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斑鳩三塔の1つ「法起寺」は法隆寺と共に世界遺産に認定されているの?

法起寺は、奈良県斑鳩町にある聖徳宗の寺院。ユネスコ世界文化遺産『法隆寺地域の仏教建造物』の一部。 from wikipedia

飛鳥時代から奈良時代以前に建立された斑鳩町にある仏塔は、聖徳太子とその一族ゆかりの仏塔で「斑鳩三塔」と呼ばれているよ。

今回は、この斑鳩三塔の1つである「法起寺」についてまとめてみよう。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
斑鳩三塔の一つだよ♪

西門前 from wikipedia

 

【法起寺とは?】

 

法起寺(ほうきじ・ほっきじ)は、別名「岡本尼寺」「岡本寺」「池後寺」「池後尼寺」と呼ばれていて、平成5年に法隆寺とともに、「法隆寺寺域の仏教建造物」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録されているお寺なの。

 

法起寺は、推古14年(606年)に聖徳太子が法華経を講説されたという岡本宮を寺に改めたものと伝えられていて、法隆寺・四天王寺・中宮寺などと共に、太子御建立七ヵ寺の1つに数えられているんだ。

ただ寺の完成は、聖徳太子が亡くなってから数十年後のことだよ。
寺名は20世紀末頃までの文献では「ほっきじ」と読んでいたんだけど、現在、寺側では「ほうきじ」を正式な読み方としているの。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
600年代に造られて現在も立派に残っているんだよ!

 

【法起寺の歴史】

 

法起寺が所在する斑鳩の里には、法隆寺や法起寺の他にも、法輪寺、中宮寺など創建年代が7世紀にさかのぼる古代寺院が多数存在するの。
この斑鳩の里は、古くから仏教文化が栄えた地であったんだ。

 

法起寺の創建の由来については、「聖徳太子伝私記」に記録する当時の三重塔にあった露盤銘によって判明しているよ。
それによると、推古30年(622年)2月2日に、聖徳太子は臨終に際いて、子息・山背大兄王に遺言して、岡本宮(宮殿)を寺に改めることを命じたの。
その遺言通り、山背大兄王は法起寺を創建したと言われているよ。

 

遺言から十数年後の舒明天皇10年(638年)、福亮僧正という人物によって弥勒仏を本尊とする金堂が建て始められたの。
塔は恵施僧正によって慶雲3年(706年)に完成。
なんと、発願から塔の完成までには80年以上もかかったんだ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
80年もかけて造られたんだね!

 

法起寺は、奈良時代にはかなり栄えていたものの、平安時代には衰微して、法隆寺の傘下に入ってしまうの。
鎌倉時代には、三重塔や講堂が修理されているものの、室町時代に再び、衰微。
江戸時代に入ると、三重塔のみを残す形になったんだ。

 

三重塔 from wikipedia

 

【法起寺の三重塔(国宝)】

 

斑鳩三塔の1つでもある、法起寺の三重塔は国宝に指定されているよ。
現存する三重塔の中では、わが国最古のものであり、創建は慶雲3年(706年)なんだ。
建立後は、再三にわたる大修理が行われたために、建立当初の形式が明らかでないところもあるの。

 

高さは24mで、特異な形式の薬師寺東塔を除くと、日本最大の三重塔と言われているんだ。

日本の木造塔では、方三間(正側面に柱が4本並んで、柱間の数が3つ)が原則なんだけど、法起寺の塔では、初層・二層の柱間は3間、三層の柱間が2間という特殊な形式になっているの。
ちなみに、ほぼ同時代に造られた法隆寺五重塔も、最上部の五層の柱間を2間としているんだ。

 

また、心礎は法隆寺五重塔や中宮寺塔跡の心礎が地中深くに据えられているのに対して、法起寺では基壇の版築の途上で据えられているの。
これは法隆寺塔などより時代が新しいことを意味しているんだ。

 

初重にある仏壇は近世のものであり、法隆寺の五重塔のような須弥山が作られた形跡や古い仏壇の痕跡もないから、当初の状況は明らかではないんだ。
高欄(手すり)部分と、三層の柱間(方二間)は、解体修理時に復元されたものだよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
とっても立派な三重塔です♪

 

【法起寺を訪れたら見ておきたいおすすめスポットとは?】

 

法起寺と言えば、わが国に現存する最古の三重塔が有名だけど、他にも見どころはあるよ。

現在の本堂、鐘楼、金堂などは江戸時代に再建されたものになるんだけど、ぜひチェックしておこう。
法起寺で見ておきたいスポットをいくつか紹介してみるね。

 

講堂 from wikipedia

 

<講堂(本堂・観音堂)>

現在の建物は、元禄7年(1694年)3月に再建されたもの。
寄棟錣葺の建物で、もとの講堂跡に建てられているよ。
旧講堂のものとみられる礎石が残っているんだ。

 

聖天堂(金堂跡) from wikipedia

 

<聖天堂>

聖天堂は、金堂跡に文久3年(1863年)に再建されたもの。

 

<木造十一面観音菩薩立像(重要文化財)>

木造十一面観音菩薩立像は講堂の本尊だったもので、現在は収蔵庫に安置してあるよ。
造像形式は通常の十一面観音菩薩像で、幹部は杉の一材から彫出していて、10世紀後半頃(平安時代)の作と言われているの。
像高は3.5m。

 

鐘楼跡 from wikipedia

 

 

<鐘楼跡>

鐘楼があったとされる跡に、基壇が残っているよ。

 

南大門 from wikipedia

 

 

<南大門>

江戸時代初期に再建されたもので四脚門。

 

画像出典:オフィスK / PIXTA(ピクスタ)

 

 

【コスモスが咲く秋の参拝がおすすめ】

 

法起寺の周りには田園風景が広がっていて、三重塔と自然の織りなす風景が多くの写真愛好家の心をつかんでいるの。

三重塔に上る朝日や、三重塔に湧き出る入道雲など撮影ポイントはたくさんあるんだけど、特におすすめしたいのは「秋のコスモスと三重塔」だよ。

法起寺の周りにはコスモス畑があるから、咲き乱れるコスモスと三重塔のコントラストは実に美しいんだ。
四季折々に見せる、いくつもの表情を楽しむことができるよ。

 

お坊さんレモン
お坊さんレモン
コスモスと三重塔のコラボレーションは素敵です♪
お坊さんレモン
お坊さんレモン
これはコスモスの咲く季節に参拝したくなりますよね!