉は吉野の大花見をした時に、この吉水神社を花見の本陣としたんだ。
その花見に際して、秀吉自らが基本設計を行った庭園が「吉水院庭園」なんだよ。
安土桃山時代の華やかさを今に伝える桃山様式の美しい日本庭園なの。
吉水神社本社へ続く道なりの左手は海を表現している池、その池の奥の方にある山は、仙人が住むとされる「蓬来山の須弥山石組み」を表現しているそう。
また、首を伸ばした形の亀島や、鶴島、船島などもあるよ。
さらに吉水院庭園には、「豊臣秀吉花見の本陣」と刻まれた石碑が立っているんだ。
春には桜、秋には紅葉を楽しむことができる美しい日本庭園で、安土桃山時代の風情を感じることができるの。
【住所とアクセス】
住所
奈良県吉野郡吉野町吉野山579
アクセス
近鉄吉野駅からロープウェイで3分
近鉄 吉野駅よりロープウェイ山上(吉野山駅)から 徒歩約15分